R1/2019年 建設・施工 Ⅱ−1−3
問題文
建設現場における三大災害を挙げ、それぞれについて、その原因を含めて概説するとともに、具体的な労働災害防止対策を述べよ。
模範解答1 (答案形式) 添削履歴 3回 2019.8.6 専門事項 工程管理
1.建設機械・クレーン等災害
重機と構造物の間で作業をしている時に重機が旋回して重機と構造物の間に挟まれる、玉掛け作業中にワイヤに手が引っかかりワイヤに巻き込まれる等の災害である。原因としては、重機の死角で作業していた、作業の見張員の配置不足、周囲の人間が声をかけない等のヒューマンエラーがある。対策として、見張員の代わりにセンサーを配備し、重機の作業区域内に立入った場合に重機が緊急停止し接触事故を防ぐ。
2.墜落・転落災害
高所で作業中に誤って転落、足場の開口部からの墜落等の災害がある。原因としては、安全帯を着用しているが使用していない等ある。対策としては、外壁先行で外周を囲い、内部には足場を設置したユニットで施工し墜落・転落を防ぐ。また、安全帯の重要性を実感する為に安全体感VRトレーニングを実施する。
3.崩壊・倒壊災害
足場等が崩れ落ちる又は倒壊して人に接触する、立てかけてあった物が倒れ下敷きになる災害である。原因としては、近道、手抜き等がある。対策としては、施工方法を見直し仮設構造物で崩壊・倒壊を防止する安全装置を設置してから本作業を行う手順に変更する。作業に一手間加える事で作業工程は増えるが、近道、手抜きを防止でき、崩壊・倒壊を防ぐ事ができる。
模範解答2 (簡易答案1) 添削履歴2 作成日2020/5/3 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
1.墜落・転落災害
1)概説:H30死亡災害要因の約4割を占め、原因は高所や足場上から墜落災害で仮設備不備・近道行動・不注意・不慣れ「ヒューマンエラー以下HE」に起因する。
2)防止対策
外壁PCユニットの無足場工法、高所作業車の採用、金網・層間ネット区画する。
2.建設機械災害
1)概説:H30死亡死傷事故要因で約1割を占め、原因は運転者の死角・ミステイクHEによる建設機械と人の接触(挟まれ・巻き込まれ)に起因する。
2)具体的な防止対策
自動認識接触衝突防止装置・全周モニター設置、人と建設機械の区画・表示する。
3.崩壊・転壊災害
1)概説:H30死亡災害で約7%を占め、原因は土砂崩壊・転壊災害とも憶測判断・省略行為・無意識行動のHEに起因する。
2)具体的な防止対策
崩壊防止は土留め先行工法の採用、転壊防止は仮設BIM活用の自動強度計算・施工写真AI一致認識チェック機能を活用する。
模範解答2 (簡易答案2) 添削履歴2 作成日2020/5/6 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
(1) 墜落・転落災害
①原因
H30死亡災害要因の約4割を占め、原因は高所や足場上から墜落災害で仮設備不備、近道行動、不注意、不慣れに起因する。
②防止対策
外壁PCユニットの無足場工法、高所作業車の採用、金網又は層間ネットで区画をする。
(2)重機災害
①原因
H30死亡死傷事故要因で約1割を占め、原因は運転者の死角やミステイクなど重機と人の接触による挟まれや巻き込まれに起因する。
②防止対策
法規定による人と重機の区画と表示をする。自動認識接触衝突防止装置と全周モニターを設置し、AIと目視確認で防止する。
(3) 崩壊・転壊災害
①原因
H30死亡災害で約7%を占め、原因は崩壊・転壊災害とも憶測判断、省略行為、無意識行動などに起因する。
②防止対策
崩壊防止は、土留め先行工法を採用する。転壊防止は、仮設BIMを活用し自動強度計算を行う。BIMデータと施工写真のAI一致認識と目視確認で防止する。
模範解答2 (完成答案) 添削履歴0 作成日2020/5/9 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
1.墜落・転落災害
1)原因
H30死亡災害要因の約4割を占め、原因は高所や足場からの墜落災害で仮設備不備、近道行動、不注意、不慣れに起因する。
2)防止対策
外壁PCユニットの無足場工法、高所作業車の採用、金網と層間ネットで区画する。
2.重機災害
1)原因
H30死亡死傷事故要因で約1割を占め、原因は運転者の死角やミステイクなど重機と人の接触による挟まれや巻き込まれに起因する。
2)防止対策
法規定による人と重機の区画と表示をする。自動認識接触衝突防止装置と全周モニターを設置し、AIと目視確認で防止する。
3.崩壊・転壊災害
1)原因
H30死亡災害の約7%を占め、原因は崩壊・転壊災害とも記憶判断、省略行為、無意識行動等に起因する。
2)防止対策
崩壊は、土留め先行工法を採用する。転壊は、仮設BIMで自動強度計算を行い、BIMデータと施工写真のAI一致認識と目視確認で防止する。
解説
(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて
課題文に要求されていた原因に対しての対策を記載するようにしてください。骨子による論理のつながりは基本です。
3大災害でない、通勤災害や崩壊転壊災害を取り上げたら減点が大きいです。日頃から建設技術者として、安全に関して関心をもって学ぶことです。
課題文に要求されている通り、具体的な対策を記載するように。かつ、要求されていないことは記載しない。
原因を含めて答えよとあるのに、そのような解答になっていなかったら減点されます。
原因に納得できる真の説明をすること。何をいっているのか理解できない記述は減点対象となります。
