問題文
ある市街地の生活道路(地区に住む人々が地区内の移動あるいは地区から幹線街路に出るまでに利用する道路)地区において、地区に関係のない自動車の走行やスピードの出しすぎなどの問題が発生しており、交通安全対策(ゾーン対策)が検討されている。この対策の担当責任者として、下記の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
模範解答1 (簡易形式1) 添削履歴 6回 2019.09.4 専門事項 道路設計
1.査検討すべき事項と内容
道路地図上で、幹線・生活道路を含む道路網調査し、抜け道の特定を行う。
②主要地点で、平日の7時〜19時の車種別、人、自転車等の交通量を調査する。
③幅員構成:計画横断構成決定のため、現況の道路幅員について調べる。
④交通事故調査:過去3年間の交通事故(人身)について、確認する。
⑤民間プローブデータから調査エリアの主経路の急ブレーキ・減速箇所を抽出する。
2. 事業を進める手順
道路・交通状況に応じて機能を設定:ゾーン内交通を主要道路に導き、また沿線サービス機能を確保するため、道路幅・車交通量に応じ歩行者・自動車の同一路面、または、歩車分離構造にするか決定する。
②迂回車抑制および、内々交通の車速抑制を図る箇所選定を行う。
③横断構成:車道幅員は停車、乗用車すれ違い、消防活動を考慮し4mを確保し、残りの部分は、青色で着色し歩行者等の通行区分を明示する。
④溜まり空間設置:歩行者の滞留、コミュニティ形成場所として設置する。
3. 事業を効率的に進める関係者との調整方策
(1) 車速を低速(30km/h以下)に抑制し重大事故を防止するため法的規制(ゾーン30設定)を公安委員会に求め、地域の道路交通環境の保全を図る。
(2) 危険ポイント(急ブレーキ、減速箇所、視距の悪い交差点等)について、事故防止のため、視覚的明示、減速構造の必要性を公安委員会・道路管理者に提示し、設置を両者に促す。
(3) 幹線道路で、ラッシュ時の進入禁止標識(電光式)を、予告(生活道交差点手前約300m)、交差点直近の2カ所へ設置が効果的なことを公安委員会に説明し設置を促す。
(4) 交通ラッシュ時の通過車両の進入防止のため、公安委員会に可動式ポラード設置による抑止効果の有効性について提示し、併せて生活道管理者に説明し、生活道路管理者へ設置を促す。
模範解答1 (簡易形式2) 添削履歴 0回 2019.09.6 専門事項 道路設計
(1)調査検討すべき事項と内容
道路網の抜け道特定
道路地図上で、幹線・生活道路を含む道路網調査し、抜け道の特定を行う。
②現況交通量
主要地点で、平日の7時〜19時の車種別、人、自転車等の交通量を調査する。
③既設道路幅員
計画横断構成決定のため、現況の道路幅員について調べる。
④交通事故
過去3年間の交通事故(人身)について、確認する。
⑤民間プローブデータから調査エリアの主経路の急ブレーキ・減速箇所を抽出する。
(2)事業を進める手順
計画道路構造決定
ゾーン内交通を主要道路に導き、また沿線サービス機能を確保するため、道路幅・車交通量に応じ歩行者・自動車の同一路面、または、歩車分離構造にするか決定する。
②迂回車進入禁止および減速箇所選定
迂回車抑制および、内々交通の車速抑制を図る箇所選定を行う。
③横断構成決定
車道幅員は停車、および乗用車すれ違い、消防活動等を考慮し4mを確保し、残りの部分は、青色で着色し歩行者等の通行区分を明示する。
④溜まり空間設置
歩行者の滞留、コミュニティ形成場所として溜まり空間を設置する。
(3)事業を効率的に進める関係者との調整方策
道路交通環境保全のためゾーン30設定
車速を低速(30km/h)に抑制し重大事故を防止するため法的規制(ゾーン30設定)を公安委員会に求め、地域の道路交通環境の保全を図る。
②危険カ所の視覚明示・減速構造提示
危険カ所(急ブレーキ、減速箇所、視距の悪い交差点等)について、事故防止のため、視覚的明示、減速構造の必要性を公安委員会・道路管理者に提示、設置を両者に促す。
③幹線道路の進入禁止標識
幹線道路で、ラッシュ時の進入禁止標識(電光式)を、予告(生活道交差点手前約300m)、交差点直近の2カ所へ設置が効果的なことを公安委員会に説明し設置を促す。
④生活道路入口の可動ポラード設置
交通ラッシュ時の通過車両の進入防止のため、公安委員会に可動式ポラード設置による抑止効果の有効性を提示し、併せて生活道管理者に説明し設置を促す。
模範解答1 (答案形式) 添削履歴 0回 2019.09.7 専門事項 道路設計
(1)調査検討すべき事項と内容
道路網の抜け道特定
