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Q.技術士試験の問(3)における「リスク」「懸念事項」「将来的な懸念事項」「波及効果」は、どのように書き分ければよいですか?

A.
この4つは似た表現ですが、試験で問いたい内容はそれぞれ異なります。違いを理解しておくと、設問ごとに迷わず答案を組み立てることができます。

1.「新たに生じうるリスク」

これは、提案した解決策を実施したことによって発生する可能性のあるリスクを問うものです。

例えば、鋼橋にIoTモニタリングを導入した場合であれば、

  • センサー故障による誤診断

  • サイバー攻撃による監視機能停止

  • 点検員の現場確認能力の低下

などが考えられます。

つまり、「解決策にはどのような弱点や失敗要因があるか」を考え、その対策を書く設問です。


2.「専門技術を踏まえた懸念事項」

懸念事項は、解決策を実施した結果として、新たに問題となる技術的課題です。

例えば、補修・補強工事を進めた結果、

  • 新旧部材の耐久性の差が生じる

  • 維持管理対象が増え点検負担が増加する

  • 高性能材料の更新費用が将来増加する

などです。

リスクが「失敗する可能性」であるのに対し、懸念事項は成功したとしても新たに考えなければならない課題と考えると整理しやすくなります。


3.「将来的な懸念事項」

これは、社会や技術の変化を踏まえ、将来発生し得る課題を問う設問です。

例えば、

  • 気候変動により設計外力が増加する

  • 技術者不足がさらに深刻化する

  • 老朽化施設の急増により維持管理需要が増大する

  • AIやDXの急速な進展により技術基準の見直しが必要になる

など、中長期的な視点から専門技術者として考察します。


4.「波及効果」

波及効果は、提案した解決策によって周囲へ広がる好ましい効果です。

問(2)で書く効果は「その解決策そのものの直接効果」ですが、波及効果はさらに広い範囲への影響を書きます。

例えば、橋梁の予防保全を推進した結果であれば、

  • ライフサイクルコストの縮減

  • 道路ネットワークの信頼性向上

  • 地域経済活動の安定

  • 技術データの蓄積による維持管理技術の高度化

などが波及効果になります。


書き分けのポイント

  • リスク:解決策が失敗・機能低下する可能性

  • 懸念事項:解決策が成功しても新たに生じる技術的課題

  • 将来的な懸念事項:社会・技術環境の変化によって将来想定される課題

  • 波及効果:解決策の効果が他分野・地域・社会へ広がるプラスの影響

これらは別々の概念ですが、共通して重要なのは、「解決策を実施した結果として何が起こるか」を技術者として予測する力です。

技術士試験では、提案するだけで終わるのではなく、その先に起こり得る影響まで見通しているかが評価されます。実務では一つの対策が新たな課題を生み出すことは珍しくありません。そのため問(3)では、専門技術者としての経験や実践力を確認する目的で、毎年のようにリスクや懸念事項が問われています。

Q.必須Ⅰでは、思いついた課題や解決策を書いても、「AI活用」「通信」「標準化」などの一般論にとどまってしまいます。技術的な困難性をどのように捉え、課題として整理すればよいでしょうか。

A.
まず、問題文に書かれた社会的な目的を、そのまま課題として繰り返さないことが重要です。

例えば、

  • 老朽化対策を推進する

  • 災害対応力を向上させる

  • 担い手不足に対応する

  • ネットワークを広域化する

といった表現は、問題文で既に与えられている目的であり、技術課題そのものではありません。技術を適用した結果として、何を改善し、何を実現するのかまで具体化する必要があります。

特に「顕在化していないエンジニアリング問題」を問う問題では、現在起きている表面的な問題を挙げるだけでなく、

なぜ、それが自分の専門技術において難しいのか

を考えます。

例えば、電気設備のネットワーク化であれば、単に「通信方式やデータ形式を標準化する」と書くのではなく、

  • 異種設備間の相互運用技術の確立

  • 分散制御系のリアルタイム同期制御技術の確立

  • 既設設備との段階的相互運用基盤技術の確立

のように、解決すべき技術テーマとして課題を表します。今回の問題でも、一般的な通信、AI、標準化ではなく、接続、制御、社会実装の各段階に固有の技術的困難性を明確にすることが求められていました。

