この日の指導は業務経歴の内容の検討です。これまでご指摘していた内容は、
- 業績の訴えるべきポイントを簡潔に示す
- 専門分野の技術に関することに集約する
- 成果に対して技術応用や貢献がふさわしいものにする
でした。
ところがいずれの業績は、T様が苦労されたこともあり、
- 単純に整理することができない。
- あれこれ付随することも苦労を考えると捨てがたい
- 本質的に何が結果に結び付いたのかはっきりしない
という問題がありました。
そこで、面談コーチングによりご説明したわけです。
まず、問題点は、業績の成果はあるものの本質的な情報・精密機器の技術の応用があいまいということでした。とにかく仕事の処理に関するものが主体で機械の業績としてややものたりない感じでした。業務経歴(口頭試験)で合格できるには、専門分野の技術応用で十分アピールする必要があります。
この原因はT様が技術開発以外にマネージャーとしての職務のウエイトが大きいためと考えられます。仕事としての成果はもちろん評価項目の一つではありますが、機械・情報精密機器分野からの、特に技術面での貢献が感じられませんでした。
技術士試験では、各部門の専門技術者としてコンピテンシーを測られるわけで、もし機械・情報精密機器なのにその特定の領域で貢献が感じられなければ、試験の得点は期待できません。
このため、提案内容は、業績をひとつひとつチェックして専門技術の貢献が明らかになるよう修正していきました。個別面談コーチングだからこれが可能です。2時間の後、たくさんメモが書きこまれたT様の業務経歴チェックシートが下の写真のように出来上りました。後は仕上げるだけです。