R1/2019年  衛生工学部門・廃棄物・資源循環 Ⅱ-1-1

問題文  Ⅱ-1-1

 廃棄物系バイオマスの資源化技術としてのメタンガス化について、原理、処理方式(発酵槽内の固形物濃度、温度条件)別の特徴及び資源化の例について述べよ。

模範解答1 (簡易答案1)    添削履歴2    作成日2020/4/4    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

1.原理

有機物を嫌気性微生物の発酵によりメタンとCO2を生成。

2.処理方式:発酵槽内の固形物濃度、温度

・乾式方式 固形物濃度15〜35%、55℃

1)特徴

①   メタンガス発生量が多い一方、設備費用が高い

②   排水量が少なく、焼却施設とのコンバインドに有利

③   投入するごみ種が多様

・湿式方式 固形物濃度2〜5%、35℃

1)特徴

①   大規模処理に有効だが、原料の細分化必要で、排水量が多く処理費が高い。

②   アンモニア阻害耐性に優れ安定運転に優れる

③   機器点数少なく、設備費が安価

3.資源化の例

メタンガス:ガスエンジン発電、独立過熱器での蒸気加温、導管ガス売却

残渣:直接焼却での熱利用、堆肥、固形燃料化、発酵液:液体肥料

模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴1    作成日2020/4/8    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1) 廃棄物系メタンガス化の原理

廃棄物中の有機物を嫌気性微生物の発酵により、メタンガスと二酸化炭素を生成する。その過程は、可溶化・加水分解⇒酸生成⇒酢酸生成⇒メタン生成である。

(2) 廃棄物系メタンガス化の処理方式の特徴

1)乾式処理方式

有機物を固形物状態で、高温嫌気発酵する方式。

 ・特徴

①  高温55℃でメタンガス量が多いが、機械設備が必要で設備費用が高価

②  固形物濃度15〜35%で排水量が少なく焼却施設とのコンバインドに有利

③  固形物を処理できる設備構成で、多様なごみ種に対応可能

2)湿式処理方式

有機物を液体状態で、中温嫌気発酵する方式。

 ・特徴

①  大規模処理に有効だが、原料の細分化が必要で、排水量も多く処理費も高い

②  中温35℃で発酵阻害するアンモニア耐性に優れ安定運転できる

③   固形物濃度2〜5%の液体で発酵するため機器点数少なく、設備費用が安価

(3) 廃棄物系メタンガス化による資源化の例

メタンガス化は、様々な状態で資源化でき、その実績例を示す。

①  メタンガス:ガスエンジン発電、独立過熱器での蒸気加温や導管ガス

②   発酵液:炭素、窒素濃度が高く液体肥料

③   発酵残渣:直接焼却、固形燃料化による熱回収や、直接堆肥

 

模範解答1   (完成答案)    添削履歴0    作成日2020/4/18    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1)廃棄物メタンガス化の原理