課題設定は、次の順序で整理すると分かりやすくなります。

  1. 観点を決める
    安全性、信頼性、事業継続性、制御安定性、保守性など、何を重視して判断するのかを示します。

  2. 技術的な困難性を考える
    規格の違い、通信遅延、時刻同期のずれ、既設設備との互換性など、実現を妨げる工学的要因を整理します。

  3. 技術課題として表現する
    「○○技術を確立する」「○○制御を実現する」など、解決すべき技術テーマとして言い切ります。

  4. 解決策を一対一で対応させる
    課題に直接効く技術を選び、なぜそれによって課題を解決できるのかを工学的に説明します。

例えば、

レジリエンス向上の観点から、通信方式及び閉域網を冗長化し、通信途絶リスクを低減する。

とすれば、観点、技術、改善内容が一つの流れでつながります。

必須Ⅰでは、知っている技術を数多く挙げることよりも、問題文の意図を読み、技術的な困難性を見抜き、それを専門技術者として解決すべき課題へ変換する力が重要です。一般論になった場合は、まず解決策を増やすのではなく、課題設定を一段深く掘り下げるところから見直します。

Q.出題テーマと自分の専門経験を結び付ける力は、どのように鍛えればよいですか?

A.
まず、出題テーマを見て、すぐに自分の得意な構造物へ当てはめようとしないことが重要です。

先に行うべきなのは、問題文の主題を分析し、

  • 何が社会的・技術的な背景なのか

  • 出題者は受験者に何を判断させたいのか

  • どのような性能や機能の確保を求めているのか

を整理することです。

例えば、「気候変動対応型の性能確保」が主題であれば、単に豪雨や高潮を挙げるのではなく、

  • 外力条件がどのように変化するのか

  • 既存の設計条件や耐久性能では何が不足するのか

  • 将来にわたり、どの性能を確保する必要があるのか

まで読み取ります。

そのうえで、自分の専門経験を活かしやすい対象構造物を選びます。

例えば、コンクリート工学を専門とする受験者であれば、

  • RC防潮堤:高潮、水位上昇、飛来塩分増加に対する耐久性能

  • 橋梁下部工:豪雨による洗掘、塩害、高温化に対する性能確保

  • 河川構造物:越流、湿潤・乾燥繰返し、ひび割れや鉄筋腐食への対応

など、主題と専門技術の接点を探します。

ここで大切なのは、最初から対象構造物を固定しないことです。「橋梁を書きたいから橋梁にする」のではなく、主題を最も明確に表現でき、かつ自分の専門性を発揮できる対象を選ぶという順序で考えます。

この力を鍛えるには、過去問ごとに完成答案を書くよりも、

  1. 問題文の主題を一文で整理する

  2. 対象構造物の候補を複数挙げる

  3. 各候補について、主題との接点を整理する

  4. 自分の専門性を最も活かせる対象を選ぶ

  5. 問1の調査・検討事項だけを骨子化する

という練習を繰り返すことが効果的です。

例えば、同じ「気候変動」というテーマでも、橋梁、港湾構造物、防潮堤、河川構造物について、それぞれどのような技術課題が生じるかを比較します。この比較を重ねることで、問題を見たときに複数の状況設定を思い浮かべ、その中から最も適切なものを選べるようになります。

また、苦手分野をすべて詳しく学び直す必要はありません。ただし、新設、PC橋、プレキャスト、合成構造などについても、代表的な適用場面、利点、技術的課題を整理し、最低限の引き出しとして持っておく必要はあります。

状況設定が上手な受験者は、単に知識量が多いのではありません。主題を先に捉え、対象構造物と専門技術を後から結び付ける思考手順が身に付いています。

技術士合格への道研究所では、過去問を用いて「主題分析+対象構造物の比較+問1レジュメ」の練習を繰り返し、出題テーマに応じて、自分の専門経験を適切な状況設定へ変換できる力を養います。

Q.

過去問演習を進めていますが、省エネ、生産性向上、防災・レジリエンス、GXなどのテーマでは、課題や解決策が一般論にとどまり、電気設備分野としての具体性や技術的な深みを出せません。課題設定、技術キーワード、解決策はどのように整理すればよいでしょうか。

A.
まず、「省エネを推進する」「レジリエンスを高める」「DXを活用する」といった表現は、課題ではなく目的です。

技術士試験で課題として示すべきなのは、その目的を実現するために乗り越えなければならない技術的な困難です。

例えば、過疎地域の電力供給について、

自立分散型電力供給システムを構築する

と書くだけでは、まだ解決の方向を示した段階です。技術課題としては、

再エネ出力変動下での電圧・周波数安定維持

のように、何が技術的に難しいのかを明確にします。再生可能エネルギーは出力が変動し、蓄電池容量にも制約があるため、需給バランスや系統安定度をどう維持するかが本質的な技術課題となります。