道路地図上で、幹線・生活道路を含む道路網調査し、抜け道の特定を行う。
②現況交通量
主要地点において、平日の7時〜19時の車種別、人、自転車等の交通量を調査する。
③既設道路幅員
横断構成決定のため、現況の道路幅員を調べる。
④交通事故
過去3年間の交通事故(人身)について、確認する。
⑤民間プローブデータから調査エリアの主経路の急ブレーキ・減速箇所を抽出する。
(2)事業を進める手順
計画道路構造決定
ゾーン内交通を主要道路に導き、また沿線サービス機能を確保する。そのため、道路構造は、道路幅員・車両の交通量に応じ歩行者・自動車の同一路面、または、歩車道分離構造にするか決定する。
②迂回車進入禁止および減速箇所選定
迂回車の抑制および、内々交通の車速抑制を図る箇所選定を行う。
③横断構成決定
車道幅員は、停車、および乗用車すれ違い、消防活動等を考慮し4mを確保し、残りの部分は、青色で着色し歩行者等の通行区分を明示する。
④溜まり空間設置
歩行者の滞留、コミュニティ形成場所として溜まり空間を設置する。
(3)事業を効率的に進める関係者との調整方策
道路交通環境保全のためゾーン30設定
車速を低速(30km/h)に抑制し重大事故を防止するため、法的規制(ゾーン30設定)を公安委員会に求め、地域の道路交通環境の保全を図る。
②危険カ所の視覚明示・減速構造提示
危険カ所(急ブレーキ、減速箇所、視距の悪い交差点等)の事故防止を図る。そのため、視覚的な明示、減速構造の必要性を公安委員会・道路管理者に提示し、設置を両者に促す。
③幹線道路の進入禁止標識
幹線道路で、ラッシュ時の進入禁止標識(電光式)を、予告(生活道交差点手前約300m)、交差点直近の2カ所へ設置が効果的なことを公安委員会に説明し設置を促す。
④生活道路入口の可動ポラード設置
交通ラッシュ時の通過車両の進入防止のため、公安委員会に可動式ポラード設置による抑止効果の有効性を提示し、併せて生活道管理者に説明し設置を促す。
解説
(1)課題の分析のしかたについて
問題文から現地の状況を概略イメージすると正解に早くたどり着けます。
問いかけ文に対し、現在の社会的な要求に対し、技術基準等を踏まえ大まかな要点を抽出するように。
調査事項は、重要3点に絞り手順を基に何のために調査・検討するかよく考えると良いでしょう。
(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて
設計条件を整理し、概略イメージを図面表示すると分かりやすいです。
表題は意図を明確に記述しないと、提案内容が伝わらないので下記のように書いてください。
例:道路橋の耐震設計 → 修正後 道路橋の耐震(レジリエンス)設計
(3) 留意点などの考え方、書き方などについて
内容は、与条件との関連性を考え、具体的な案を提示するように。与条件と関連付けし、手順に沿い専門技術が表れる表現とすると良いでしょう。
一文は3行以内とし、主語・述語の明確化を図ること。
不要な前提文は避けること。←主点がぼやけるため前置き文は削除するように。
この受講者様は、答案作成について次のようにお考えになったそうです。
都市計画決定時には、平面図、橋を含む縦断図、標準断面等概略設計が決まっていて、提案できるのは、河川・鉄道橋梁そのものの詳細設計に限ると当初考えた。しかし、技術士の問題文は、コンピテンシーを測る目的で作成されているので、あらかじめ制約条件で方策が決まっていては試験にならない。建設部門道路としての資質能力なので、道路の形状や施工について巧みに検討して見せなければならないと考えた。このため、現実的には制約はあるかと思うが、道路計画主体に他との調整も含めて、多少自由に仕事を離れてベストの提案をすべきと気づいた。
「技術士問題がコンピテンシーを測る目的で作成されている」とはさすがです。このため現実的な制約条件に左右されることはなく、多少自由に答案としてベストの提案をするのが合格の早道です。
(4) 調整の考え方、書き方などについて
関係者の意見は、各者ごとでなく要求事項としてまとめた方が読み手に意見の違いが明確に伝わりやすい。
また、文末は言い切りの表現をすることで、インパクトのある、すっきりした文面としてください。
一文は3行以内とし、主語・述語の明確化を図るように。
接続語を工夫しないと、微妙な提案趣旨が伝わらないときがあるのでご注意ください。
模範解答2 (簡易答案1) 添削履歴8 作成日2020/5/13 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1.調査、検討すべき事項
①抜け道の特定 主経路の抜け道利用が想定される為、周辺の道路網を調査する。