 有機物を嫌気性微生物の発酵により、メタンと二酸化炭素を生成する。その過程は、可溶化・加水分解⇒酸生成⇒酢酸生成⇒メタン生成である。

(2)廃棄物メタンガス化の処理方式別の特徴

1)乾式処理方式

有機物を固形物状態で、高温嫌気発酵する方式

①  高温55℃でメタンガス発生量が多いが、前処理機械設備が必要で、初期設備費用が高価

②  固形物濃度15〜35%で排水量が少ない。清掃工場採用が多く焼却とのコンバインドに有利

③  固形物処理の設備構成で、多様なごみ種に対応可能。ただしNH3阻害〜3,000㎎/lに弱い

2)湿式処理方式

有機物を液体状態で、中温嫌気発酵する方式

①  高大規模処理に有効だが、液体のため原料の細分化が必要で、排水量も多く処理費も高い

②  中温35℃のため、発行阻害するNH3 耐性(〜5,000㎎/l)に優れ連続安定運転が可能

③  固形物濃度2〜5%の液体で発酵するため機器点数が少なく、初期設備費用が安価

(3)廃棄物系メタンガス化による資源化の例

①メタン:ガス発電、独立過熱機加温、導管ガス

②発酵液:炭素、窒素濃度が高く液体肥料

③発酵残差:直接焼却、固形燃料化、直接対比

解説

(1)問題趣旨に対する考え方、取り組み方などについて

言葉の意味のキーワード学習ではなく、値をどう使うかという(応用力)を学ぶことが大切です。

3つ挙げよという問いでは、3つの事項が順序付けされるように、かつ被りのないようにしてください。

Ⅱ-1は専門知識を求められており、かつ1枚のため、内容を簡潔に書いて、あまり風呂敷を広げすぎないようにします。

問題を丁寧に読み、求められる内容、趣旨を理解して、落ち着いて構成を考え記述すると正解できます。

意味不明の文章は、採点官が疑問や推論を必要として、場合によってコミニケーション能力不足とみられるためわかりやすい内容としてください。

国の施策等の最新のトレンドや社会的背景を意識して分析するように。またなぜそれが注目されるかを考えることです。

 (2) 論旨のまとめ方、書き方などについて

方式別の解答を求められていても、共通事項は一つの項目にまとめて構いません。

見出しで内容がわかるようにすればよいのです。

「別の・・」と要求されたら、柱となる解答を複数(2〜3)記載するように。

「特徴」とは、良いことはっきりと記載する。デメリットは留意点等で記載すればよいでしょう。

記載表現注意:資源化例の求めに対して、資源化可能といった当たり前の表現は使わず、実用化例をはっきり記載すること。

はじめにや、各項目の前置きなどは不要です。

見出しは体言止めにすると簡潔に書けます。

文字数が限られるため、物質名は分子記号で記述で構いません。

数値・技術名称は、具体的に記述するのが良いでしょう。

R1/2019年  衛生工学部門・廃棄物・資源循環 Ⅱ-2-2

問題文  Ⅱ-2-2

 廃プラスチックについては、中国による輸入規制を受けて、国内でのリサイクルや資源化を進めることが喫緊の課題となっている。あなたが、プラスチックのリサイクル、資源化を進めるための業務の担当責任者として業務を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。

模範解答1   (簡易答案1)    添削履歴5    作成日2020/5/13    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

1.調査・検討項目とその内容

1)プラスチックの国内流通での滞留量:受入拡充可能量・設備・体制の確認

海外廃棄物輸入規制によりプラ国内滞留、輸出プラ量150万t/年

2)プラスチック再生利用技術:現状リサイクル設備稼働状況、処理可能量

再生設備高度化転換、プラ再原料化技術。今後廃棄増大するプラ対応技術

3)プラスチックごみ発電

単純焼却から廃棄物発電の導入。回収エリア・量から適正処理量を把握。

余剰分は燃料化設備を導入し、RPF/セメント燃料として販売。需要先確保

2.業務の手順

1)   受け入れ可能量の設定

安定稼働のため受入可能範囲を設定する。質により再生利用と熱回収を区分する。増大対応のため、受入エリア拡充と夜勤対応を追加する。

2)   施設の建設

既存施設更新と新規設備建設のスケジュールする。設備停止せず処理量を確保し建設する。また建設により高度化と低炭素化を両立する。

3)   発電計画

環境アセスメントと廃プラ季節変動量から処理量を決める。最大処理量と発電最大効率点から、1年間で売電量を最大にする。

3.業務を効率・効果的に進める関係者調整方法

1)受入価格交渉:プラ排出業者と会社、プラ品質確認を抜打ち検査でのプラ品質判定、外部検査機関使用、連続して品質高いは価格上げ、品質高と経済性高

2)処理継続での設備工事:工事業者と運転員、 部分更新、仮設、処理スケジュール変更、操業時間延長と連続工事期間設定、工期短縮と経済性高

模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴1    作成日2020/5/16    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1) 調査検討項目とその内容 

1)プラスチックの国内流通での滞留量:

担当工場での受入拡充可能量(受入場所、滞留量)・設備(処理可能量・稼働率上限)・体制(人員)の確認する。海外廃棄物輸入規制により輸出プラ量150万t/年がプラ国内滞留しているため。

2)プラスチック再生利用技術:

現状でのリサイクル設備稼働状況、処理可能量から受入量・体制を検討する。

さらに今後の更新・新設で再生設備高度化転換、プラ再原料化技術を調査する。

また太陽光パネル等の廃棄が増大するプラ対応技術も調査する。

3)プラスチックごみ発電

単純焼却から廃棄物発電の導入を検討する。収集エリア・量から適正処理量を把握する。余剰分は燃料化設備を導入し、RPF/セメント燃料として販売。需要先を調査・確保する。

(2) 業務の手順 

1)受け入れ可能量の設定

安定稼働のため受入可能範囲を設定する。質により再生利用と熱回収を区分する。増大対応のため、受入エリア拡充と夜勤対応を追加する。

2)施設の建設

既存施設更新と新規設備建設のスケジュールをたてる。設備停止せず処理量を確保し建設させる。また建設により設備高度化と省エネ低炭素化を両立する。

3)発電計画

環境アセスメントと廃プラの季節変動量から処理量を決める。また最大処理量と発電最大効率点から、1年間で売電量を最大化する処理量とする。

(3) 業務を効率・効果的に進める関係者調整方法

プラ収集業者は、利益とスピードを優先してごみ内容物無確認でパッカー車1台4トン以上の一括収集・直接持ち込みをと主張する。一方、社内運転員は、受入ごみ全量の品質確認と異物除去に労力をかけず、搬送・機械投入しか実施しないと反対する。そこで私は、プラ排出業者からのプラごみ品質が連続して高い場合は取引価格を上げ、業者にゴミ内容物確認と分別収集するように仕向ける。同時に運転員に対しては、定期品質確認を外注化し負荷軽減しつつ異物混入による機械トラブルや連続して再生品品質が高い場合には報奨金を出す事を申し入れる。これにより再生品品質が高くなり、稼働率の向上で量も確保し、取引価格向上により経済性も向上する。

模範解答1   (完成答案)    添削履歴3    作成日2020/5/24    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1)調査検討項目とその内容

1)プラスチックの国内流通での滞留量

責任者として担当工場での受入拡充可能量(受入場所、滞留可能量)・設備容量(処理可能量・稼働率上限)・体制(人員)を確認する。海外廃棄物輸入規制により輸出プラ量150万t/年が国内滞留する。今後の地域発生量を予測する。

2)プラスチック再生利用技術:

リサイクル設備稼働状況、処理可能量から再生設備での受入量・体制を決定する。今後の更新・新設で再生設備の高度化転換、利用先が拡大するプラ再原料化技術を調査する。また太陽光パネル等の廃棄が増大するプラ対応再生技術も調査する。

3)プラスチックごみ発電

単純焼却から熱回収する廃棄物発電の導入を検討する。収集エリア・量から適正処理量を把握する。余剰分燃料化設備の導入によってRPF/セメント燃料として販売可能か、需要先を調査する。

(2)業務の手順

1)受け入れ可能量の設定

工場の安定稼働のため設備全体の受入可能範囲を決定する。ごみ質により付加価値の高い再生利用とエネルギー・熱回収を区分する。増大対応のためごみ受入エリア拡充と夜勤対応を追加する。

2)施設の建設

既存施設更新と新規設備建設のスケジュールをたてる。既存設備を停止せず処理量を確保し建設させる。また建設により設備高度化と省エネ低炭素化を両立させる。

3)発電計画

ごみ発電では、環境アセスメント排ガス規制値と収集できる廃プラの季節変動量から処理量を決める。ただし最大処理量と発電最大効率点から、1年間で売電量を最大化する処理量とする。

(3)業務を効率効果的に進める関係者調整方法

①プラ収集会社:利益優先で、ごみ内容物を無確認で収集車1台4t以上の収集持込みを主張する。 

②設備運転員:受入ごみの品質確認と異物除去を行わず、設備運転のみ実施すると反対する。

これら2者間を運営担当者として調整する。

プラ収集会社には、ごみ品質が連続して高い場合に取引価格を上げる。ダイナミックプライシング手法を用いてプラ収集業者にゴミ確認と分別収集させる。一方、設備運転員には、メンテ不良トラブルによる設備停止がなく、連続して再生品品質が高い時は報奨金を出す。設備停止させないため設備運転員が機械投入前にトラブル原因となる異物を除去させる。