誰でもできること・やっていることは、高等の専門応用能力を必要としないので、技術士にふさわしいとは言えません。
技術士にふさわしい斬新な建設技術を応用した独創的対策を提案をすることです。
(2) 論旨のまとめ方、書き方などについて
前置きは不要であり、必要な事柄のみを記載すること。
見出し・誘導文は、不要です。文字数がなくなり、課題を記載できなくなると本末転倒です。
答案として一読して理解できる構成、表現でないと、コミニケーション能力不足と判断されます。
模範解答3 (簡易答案1) 添削履歴8 作成日2020/3/6 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
1. 概要
1)墜落・転落災害
①足場上での作業の省略による墜落
③開口部への措置不足で立入り転落
2)クレーン・機械災害
①合図者との連携不備による吊荷との接触
③確認不足による機械と作業員の接触
3)崩壊・倒壊災害
①掘削地山が崩壊
②山留自体の強度不足による支保工の倒壊
2.労働災害防止対策
1)墜落・転落災害
①安全帯使用状態をセンサで検知し通信システム利用による警告及び監視
③開口部への進入を検知し警報および監理者への通知
2)クレーン・機械災害
①クレーンのブーム先端カメラによる画像認識で接触防。
③機械へのICタグ接近時、ブザーとランプで警告するシステムを導入
3)崩壊・倒壊災害
①無線により検知杭の異常変動を通知・警告
②山留め壁の水平変位計測システムによる計測・監視
模範解答3 (簡易答案2) 添削履歴0 作成日2020/3/14 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
(1) 三大災害の概要と原因
①墜落・転落災害
a) 足場作業が多くあり慣れから作業手順を省略し墜落する。
b) 開口部の立入禁止措置不足から不用意に開口部へ侵入し転落する。
②クレーン・機械災害
a) 運転手は吊荷を目視できず、合図の連携ミスから吊荷と作業員が接触する。
b) 不意に機械作業半径内へ立入り機械と接触する。
③崩壊・倒壊災害
a) 掘削により地山の安定性が失われ掘削法面が崩壊する。
b) 山留自体の強度不足により支保工が倒壊する。
(2)具体的な労働災害対策
①墜落・転落災害
a) 安全帯使用状態をセンサで検知し通信システムを利用し警告及び監視で墜落を抑制する。
b) 開口部へ近接すると検知し警報が鳴り、監理者へも通知し転落を抑制する。
②クレーン・機械災害
a) クレーンのブーム先端カメラによる画像認識で接触を防止する。
b) 機械へのICタグ接近時、ブザーとランプで警告するシステムを導入し接触を防止する。
③崩壊・倒壊災害
a) 無線により検知杭の異常変動を通知・警告し変動を監視する。
b) 山留壁の水平変位計測システムによる計測・監視で異常を早期発見する。
模範解答3 (完成答案) 添削履歴1 作成日2020/3/17 建設部門 科目:施工管理 専門事項 施工計画
(1) 三大災害の概要と原因
① 墜落・転落災害
a)足場作業が多く慣れから作業手順を省略し墜落する。
b)開口部の措置不足から不用意に侵入し転落する。
② クレーン・機械災害
a)合図の連携ミスから吊荷と作業員が接触する。
b)不意に機械作業半径内へ立入り機械と接触する。
③ 崩壊・倒壊災害
a)掘削により地山の安定が失われ掘削法面が崩壊する。
b)山留自体の強度不足により支保工が倒壊する。
(2)具体的な労働災害対策
①墜落・転落災害
a)安全帯使用状態をBluetoothペアリング機能で検知し、通信システムを利用し警告及び監視で墜落を抑制する。
b)開口部へ近接すると検知し警報が鳴り、監理者へも通知し転落を抑制する。
② クレーン・機械災害
a)クレーンブーム先端カメラの画像認識で接触の防止。
b)機械へのICタグ接近時、ブザーとランプで警告するシステムを導入し接触を防止する。
③ 崩壊・倒壊災害
a)無線により検知杭に内蔵の重力加速度センサの角度変化を検知し通知・警告し変動を監視する。
b)山留壁の水平変位計測システムによる計測・監視で異常を早期発見する。
解説
(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて
答案の書き方は、まずは自分の言葉で考えることです。
現状の常識より少しでも良くなるためのことを考えること。
今、自分が持っている考えの一歩先にどのようなことを行えば、より良くすることができるか考えるように。
経験豊富で技術士らしい考えを持っている人ならば、自分の考えを書けるが、そうでない人でも、これから技術士らしい考え方を学ぼうと思いながら謙虚に取組めば、何とか書けます。
一番大事なことは、問題を出題する側(試験官)が、この問題から何を聞きたいのかを考えることです。
自分自身が行ってきたことだけが、最良であると過信しないように。
要点や伝えたいことを考えながら書くと、いつの間にか規定の文字数を超えてしまうので、骨子だけを箇条書きで考えることです。
(2) 論旨のまとめ方、書き方などについて
できるだけ建設工学に関する技術応用を書くようにしてください。
文字数の制約があるため、要点を短く分かりやすく書く。
いきなり答案に書くのではなく、レジュメ、チェックシート(簡易答案形式で)を書くことで、短くまとめたり少し文字数を増やしたり、文字数の制約に対しての選択肢が選べるようになります。
ご自分の書き方が正しいかどうか分からない場合は、教えてもらうことは恥ずかしいことではないので、不完全な文章でもすぐ添削を受けて、何度でも修正し、良い文章に仕上げるようにしてください。