課題設定では、次の順序で考えます。

1.社会的な目的を確認する
2.目的の実現を妨げる技術的障壁を抽出する
3.障壁を表す専門技術用語で課題を言い切る
4.その課題に直接対応する解決策を示す

例えば、電気設備分野では次のように整理できます。

  • 防災・レジリエンス
    → 系統停電時の電圧・周波数安定維持

  • 省エネ・GX
    → 分散型電源、需要、蓄電池の協調運用

  • 維持管理の省力化
    → 人員減少下での設備劣化把握の高度化

実際の答案でも、「再エネ出力変動下での電圧・周波数安定維持」「維持管理人員減少下での設備劣化把握の高度化」「分散型電源・需要・蓄電池の協調運用」と整理することで、課題が一般論から電気設備固有の技術課題へ変わっています。

次に、技術キーワードは、知識を多く見せるために並べるものではありません。技術的な困難を、専門家として簡潔に説明するために使うものです。

例えば、

  • 設備劣化把握
    → CBM、絶縁劣化診断、部分放電監視、熱画像診断、漏れ電流監視

  • 電力系統安定化
    → グリッドフォーミングインバータ、BESS、アイランディング制御、分散協調制御

  • エネルギー最適運用
    → CEMS、VPP、MPC、AI需要予測、確率最適化、デマンドレスポンス

というように、課題と関係する技術を選びます。

解決策では、「何を導入するか」だけでなく、その技術がどの工学原理によって課題を解決するのかまで示します。

例えば、

BESSを導入する

だけでは不十分です。

グリッドフォーミングインバータを用いたBESSにより、系統停電時にも電圧・周波数を自律形成し、蓄電池充放電制御によって再エネ出力変動を吸収する

とすれば、採用技術、働き、効果が一つにつながります。

一般論にとどまる答案では、システムの仕組みや運用方法を長く説明している一方で、技術の核心が書かれていないことが多くあります。

高評価につながるのは、

  • どの技術的障壁を解決するのか

  • どの高度技術を適用するのか

  • どの制御・診断・評価原理で成立するのか

  • どの技術指標を改善するのか

を明確にした答案です。

したがって、まず課題を一般的な目的から技術的障壁へ掘り下げ、その障壁と解決策を専門技術で一対一に結び付ける練習を行うことが重要です。

Q.

第6次社会資本整備重点計画は今年の重要テーマであり、他の講座でも予想問題として扱われています。そのため、問題Ⅰ-2を優先して勉強したいと考えていますが、Ⅰ-1を優先した方がよいのでしょうか。また、Ⅰ-2はどのように学習すれば効果的ですか。

A.
第6次社会資本整備重点計画は今年の重要テーマであり、Ⅰ-2を検討する着眼点は適切です。

ただし、試験対策としては、まずⅠ-1を答案形式まで仕上げることをおすすめします。Ⅰ-1は、施工、生産性向上、維持管理、品質確保など、実務経験を活かしやすいテーマが多く、合格答案の基本となる「観点→課題→解決策」の型を身につけるのに最適だからです。

一方、Ⅰ-2も軽視すべきではありません。ただし、いきなり答案を完成させるのではなく、まずはレジュメ形式で考え方を整理することが効果的です。例えば、「社会資本整備重点計画」や「経済成長」といった政策テーマを、自分の選択科目の技術課題へどのように落とし込むかを整理し、技術と社会課題を結び付ける視点を養います。

おすすめの学習手順は次のとおりです。

  1. Ⅰ-1は答案形式まで完成させ、得点できる型を身につける。

  2. Ⅰ-2はレジュメ形式で考え方を整理する。

  3. 余力があれば、Ⅰ-2もレジュメ形式で自分なりに再構成する。

まずはⅠ-1で確実に得点できる力を養い、その上でⅠ-2の政策テーマにも対応できるよう準備しておくことが、最も効率的な学習方法です。

Q.