以上より再生品品質が高く、稼働率・処理量を向上し、収支で経済性も向上することができる。

解説

全般について

 技術士としてやるべきことに絞って記述し、内容を発散させない注意が必要です。

(1)課題の分析のしかたについて 

課題とは解決策に向かう技術方針のことです。問題と対策の中間ぐらいに位置しています。

設問を良く読み、何を求めているか、どのような立場で解答するかを判断してください。

様々な解答を記入しようとして、解答を多く書かかないこと。必須な内容に絞り込むことが重要です。

調査は、結論を先に宣言すること。関連情報の収集はここでは不要です。解決するための方法論中心に調査するように。

調査と言ってもゼロから調べるのではなく、自身に経験がある前提で、推論して調査結果までのシナリオを作ってから行います。

シナリオとは、調査・検討 ⇒ 手順・留意点 ⇒ 効率化調整に繋がる見通しや知見です。。

また、調査では、ネック技術が何なのかを考えるように。漠然と諸元を調べることはここでの答えにはなりません。

(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて

解決策は、問題を解消するための方法とお考え下さい。

技術者として技術的な視点で解決策を示しますが、そこに技術の応用が入っているかが問われます。

手順は一つだけで時系列で書くように。立場を変えて沢山記述すると、意味が分からなくなります。

解決策は、前項(調査・検討)で計画したことを実行し、そうしたねらいを見出しとしてつけてください。

(3) 留意点などの考え方、書き方などについて

留意点とは、高い品質を保つための改善活動とお考え下さい。

経済性、安全性、品質管理、作業性、順法性、工業所有権、維持管理を高めるために何に着目して対策するかを述べます。

手順ごとに留意点・工夫点がありますので、それぞれ記述してください。

留意点と工夫の2つがありますが、ともにほぼおなじ意味です。工夫とは独創的な対応を言います。

(4) 調整の考え方、書き方などについて

自分が、プロマネの立場で外部と交渉し、調整(取引・取りまとめ)を実施する内容としてまとめてください。

調整の手段は何なのかを書くように。(×効率化のため、〜と〜を調整します)

自身が担当責任者の立場にあり、関係者が誰でその立場、関係性を明確にするように。

調整は、技術士として本題になることを論ずる。資金調達とか、目的そのもの(効率化を調整)、川下戦略はいずれも×です。

調整は、コスト低減、工期短縮、品質向上、安全性、社会環境性能、コンプライアンス対応などからふさわしいものをお考え下さい。

関係調整はBtoBで、関係を複雑化させないように。関係者(協力会社、社内他部署)で決めてから記述する。

前提まで記述しないこと。例えば、プラ排出業者・社内運転員・PM(自分)の3者とする。プラ受入品質によって受入価格と再生品の品質・価格が変動し、ゴミのため品質変動があります。

関係者はだれか。できれば自分以外に2者(2社)以上挙げると、取りまとめとしての業績の意義が高まります。

それぞれ意見は何か。自らの思いと相違する点を「‥に反対する。」「・・と違うことを主張する。」などの文末で明確にしてください。

私が技術提案することによって、問題となる意見の相違のもとを解決します。専門分野の技術応用によって仕事を改善して、反対意見を解消できるように提案してください。

これによって、2者の意見がどう満たされる、すなわち擦り合わせできるかを言うことです。そして、トレードオフ問題を解決してWIN−WINにすることが望ましいです。

二つの意見の対立を明確するため、“一方”などの接続詞を使って整理するように。

4〜6行を超えたら見出しをつけるようにしてください。

R1/2019年 衛生工学部門 廃棄物・資源循環 Ⅲ-1

問題文  Ⅲ-1

 第五次環境基本計画(平成30年4月17日閣議決定)において、各地域が自立・分散型の社会を形成し、地域資源等を補完し支え合う「地域循環共生圏」の創造を目指すとされた。

(1)廃棄物処理を核とする「地域循環共生圏」を構築するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

模範解答1  (簡易答案1)    添削履歴4    作成日2020/6/17    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