②加速・急減速地点の特定 車両走行速度及び急減速地点を抽出する為、民間プローブデータで確認する。
③規制時間帯の特定 対策を要するピーク時交通量を把握する為、現況交通量調査を実施する。
④歩行空間の確保 歩行者優先の道路横断構成とする為、支障となる地上設置物を調査する。
2.手順について、留意すべき点、工夫を要する点
①進入防止箇所の選定 抜け道利用を防止する為、時間帯車両通行規制及びライジングボラード設置を計画する。
②速度抑制箇所の選定 車両走行速度を抑制する為、走行速度30km/hを超える箇所にハンプ・狭さく及びシケイン設置を計画する。
③道路横断構成の決定 通行・沿道サービス機能を向上する為、歩車混在もしくは歩車分離構造の道路横断構成を決定する。
④視認性の向上 運転者の視認性向上の為、路側帯及び交差点30m手前の区間にカラー舗装とイメージハンプを組み合わせた設置を計画する。
3.関係者との調整方策
① 計画案を示したところ、地区住民からは車両通行止めを要求され、逆に道路管理者からは歩道設置を要求される。そこで、歩行者の通行量が多い時間帯に車両通行規制することで、両者が満足する安全性の高い提案を取りまとめる。
② カーナビ事業者に対し、ナビゲーションソフトの改善を要求するが、拒否される。そこで、交通管理者を説得し、交通管理者からカーナビ事業者に対し申し入れをしてもらい、システム更新を図る。これにより経済的で安全性の高い提案を取りまとめる。
模範解答2 (簡易答案2) 添削履歴0 作成日2020/5/14 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1.調査、検討すべき事項
①抜け道の特定 主経路の抜け道利用が想定される為、対象地区周辺の道路網を調査する。
②加速・急減速地点の特定 対象地区の車両走行速度及び急減速地点を抽出する為、民間プローブデータで確認する。
③規制時間帯の特定 対策を要するピーク時交通量を把握する為、車種別、歩行者及び自転車の昼間12時間現況交通量調査を実施する。調査箇所は、幹線道路と抜け道との交差点とする。
④歩行空間の確保 歩行者優先の道路横断構成とする為、支障となる地上設置物を調査する。
2.手順について、留意すべき点、工夫を要する点
①進入防止箇所の選定 抜け道利用を防止する為、幹線道路と抜け道との交差点に対し、時間帯車両通行規制及びライジングボラード設置を計画する。
②速度抑制箇所の選定 車両走行速度を抑制する為、致死率が飛躍的に上昇する走行速度30km/hを超える箇所にハンプ・狭さく及びシケイン設置を計画する。
③道路横断構成の決定 通行・沿道サービス機能を向上する為、現況交通量及び現況道路幅員に応じ、歩車混在もしくは歩車分離構造の道路横断構成を決定する。
④視認性の向上 運転者の歩行者及び交差点に対する視認性向上の為、路側帯及び交差点30m手前の区間にカラー舗装とイメージハンプを組み合わせた設置を計画する。
3.関係者との調整方策
①歩行者の安全性向上 計画案を示したところ、地区住民からは車両通行止めを要求され、逆に道路管理者からは歩道設置を要求される。そこで、歩行者の通行量が多い時間帯に車両通行規制することで、両者が満足する安全性の高い提案を取りまとめる。
②カーナビシステムの改良 カーナビ事業者に対し、ナビゲーションソフトの改善を要求するが、拒否される。そこで、交通管理者を説得し、交通管理者からカーナビ事業者に対し申し入れをしてもらい、システム更新を図る。これにより経済的で安全性の高い提案を取りまとめる。
模範解答2 (完成答案) 添削履歴3 作成日2020/5/20 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1.調査、検討すべき事項
①抜け道の特定
対象地区周辺の道路網を調査し、第4種第4級の設計交通量500台/日を超える道路を抜け道として選定する。
②加速・急減速地点の特定
民間プローブデータで対象地区の車両走行速度及び急減速地点を調査し、第4種第4級の設計速度30km/hを超える区間を選定する。
③規制時間帯の特定
幹線道路と抜け道との交差点にて昼間12時間現況交通量を調査し、車両走行台数が都市部の30番目時間交通量(K値9%)を超える時間帯を選定する。
④歩行空間の確保
現況道路幅員及び歩行に支障となる地上設置物を調査し、車椅子の有効幅員1.0m以上の歩行空間を確保する。
2.手順について、留意すべき点、工夫を要する点
①進入防止箇所の選定
抜け道利用を防止する為、幹線道路と抜け道との交差点に対し、時間帯車両通行規制及びライジングボラード設置を計画する。
