建設部門港湾科目のH様はかなりの経験年数をお持ちのベテラン技術者です。申込書に書く業務経歴の内容は専門的業績が数多く挙げられていました。
そして、業務経歴のアピール力をさらに上げるために日本橋セミナールームに個別コーチングに来られました。
下の写真は業務経歴チェックシートをもとに、業績を一つ一つヒアリングしながらご相談した様子です。

コーチングでは対話、質問形式で
- その業績は一般的に何と呼ばれますか?
- 施設はどのくらいの大きさですか?
- あなたがどう貢献したからその仕事が出来たのですか?
- そこで応用した技術の名称は?
- その業務によるうれしい結果は何ですか?
などと問いかけながら確認していきます。
ところで業績をアピールするには何が有効かご存知ですか。業務経歴は口頭試験の際に資料となり、試験官は業務経歴から技術士にふさわしい業績の年数や専門性の深さを読みとるわけですがその方法ははっきりしていません。通常は、受験者様が独自に書かれて、その評価は試験官にお任せしているというものです。
たとえば次の業績をご覧ください。技術士にふさわしいとわかりますか。
- ○○施設復旧計画
- 道路、河川、港湾等の施設の災害応急復旧計画
- 港湾施設の需要分析に基づく環境保全、防災対策技術の研究
- ○○港トンネルの設計、施工計画
やったことはわかりますが、それぞれ質問しないと本当に技術士にふさわしいかどうかはわかりません。
そこで、講座では次のようにまとめることをご提案しています。それは、
- 業務名
- 職務内容
- 物件規模、形式
- 応用技術、貢献
- 成果
これらを列挙して連結する方法です。この日のコーチングの結果、次のような業務経歴になりました。
- ○○市○○港の整備計画。○m級大型岸壁、波静穏度解析による最適部分供用により計画スピード化
- 港湾静脈物流システムの研究、物質循環モデル解析により域内最適物流システム(リサイクルポート)の提案
- ○○港湾施設の災害復旧の計画、被災原因に応じた設計により安全性確保
この方法では、業績による成果や貢献をアピールできるため、合格につながるコンピテンシーを試験官にアピール出来るのです。
口頭試験では、合格か不合格かどう展開するかわかりません。30分間、試験官の質問が集中して、そこで合否がわかれます。もし試験官があらかじめ、業務経歴を見て技術士にふさわしいと読みとれれば、口頭試験で試験官は
「この受験者は落としてはいけない」
と考えて、口頭試験の展開が違ってくるはずです。