問1では解決策を書き過ぎないように意識しています。そのため、「自立分散型電力供給システムを構築する」のように課題の方向性だけを書き、具体的な技術は問2で説明すればよいと考えています。この理解でよいでしょうか。

A.
考え方は近いですが、重要な点が一つあります。

「自立分散型電力供給システムを構築する」「DXを推進する」「設備利用率を向上する」といった表現は、いずれも実現したい目的です。技術課題とは、その目的を達成するために乗り越えなければならない技術的障壁を示すものです。

そのため、問1では単に目的を書くのではなく、その目的を実現するために何が技術的に難しいのかを、専門技術キーワードで表現することが重要です。例えば、

  • 需給バランス制御

  • 系統連系保護

  • 単独運転検出

  • 蓄電池充放電制御

  • インバータ制御

  • マイクログリッド制御

などを技術課題として示します。

一方、問2では、その技術課題をどのような技術で解決するかを具体的に記述します。例えば、

  • グリッドフォーミングインバータの採用

  • BESSの導入

  • 分散協調制御

  • モデル予測制御(MPC)

  • 確率最適化

といった具体的な解決策を展開します。

つまり、

  • 問1:何が技術的に難しいのか(技術課題・技術的障壁)

  • 問2:その技術課題をどのような技術で解決するのか(解決策)

という役割分担で考えると、技術士試験で求められる答案になります。

Q.

過去3年間の問題Ⅲについて、環境、生産性、物流などの頻出キーワードと、コンピテンシーや社会動向を整理しました。これを基に本命テーマを予想すればよいでしょうか。

A.
テーマやキーワードへの着目は必要ですが、それだけでは予想問題や答案準備に直結しません。

問題Ⅲの過去問分析では、各問題について次の点まで整理することが重要です。

  • 何をテーマとしていたか

  • どのような能力を問う問題だったか

  • 答案に何を書く必要があったか

  • 次に同じ系統が出るなら、どの切り口に変わるか

  • 自分がそのテーマを答案化できるか

例えば、「生産性向上」というキーワードだけでなく、過去にはどのような制約条件の下で、何を改善させる問題だったのかを確認します。そのうえで、次は維持管理の省力化、スマート化、情報技術の活用など、どの方向へ展開される可能性があるかを考えます。

また、自分の答案化可能性も、

  • :主要技術、原理、対策、留意点まで書ける

  • :概要は分かるが、技術選定や具体化に不安がある

  • ×:出題されても答案を成立させることが難しい

と評価します。

過去問分析の目的は、単に出題テーマを当てることではありません。出題者が確認したかった能力を読み取り、次の切り口を予測し、自分が補強すべき知識と答案化すべきテーマを決めることです。

最終的には、本命テーマは予想問題として答案まで仕上げ、周辺テーマは課題、解決策、リスク、技術キーワードを骨子化しておくのが効果的です。

Q.

 

 

Ⅱ-2の過去問を、テーマ、技術者コンピテンシー、国の動きなどから分析し、本命テーマを予想しました。これでよいでしょうか。

A.
Ⅱ-2の分析では、本命テーマを一つに絞ることよりも、自分がどの系統の問題で最も力を発揮できるかを見極めることが重要です。

Ⅱ-2は本番で2問のうち1問を選択するため、過去問は概ね次の2系統に分けて整理します。

  • Ⅱ-2-1:都市構造、土地利用、都市政策系

  • Ⅱ-2-2:都市施設、公共空間、事業実施系

そのうえで、各系統について、

  • 使える技術キーワード

  • 書ける調査・検討事項

  • 業務手順

  • 関係者調整の相手

  • 自分の実務経験との結び付き

を比較します。

「地域生活圏形成を踏まえた地域公共交通ネットワーク再構築」は有力なテーマですが、これはⅡ-2-1寄りです。一方で、Ⅱ-2-2に備えるには、公園・緑地、景観、駅前広場、ウォーカブル空間、エリアマネジメント、官民連携なども整理しておく必要があります。

したがって、次の順で進めるのが効果的です。

  1. 過去問を2系統に分類する

  2. 各系統と自分の経験・得意分野との相性を確認する

  3. 自分が勝ちやすい系統を決める

  4. その系統から優先してレジュメを作成する

Ⅱ-2の過去問では、テーマ自体は毎年変わっても、調査・分析、計画立案、関係者調整、合意形成、マネジメント、DX活用といった実務能力が一貫して問われています。

予想問題を当てることよりも、どちらの系統が出ても自分の専門性を使って答案を組み立てられる状態をつくることが、より確実な対策です。

Q.問題文に関連する政策や専門分野の施策を整理して技術課題を作りましたが、最重要課題を選ぶと、問題文の中心テーマから外れてしまうことがあります。どのように選定すればよいでしょうか。

A.
最重要課題は、書きやすさや自分の専門分野との近さだけでなく、問題文が最も重視している目的に直接対応するものを選ぶ必要があります。

例えば、気候変動下の国土強靱化を問う問題では、中心となるのは、

  • 災害外力が増大していること

  • 限られた人員・予算で対応すること

  • 国民生活や社会経済活動を支える重要機能を維持すること

です。

この場合、「人口減少下の都市構造形成」を最重要課題にすると、解決策がコンパクトシティ、公共交通再編、公共施設集約などに寄り、国土強靱化の中心である重要機能の維持から離れやすくなります。実際のレジュメでも、この課題を選んだ結果、問2が都市政策中心の構成になっていました。