②速度抑制箇所の選定
車両走行速度を抑制する為、致死率が飛躍的に上昇する走行速度30km/hを超える箇所にハンプ・狭さく及びシケイン設置を計画する。
③道路横断構成の決定
通行・沿道サービス機能を向上する為、現況交通量及び現況道路幅員に応じ、歩車混在もしくは歩車分離構造の道路横断構成を決定する。車道幅員は、車両同士のすれ違い及び消防活動を考慮し、4m以上を確保する。
④視認性の向上
運転者の歩行者・交差点に対する視認性向上の為、路側帯及び交差点30m手前の区間にカラー舗装とイメージハンプを組み合わせた設置を計画する。
3.関係者との調整方策
①歩行者の安全性向上
計画案を示したところ、地区住民からは車両通行止めによる歩行空間確保を要求され、逆に道路管理者からは歩道設置による車両走行空間確保を要求される。そこで、通勤通学時間帯に車両通行規制することで、両者が満足する安全性の高い提案を取りまとめる。
②カーナビシステムの改良
カーナビ事業者に対し、ナビゲーションソフトの改善を要求するが、個別対応の困難性から拒否される。そこで、交通管理者を説得し、交通管理者からカーナビ事業者に対し申し入れをしてもらい、システム更新を図る。これによりソフト面による経済的で安全性の高い提案を取りまとめる。
解説
(1)問題の分析のしかたについて
調査事項を生かした検討方針を記述するようにしてください。データ収集のみの調査では×です。
【R1Ⅱ-2-1道路】は、最近の社会情勢を反映して出題された問題で、そうした社会問題認識があるかどうかが問われます。
一つ一つ検証しながら地道に調査・検討を進めるより、仮設やシナリオに基づき単刀直入に解くように。
調査はやらないよりやった方がいい、というようなあいまいな根拠では×。付随的事項にすぎません。
調査→検討の順に記述し、検討内容は具体性(道路設計指標、基準、値等)を持たせるようにしてください。
例:抜け道としての利用が想定される経路を検討する。→第4種第4級の設計交通量500台/日を超える道路を抜け道として選定する。
(2)解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて
遠すぎる要因は関連性が希薄となり、好ましくありません。
手順(全体→部分)を意識するように。
業務で実践しているものが少なからずあるはずなので思い出すように。
(3)留意点などの考え方、書き方などについて
「留意点」とは「性能を高める、方策の実効性を高める活動や提案」です。
書き方は「○○(性能を高める)○○の為、○○(具体的行動)○○する」が表現しやすい。
(4)調整の考え方、書き方などについて
自身にも関係者にも、目的とする結果が業務の成果と一致し、WIN-WINの関係となる内容とすること。
一方的に方法論と必要性を言い放つだけでは△。反対意見や要求に対し、こちらの譲歩や交換条件を記述する。
例:○○から○○(困難な要求)○○される。そこで、○○(交換条件)○○し、提案を取りまとめる。
模範解答3 (簡易答案1) 添削履歴8 作成日2020/2/1 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1. 調査、検討すべき事項とその内容について
(1)生活道路を通過する交通量の調査
生活道路を抜け道としている交通量を調査。
(2)生活道路内における通過交通の速度調査
通過交通の走行速度を調査し、走行速度を制限する対策を検討。
(3)生活道路内における道路幅員等の調査
道路幅員や歩道の有無等を調査。
2.業務をすすめる手順について
(1)現況の交通量調査
生活道路を抜け道として使用している通過交通量、時間帯を把握。
(2)ライジングボラードの設置
ライジングボラードを設置して生活道路編の進入を抑制。
留意点としてはライジングボラードが解除時に通過交通が発生。
(3)ハンプの設置
速度抑制対策としてハンプを設置。
留意点としては速度を抑制しても歩行者との接触事故は発生。
(4)車との接触防止
歩車道境界部にガードレールを設置。
留意点としては道路幅員狭く、ガードレール設置が不可。
3.関係者との調整方策について
(1)調査会社との調整
・子供と車の接触事故が高い時間帯は登下校も含め朝、昼、夕方。
・国交省の一般交通量調査における車の通勤ラッシュの時間帯は7 時〜9 時、
帰宅ラッシュは17時〜19時。
・上記より、交通量調査時間は6時〜20時とする。
(2)道路管理者と調整
・ハンプ設置後も環境基準値(騒音60db、振動65db)以下であることを確認。
・基準値を上回る場合は、ハンプと路面の間に弾性材のシートを設置。
582文字