1. 廃棄物処理での地域循環共生圏構築における課題

1)  廃棄物の適正処理と都市部と地方(農村部)連携による地域循環

地域の特色に合った廃棄物処理と地域循環を構築する。都市部は、廃棄物発電を高効率大規模化し電力を供給。地方はメタン発酵を行い、残渣を肥料で農地還元。都市と地方では、都市から食品廃棄物を供給し、適正処理し農産物還元する。

2)廃棄物発電による熱電併給を中心としたCEMS構築

脱炭素源として再生可能エネルギーである廃棄物発電を中心とした地域新電力による電気の地産地消の構築。またCEMSを構築し安定的なエネルギー源とする。

3)廃棄物適正処理とゼロエミッション構築

廃棄物の分別を徹底し、容器包装・ペットボトル等、食品残渣・汚泥、缶・金属類、紙類を再生・有効利用により循環を構築しゼロエミッションを達成する。その電力は、廃棄物発電等の再生可能エネルギーを活用。

2.最も重要な課題と、その解決策

2.1 廃棄物の適正処理と都市部と地方連携による地域循環

1)農村部での適正処理と地域循環

厨芥類や食品廃棄物をメタン発酵し、メタンガスを再エネ源として電気・熱で地域供給する。廃液・残渣は、肥料で農地還元し、作物育成、供給の循環を構築。

2)都市部での適正処理と地域循環

規模による最大効率化した廃棄物発電を構築する。6MPa×450℃ボイラ、排ガス再循環・低空気比燃焼等の技術を採用し、廃プラも混焼させリサイクル。安定供給できる再エネ固定電源として電気・熱供給を行う。

3)地域間を相互に補完し、多面的な循環を構築する。

都市部の下水汚泥・食品廃棄物を地方のメタン発酵施設へ、地方の選定枝等を都市の廃棄物発電所へ相互に供給し、高効率化させ、地域循環と共生を強化する。

3.新たに生じうるリスクとその対策

1)リスク メタン発酵等を都市に集約できない。有機廃棄物の排出元と肥料等需要先も地方であり、都市輸送によるコスト・CO

2

排出で行き詰る。さらに都市と地方の循環停止により、地方で人口減少、雇用衰退し、1次産業も衰退する。

2)対策 多層化による安定供給:都市・農村の2者間では、設備停止等で循環停止、電気・熱供給停止で、循環が滞る。隣接する都市や地方を多層化し、循環物を増加させ相互に補う体制を構築する。

人口減少に対応した公共サービス:再エネ供給するシュタットベルケを地域で構築し、地域資源の活用、雇用創出、受益者へのサービス還元する。

模範解答1   (簡易答案2)    添削履歴0    作成日2020/6/20    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1) 廃棄物処理での地域循環共生圏構築における課題

1) 廃棄物の適正処理と都市部と地方(農村部)連携による地域循環:

地域の特色に合った廃棄物処理と地域循環を構築する。都市部は、廃棄物発電を高効率大規模化し規模のメリットで、高効率化し電力を供給する。地方は廃棄物のメタン発酵を行い、残渣を肥料で農地還元する。都市と地方では、都市から食品廃棄物を供給し、適正処理し農産物還元する。

2) 廃棄物発電による熱電併給を中心としたCEMS構築:

脱炭素源として再生可能エネルギーである廃棄物発電を中心とした地域新電力による電気の地産地消の構築する。また地域全体のエネルギーを管理するCEMSを構築し安定的なエネルギー源とする。

3) 廃棄物適正処理とゼロエミッション構築

廃棄物の分別を徹底し、容器包装・ペットボトル等、食品残渣・汚泥、缶・金属類、紙類を再生・有効利用により循環を構築しゼロエミッションを達成する。その電力源は、廃棄物発電等の再生可能エネルギーを活用する。

(2) 最も重要な課題と、その解決策

廃棄物の適正処理と都市部と地方連携による地域循環

1) 農村部での適正処理と地域循環

厨芥類や食品廃棄物をメタン発酵し、メタンガスを再エネ源として電気・熱を地域供給する。廃液および残渣は、肥料として農地還元し、作物育成、作物の市場供給の循環を構築する。

2) 都市部での適正処理と地域循環

規模による最大効率化した廃棄物発電を構築する。6MPa×450℃ボイラ、排ガス再循環・低空気比燃焼等の技術を採用し、廃プラも混焼させサーマルリサイクルする。安定供給できる再エネ固定電源として電気・熱供給できる。