一方、「防災拠点・交通ネットワークの機能継続性確保」を選べば、

  • 防災拠点の耐災害性向上

  • 交通ネットワークの代替性・冗長性確保

  • 防災DXによる被害把握と復旧の効率化

というように、問題文の主題へ正面から答える解決策を組み立てられます。

最重要課題を選ぶ際は、次の順で確認します。

  1. 問題文が最終的に何を守り、実現しようとしているか

  2. 3つの課題のうち、その目的に最も直接つながるものはどれか

  3. 問2の解決策が問題文の制約条件を回収できるか

  4. 問3の懸念事項まで一貫して展開できるか

必須Ⅰでは、問1の課題だけが妥当でも不十分です。問1の最重要課題、問2の解決策、問3のリスクや懸念事項が、問題文の主題に沿って一本につながっていることが重要です。

Q.複数の解決策はいずれも最終的には「電力安定供給の確保」につながります。効果を記載する際、「電力需給の継続性確保」「給電信頼性の向上」「停電リスクの低減」など、表現を変えて書いてもよいでしょうか。

A.
表現を変えること自体は問題ありません。ただし、単なる言い換えではなく、各解決策が直接もたらす固有の効果を書き分けることが重要です。

例えば、今回の3つの解決策は、最終的にはいずれも電力安定供給につながりますが、直接効果は異なります。

  • 分散型電源の導入
    → 系統停電時にも重要負荷へ給電でき、電源確保の継続性が高まる

  • マイクログリッドによる地域内電力融通
    → 限られた電力を重要施設へ優先配分でき、地域全体の給電信頼性が向上する

  • IoTセンサとAI診断による予兆保全
    → 設備故障を未然に防止し、停電発生リスクを低減する

このように、共通する最終目的は同じでも、そこへ至る技術的な作用と直接効果を分けて書くことで、解決策ごとの役割が明確になります。

実際のレジュメでも、分散型電源、マイクログリッド、AI診断は、それぞれ「電源を確保する」「地域内で融通する」「設備を止めない」という異なる役割を持っています。

したがって、

  • 「電力安定供給を確保する」

  • 「電力安定供給を向上する」

  • 「電力安定供給を維持する」

とだけ言い換えるのでは不十分です。

各解決策について、

何を改善し、その結果として、どのように電力安定供給へ寄与するのか

まで書き分けることが、高評価につながります。

Q.建設部門・道路を初めて受験します。道路分野の添削実績や講師体制、現時点での合格可能性、残り2か月で準備すべき答案数、出題されやすいテーマ、添削の進め方について教えてください。

A.
技術士合格への道研究所には、道路分野の答案指導実績があります。ただし、道路の専門知識を一方的に講義するのではなく、技術士試験の答案として、課題設定、解決策、技術的判断、論理構成を合格水準に近づける指導を行います。

答案を確認していない段階では、現実的な合格可能性を判断することはできません。合格可能性は、実際に答案を書き、指摘を受け、どこまで修正できるかによって決まります。

残り約2か月の場合、過去問についてⅠ、Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅲの骨子を各1本、予想問題についても各1本、合計8本程度の骨子作成が現実的な目安です。数を増やすことよりも、一つひとつの答案で、観点・課題・解決策の違い、答案構成、技術的判断の示し方を修正することを重視します。

道路分野では、老朽化対策、防災・減災、維持管理の効率化、DX・データ活用、担い手不足、地域交通などが重要なテーマになります。ただし、テーマ名を知るだけでは答案は書けません。自ら課題を設定し、道路技術者としての解決策と判断理由を答案に落とし込む必要があります。

直前期は、面談で説明を聞くだけでなく、一刻も早く答案練習に入ることが重要です。技術士合格への道研究所では、出題予想や考え方を示しますが、実際に答案を書き、指摘を受けて修正するのは受講者ご本人です。

答案を書くことで初めて、出題趣旨を読み取れていないこと、考えを文章にできていないこと、課題と解決策が混在していること、専門知識が技術的判断に結び付いていないことが明らかになります。これらを一つずつ修正することが、残り期間の最も重要な学習です。

Q.建設部門・道路を初めて受験します。試験まで約50日しかありませんが、どのように勉強を進めればよいでしょうか。また、各設問についてどの程度の答案を準備できますか。