模範解答3 (簡易答案2) 添削履歴5 作成日2020/2/8 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1. 調査、検討すべき事項とその内容について
(1)生活道路を通過する交通量の調査
生活道路を抜け道としている交通量を調査し、流入量を削減することを検討する。
(2)生活道路内における通過交通の速度調査
通過交通の走行速度を調査し、走行速度を制限する対策を検討する。
(3)生活道路内における道路幅員等の調査
調査結果より、ハード対策(ガードレールの設置等)、ソフト対策(速度抑制標識等)を検討する。
2.業務をすすめる手順について
(1)現況の交通量調査
1日のうち生活道路を抜け道として使用している交通量、通過交通が多い時間帯を把握する。
(2)ライジングボラードの設置
ライジングボラードを設置して生活道路への進入を抑制する。留意点としてはライジングボラードが解除時に通過交通が生活道路に進入することが考えられる。
(3)ハンプの設置
通過交通の速度を抑制させるため、ハンプを設置する。留意点としては速度が抑制されたとしても歩行者との接触事故は発生すると考えられる。
(4)車との接触防止
歩車道境界部にガードレールを設置する。設置不可な場合は、カラー舗装による歩道の明確化、速度抑制標識等を設置してドライバーに注意を促す。
3.関係者との調整方策について
(1)調査会社との調整
より効率的に交通量調査を実施するため、従来の12時間、24時間調査にとらわれない合理的な調査時間について調査会社と調整する。まず一次調査で歩行者、通過交通が多い時間帯を求め、次に国交省の交通量データを基に、歩行者が最も影響を受ける時間帯(例、朝6時〜夜20時)を絞る。このような手順で本調査(二次)は短期間で影響を調査するよう促す。
(2)地元住民との調整
通過交通車の速度抑制対策のためハンプを設置すると、走行時に騒音が発生するため、設置後住民に評価してもらう。私は環境基準値(騒音60db、振動65db)未満を確認して、公聴会にて公正な環境レベルであることを住民に説明するとともに、住民、専門家らの意見を整理して必要に応じて防振対策を検討する。
模範解答3 (完成答案) 添削履歴6 作成日2020/2/17 建設部門 科目:道路 専門事項 道路設計
1.調査、検討すべき事項とその内容について
(1)周辺の幹線道路も含めた交通量調査
現況の交通流を調査し、生活地区に関係のない自動車が何故生活道路を利用しているのか、その要因を確認する。
(2)生活道路内における速度超過の要因を調査
速度超過が生じやすくなる要因を把握するため、生活道路内における線形、見通し、道路幅員等を調査する。
(3)接触事故に対する現況の安全対策調査
生活道路内において、接触防止対策として歩車分離構造等の安全対策が実施されているかを確認する。安全対策が未実施や不十分な場合には、ガードレール設置等の安全対策を検討する。
2.業務をすすめる手順について
(1)現況調査(交通量調査含む)
生活道路内に進入する自動車の割合、歩行者との接触事故の危険性を把握するため、現況調査時間は歩行者が多い通勤、登下校時間を包括するように決定する。
(2)速度抑制対策
生活道路内の速度抑制対策としてハンプを設置する。ハンプの設置位置は、速度超過が生じやすく歩車分離構造等の安全対策が施されていない箇所や、通学路として指定されている区間を優先する。
(3)歩車分離対策
歩車分離構造により接触事故を防止する。道路幅員に余裕がある場合は歩車道境界部にガードレールを設置し、余裕がない場合は歩道部をカラー舗装により明確化して、視覚的にドライバーに歩行者へ注意を促す。
(4)車両の進入規制対策
道路構造上、やむを得ない場合はライジングボラードにより道路を封鎖し、接触事故を防止する。ゴム製のライジングボラードを用いて車両接触時の車体損傷の軽減、高輝度LEDを常時点滅させ、ドライバーへの視認性を確保、する。
3.関係者との調整方策について
(1)調査会社との調整
交通量の一次調査として歩行者、通過交通が多い時間帯を求め、次に国交省の交通量データを基に、歩行者が最も影響を受ける時間帯(例、朝6時〜夜20時)を絞る。このような手順で本調査(二次)は短期間で影響を調査するよう促す。
(2)地元住民との調整
通過交通車の速度抑制対策のためハンプを設置すると、走行時に騒音が発生するため、設置後住民に評価してもらう。私は環境基準値(騒音60db、振動65db)未満を確認して、公聴会にて公正な環境レベルであることを住民に説明するとともに、住民、専門家らの意見を整理して必要に応じて防振対策を検討する。