3) 地域間を相互に補完し、多面的な循環を構築する。

都市部の下水汚泥・食品廃棄物を地方のメタン発酵施設へ、地方の選定枝等の固形燃料を都市の廃棄物発電所へ相互に供給し、適材適所化、高効率化させ、地域循環と共生を強化する。

(3) 新たに生じうるリスクとその対策

1)リスク : メタン発酵等を都市に集約できない。下水汚泥や畜産廃棄物等の有機廃棄物の排出元と肥料等需要先も地方であり、都市への輸送によるコスト・CO2排出で行き詰る。さらに都市と地方の地域循環の停止により、地方で人口減少、雇用衰退し、1次産業も衰退してしまう。

2)対策 : ①循環の多層化による安定供給:都市・農村の2者間だけでは、その設備停止等で循環が停止し、電気・熱供給停止で地域循環が滞る。隣接する都市や地方で循環を多層化され、循環物を増加し、リスクに対して相互に補う体制を構築する。

②人口減少に対応した公共サービス:再エネ供給するシュタットベルケを地域で構築し、出資者の住民および民間事業者で、地域に合った規模・設備で、地域資源を活用し、地域の雇用創出、受益者へサービスを還元する。これにより社会情勢が変化しても対応できる体制とする。

模範解答1   (完成答案)    添削履歴3    作成日2020/7/1    衛生部門  廃棄物・資源循環    専門事項 処理設備設計

(1)廃棄物処理での地域循環共生圏構築の課題

1) 廃棄物処理と都市・地方連携による地域循環 

地域の特色に合った廃棄物処理と地域循環を構築する。都市部は廃棄物発電を高効率大規模化しスケールメリットで高効率化と高電力量を供給する。地方は廃棄物のメタン発酵を行い、残渣を肥料で農地還元する。都市と地方では、都市から食品廃棄物を供給し、循環利用し農産物を還元する。

2) 熱電併給の廃棄物発電によるCEMS構築:

脱炭素源として再生可能エネルギーである廃棄物発電を中心とした地域新電力による電気の地産地消の構築する。また地域全体のエネルギーを管理するCEMSを構築し安定的なエネルギー源とする。

3) 廃棄物適正処理とゼロエミッション構築:

廃棄物の分別を徹底し、容器包装・ペットボトル等、食品残渣・汚泥、缶・金属類、紙類を再生・有効利用により循環を構築しゼロエミッションを達成する。その電力源は、廃棄物発電等の再生可能エネルギーを活用する。

(2) 最も重要な課題と、その解決策

廃棄物処理と都市・地方連携による地域循環

1) 農村部での適正処理と地域循環

厨芥類や食品廃棄物をメタン発酵し、発生したメタンガスを再エネ源として利用し、電気・熱を地域供給する。発酵残渣および廃液は、肥料・液肥として農地還元し、作物育成、その作物を市場供給することで循環を構築する。

2) 都市部での適正処理と地域循環

廃棄物を収集が容易な都市では、廃棄物発電に特化し、規模による最大効率化した廃棄物発電を構築する。6MPa×450℃ボイラ、排ガス再循環・低空気比燃焼等の技術を廃棄物発電に採用し、廃プラも混焼させサーマルリサイクルする。安定供給できる再エネ固定電源として電気・熱供給する。

3) 地域間を相互に補完し、多面的な循環構築

都市部の下水汚泥・食品廃棄物などの有機系廃棄物を地方のメタン発酵施設へ、地方の選定枝等の固形燃料を都市の廃棄物発電所へ相互に供給し、適材適所化、それぞれで高効率化させ、地域循環と共生のつながりを強化する。

(3)新たに生じうるリスクとその対策

1) リスク:メタン発酵等を都市に集約できない。

下水汚泥や畜産廃棄物等の有機系廃棄物の排出元と、肥料等需要先も地方である。これらの都市への輸送によるコスト・CO2排出増加で行き詰る。都市集約により都市と地方の地域循環の停止も発生することで、地方で人口減少、雇用衰退し、1次産業も衰退してしまう。また都市への一極集中により、災害による被災リスクが高まる。復興、公衆衛生、静脈産業の要が停止する。