A.
残り約50日でも、合格を目指すことは十分可能です。ただし、この時期から過去問を何年分も広く解くのではなく、出題可能性の高い問題に絞り、本番で書ける答案を作り込む必要があります。

技術士合格への道研究所では、まず道路分野の過去問1年分について、Ⅰ、Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅲの4問題の骨子を作成します。そのうえで、受講者自身に出題傾向を分析していただき、その内容を踏まえて当研究所が予想問題を作成します。

予想問題については、目安として、

  • Ⅰ問題:1問

  • Ⅱ-1問題:2問程度

  • Ⅱ-2問題:1問程度

  • Ⅲ問題:1問程度

を準備します。

限られた期間では、問題数を増やすことよりも、一つひとつの骨子を本番で文章化できる状態まで仕上げることが重要です。その過程で、問題文の読み取り方、課題と解決策の区別、技術的判断の示し方、技術キーワードの使い方を身につけます。

筆記試験後は、受験時の再現答案を作成して修正し、その内容を踏まえて口頭試験対策を行います。再現答案を完成させることで、筆記答案で説明不足だった点を整理し、口頭試験で問われる内容への準備にもつなげます。

Q.昨年は航空宇宙部門で受験して不合格でしたが、今年は機械部門(加工・生産システム・産業機械)で受験します。昨年の反省と今年の対策は、どのように進めればよいでしょうか。

A.
技術士合格への道研究所では、まず昨年の航空宇宙部門の再現答案を確認し、不合格となった原因を整理します。

具体的には、

  • 設問要求に正しく答えているか

  • 論理構成に無理がないか

  • 課題設定が適切か

  • 技術士としての判断や提案が示されているか

  • 設問ごとの分量配分が適切か

を分析し、部門が変わっても共通する答案作成上の弱点を明確にします。

そのうえで、今年の演習は、受験する機械部門(加工・生産システム・産業機械)の過去問や予想問題を用いて進めます。この分野では、品質、生産性、保全、自動化などの現場課題を技術的に整理し、個別設備の改善だけでなく、生産システム全体の最適化として論述することが重要です。

学習は、

「昨年答案の分析 → 機械部門の過去問分析 → 観点・課題設定の練習 → レジュメ作成 → 本番形式答案」

の順に進めます。

過去の答案は、以前の部門の知識を学び直すためではなく、自分の問題文の読み方や答案構成の癖を確認するために使用します。その反省を踏まえ、今年受験する部門の専門性に合わせて答案を作り直すことで、部門変更後も効率的に合格を目指せます。

Q.すでに提出した業務経歴書の内容に不安があります。業務経歴書のどのような点を見られ、口頭試験ではどのような質問が想定されるのでしょうか。

A.
口頭試験では、業務内容を説明できるかだけでなく、技術的判断、課題解決の考え方、関係者との調整、技術者倫理、継続研鑽などが確認されます。

そのため、想定質問を知るだけではなく、業務経歴書に記載した各項目について、技術士としてふさわしい考え方で説明できるよう準備することが重要です。

技術士合格への道研究所では、8月以降に口頭試験対策コースを受け付けます。提出済みの業務経歴書を確認し、想定質問、試験で見られる点、回答方針を項目ごとに整理します。

現時点では筆記試験に集中し、筆記試験後に業務経歴書をもとに口頭試験対策を進めるようご案内しました。

Q.Ⅰ問題では、具体的な設備仕様や技術まで書く必要はないものの、上下水道分野の専門性が分かる内容にする必要があるのでしょうか。また、施設の重要度に応じた機能維持水準の設定、段階運転や優先排水、改築更新に合わせた設備強化、費用対効果を踏まえた優先順位付けなどは「課題」に当たるのでしょうか。「人や費用を除く」と指定された問題で、費用対効果に触れてよいのかも迷います。

A.
Ⅰ問題でも、上下水道技術者としての専門的な判断が分かる内容は必要です。ただし、特定設備の仕様を細かく書くことが目的ではありません。

「必要な機能維持水準を設定する」「段階運転や優先排水を計画する」「改築更新に合わせて設備や管理体制を強化する」といった内容は、課題そのものではなく、課題を解決するための方針や対策です。課題は、例えば「災害時の排水機能を確保する」「施設の重要度に応じて機能維持を図る」のように、実現すべき方向として整理します。

また、「人や費用を除く」と指定されている場合、費用不足を課題として挙げることは避けるべきです。一方、技術的な対策を選定する際の判断基準として、過大な設備投資を避け、被害軽減効果の高い箇所を優先するという費用対効果に触れることは可能です。

技術士試験で問われるのは、特別な対策を思いつくことではなく、何を課題と捉え、どの判断基準で対策を選び、専門技術によってどのように実現するかという判断の筋道です。

Q.建設部門・道路を初めて受験します。個別指導やコーチングを希望していますが、パーフェクトコースではどのような指導を受けられますか。

A.
技術士合格への道研究所のパーフェクトコースは、答案を提出して添削を受けるだけの講座ではありません。筆記試験から口頭試験まで、完全個別指導で一貫して支援します。

答案作成は、いきなり本番形式で書くのではなく、

「レジュメ(骨子)→チェックシート(簡易答案)→本番形式答案」

の三段階で進めます。まず答案の方向性を整え、次に設問ごとの論理を確認し、最後に文字数と時間を意識した答案へ仕上げます。

提出答案については、各設問ごとに、

1.講評概要
2.評価できる点
3.修正すべき点
4.参考回答

を示します。単に表現を直すのではなく、なぜ評価されるのか、なぜ減点されるのか、どのように書き換えれば合格水準に届くのかを具体的に説明します。

また、課題設定、解決策、技術的判断、関係者調整、技術者倫理などを、技術士コンピテンシーに沿って答案へ反映できるよう指導します。

一般的な集団講義では、知識を得ることはできても、受講者本人の答案の弱点までは十分に修正できません。また、添削回数が限られている場合、答案が完成する前に指導が終わることもあります。

パーフェクトコースでは、受講者ごとの答案を確認し、合格答案になるまで修正を重ねます。さらに、筆記試験後は、再現答案、業務経歴、想定質問を整理し、口頭試験まで継続して指導します。

初回受験の方でも、知識を増やすことだけに偏らず、専門家としての判断を答案に表現するための考え方と型を、段階的に身につけることができます。

Q.建設部門・鋼構造及びコンクリートを初めて受験します。経験年数は8年程度ですが、申込書に何を書けばよいのか分からず、筆記試験の答案にも不安があります。今から勉強して、次回試験で合格を目指せるでしょうか。

A.
経験年数8年は、技術士第二次試験に挑戦するうえで十分です。合否を分けるのは経験年数そのものではなく、その経験の中で、どのような課題に対し、何を根拠に判断し、どのような成果や価値を生み出したのかを、技術士として説明できるかどうかです。

技術士合格への道研究所では、まず申込書と業務経歴を整理します。単に担当業務を並べるのではなく、

  • どの業務を主要な経験として取り上げるか

  • どのような技術的課題があったか

  • どのような比較検討や判断を行ったか

  • 自らどのような役割を果たしたか

  • その結果、品質、安全性、耐久性、施工性などにどのような効果があったか

を明確にし、技術士としての資質が伝わる内容へ組み立てます。

筆記試験では、問題文を読んですぐに文章を書き始めるのではなく、まず「この問題で技術士として何を判断すべきか」を整理します。

鋼構造及びコンクリートであれば、例えば、

  • 補修、補強、更新のどれを選択するか

  • 構造安全性、耐久性、施工性、供用継続性の何を優先するか

  • 劣化状況や荷重条件をどのように評価するか

  • 複数工法をどの基準で比較するか

  • 施工制約や将来の維持管理を踏まえて、なぜその対策が妥当なのか

まで示す必要があります。

また、設問の一部の言葉だけを捉えると、答案の方向を誤ることがあります。例えば、「社会的影響」と問われた場合、騒音・振動など施工時の環境対策だけを書くのではなく、構造物の供用停止、交通や地域経済への影響、安全性、復旧期間など、事業全体への影響を捉えたうえで、計画・設計・施工の各段階における判断を示す必要があります。

添削では、文章表現だけでなく、

「なぜこの判断が評価されるのか」
「なぜこの記述では設問要求から外れるのか」
「どの技術的根拠を補えば、判断に説得力が出るのか」

を具体的に説明します。

この修正を繰り返すことで、最終的には講師の指摘を待たず、自分で設問の意図と答案の妥当性を点検できるようになります。初回受験であっても、申込書、レジュメ、答案を段階的に整理していけば、次回試験で十分に合格を目指せます。

Q.添削では、研究所から提示されるオリジナル問題や過去問に取り組むのでしょうか。それとも、過去の本試験の再現答案をもとに課題を決めるのでしょうか。また、再現答案やヒアリングから弱点を整理し、その後の課題や添削の重点を個人ごとに調整するという理解でよいでしょうか。