2) 対策 :

①循環の多層化による安定供給

都市・農村の2者間だけでは、その設備停止等で循環が停止し、電気・熱供給停止で地域循環が滞る。隣接する都市や地方で循環を多層化され、循環物を増加し、リスクに対して相互に補う体制を構築する。廃棄物や農作物だけでなく、電気および熱も相互供給する体制により安定した供給が可能となる。また地域資源を活用し、その地域にあった循環を構築することで、長期にわたって継続可能となる。

②シュタットベルケによる地産地消の促進

エネルギー供給等を地域に特化して経営するシュタットベルケを地域で構築する。再エネである廃棄物発電を中心に、地域内の廃処理、電力・熱供給を地産地消する

事例として、人口が少ないみやま市と人口の多い柳川市の連携とシュタットベルケ構築がある。農業・食品産業の多いみやま市で、生ごみをメタン発酵、残渣を農地還元。柳川市で廃棄物発電を大規模化し、得られた電力をシュタットベルケを通じて地域還元・地産地消している。

このように廃棄物とシュタットベルケを通じて都市と地方が連携し、長所と短所を相互に補い地域循環を構築することができる。

解説

全般について)

目標記述時間は120分以内としてください。

前置き分を深く読むこと。問題のテーマ(出題者の要求、出題趣旨)を読み解き、地位循環共生圏とは何か、技術者の立場で考えるように。

地域循環共生圏とは、各地域の特性を生かした強みを発揮→地域資源を活かし、自立すること。分散型社会を形成→地域特性に応じて補完し支えあいます。その段階を考えること。

見出しは、簡潔に1行以内として簡潔に書き、細かく書く必要はない。

見出しは趣旨が間違えないよう「問2の答え」とわかればよいのです。

(1)課題の分析のしかたについて

問題のテーマの趣旨を把握して、テーマに整合性が取れた課題を抽出するように。

課題とは、問題に対して技術者が提案する技術応用です。特定の分野に限定しない、個別の課題、施設の課題に限定せず、多面的に地域循環共生圏につながるかを考える必要があります。

問題テーマの趣旨に沿った課題を設定(ストーリーを構築)する必要があります。しっかりした課題の設定ができればその後の点数が決まり、もしそうでない場合は、その後の解決策提案、リスクと対策につながらず、大きく減点されることになります。

課題は、広い分野で異なる視点のものを3種類程度抽出ようにしてください。

主題にない範囲まで、課題を広げない。廃棄物での地域循環共生圏でCO2、CCSはやりすぎ(問題文にCO2はない、出題者の意図を考えること)。問題分から素直に読み解くようにして、細分化して各論にしないことです。

課題の中心は何かを考えて設定してください。知っている各論をたくさん盛り込めば良いというものではなく、課題ごとに中心となるもの1本に絞るようにしてください。

答案の結論は、環境省の方針をまねる必要はありません。技術者の立場で、多面的な観点で有効な課題を設定します。実例から持ってきてもOKです。経験を問いかけていますので、あまり難しく考えないことです。

(2) 解決策の提案、方策の考え方、書き方などについて

方策は具体的な衛生工学。廃棄物処理の技術的応用したものにする

技術者の立場で、〇〇法、数式、具体的な汎用技術等を使って課題の解決方法を説明してください。

なぜ重要なのか等の前置きは特に自由用ではないのでなるだけ省くように。

(3)リスクの導き方、書き方などについて

リスクとは、提案によって波生的に生じる損害発生頻度が小さく、被害額の大きいものとします。予測困難な経済損失事象をリスクとして示す。

解決策により〇〇が悪化・変化し、新たに〇〇の被害が想定される。というイメージです。

正しい文章表現としてください。なぜ困難なのか、どういう時に困難なのかを明確に示すように。さらに問題点がどこにあるかを考えるように。問題点を無理に作ると、どのような悪いことが起こるのかを考える。

解決策に具体的事例を入れて、一般論として他の市でもうまくいくので、複数都市が連携して対処する・・・。。例えばこのようなことを記述します。そして地方と都市の関係をつなげて問題解決する方針を宣言してください。

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