A.
技術士合格への道研究所では、過去問、当研究所が作成する予想問題、過去の再現答案を組み合わせて指導します。

まず、過去問や再現答案から、問題文の読み取り、課題設定、判断軸、比較検討、答案構成などの弱点を整理します。そのうえで、受講者ごとの課題に応じて、取り組む問題や添削で重点的に確認する項目を調整します。

例えば、問題文の状況設定を十分に読み取れていない場合は、状況解釈と課題設定を重点的に指導します。判断理由が弱い場合は、「課題・判断軸・比較検討」のつながりを整理し、手順の羅列になっている場合は、各段階で何を判断するのかが分かる答案へ修正します。

このように、全員に同じ問題を同じ順序で解かせるのではなく、答案から明らかになった弱点に応じて、課題と指導内容を調整しながら進めます。

Q.建設部門(都市及び地方計画)を受験しています。これまで問Ⅱ-2がB評価にとどまっており、判断理由や比較検討が浅いことを課題と感じています。どのような構成・手順で改善を指導していますか。

A.
技術士合格への道研究所では、Ⅱ-2問題を単なる「調査項目や業務手順を書く問題」とは捉えません。問題文の状況を読み取り、技術者として何を判断し、どの案を選び、どのように関係者を動かすかを示す問題として指導します。

まず、問題文に設定された状況を分析します。例えば、駅周辺で「都市の玄関にふさわしい空間が不足している」「合意形成のために3D都市モデルを活用する」と示されている場合には、

  • なぜ合意形成が難しいのか

  • なぜ通常の図面ではなく3D都市モデルが必要なのか

  • どの段階で都市計画上の判断が必要なのか

を整理します。

次に、「課題→判断軸→比較検討」の骨格を作ります。空間の質、動線の錯綜、景観の不調和などの課題を整理し、安全性、回遊性、景観調和、実現性、合意形成のしやすさなどの判断軸を設定します。そのうえで、複数案を比較し、「なぜこの案を採用するのか」を技術的に説明できるようにします。

業務手順についても、

「現地調査→データ整理→計画案作成」

と作業を並べるだけではなく、

  • 各段階で何を把握するのか

  • その結果を次の判断にどう使うのか

  • 判断を誤ると何が起こるのか

を対応させ、意思決定の流れとして組み立てます。

また、「留意点」は判断を誤らないための注意事項やリスク管理、「工夫点」は計画の質や合意形成を高めるための能動的な技術的工夫として書き分けます。

問(3)の関係者調整では、単に「説明する」「意見を聞く」と書くのではなく、誰に、どの段階で、どの判断を確定してもらうのかを明確にします。これにより、後戻りを防ぐ技術的調整と、技術者としての主体性を示します。

添削では、各設問について、

1.講評
2.評価できる点
3.修正点
4.参考解答

を示し、「なぜB評価にとどまるのか」「A評価にするには何が不足しているのか」を具体的に整理します。

Ⅱ-2で求められるのは、知識量ではなく、状況を読み、判断軸を設定し、複数案を比較して、根拠を持って決断する力です。この思考過程を一つずつ分解して練習することで、判断理由と比較検討の深い答案へ改善します。

Q.AIを使って模擬問題や答案を作成しながら勉強しています。この時期からでも試験に間に合うでしょうか。また、上水道分野の添削指導や、添削費用について教えてください。

A.
この時期からでも十分に間に合います。ただし、AIで文章を整えることよりも、問題文の出題意図を正確に読み取り、技術者として適切な課題、解決策、判断を示すことが重要です。

AIは有効な補助ツールですが、AIが作成した内容をそのまま使うだけでは合格答案にはなりません。ご自身の業務経験や技術的理解と結びつけ、試験本番で自ら説明できる内容にする必要があります。

技術士合格への道研究所では、まずレジュメで答案の方向性を整え、次にチェックシート、最後に本番形式の答案へと段階的に仕上げます。実際に提出されたレジュメについても、設問ごとに、評価できる点、問題点、修正方法、参考解答を具体的に示しました。

今回の答案では、文章をまとめる力はある一方、問題文前段の条件を十分に読み取らず、出題者が求める構造的課題ではなく、広域連携を進める際の実務上の障害を中心に書いている点を指摘しました。また、課題、解決策、波及効果、懸念事項、倫理・持続可能性の各設問が、相互に論理的につながるよう修正する必要があることを説明しました。

模擬問題だけで学習すると、本試験の出題意図や評価基準から外れるおそれがあります。そのため、まず過去問で出題意図と評価基準を理解し、その後に予想問題を応用訓練として使用することが重要です。当研究所では、過去問練習を修了した受講者に予想問題を用意しています。

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