H30/2018年 建設・道路 Ⅱ−2−1 問題 模範解答と解説

問題文

 市街地周辺で、4車線の国道上に4車線の高速道路を高架で新設する道路設計が進められている。これに併せて、新設する2車線の県道が国道と直交する信号交差点も検討することになった。この交差点の計画・設計を担当する責任者として、下記の内容について記述せよ。なお、高速道路の橋脚は単柱で中央帯に設置予定であり、右折車線は県道及び国道ともに設置可能である。

(1)計画・設計の基本的な視点

(2)業務を進める手順

(3)当該交差点計画での視認性に関する留意事項

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 3回 2019.2.19   専門事項 道路設計

(1)計画・設計の基本的な視点

①国道交差点は、隣接交差点の信号制御の滞留長、右折車線長等の区間を避けた箇所とする。

②交差点への接近車両が道路状況(交差点標識、信号)や交通状況を確認できる交差点付近・交差点内の見通しを確保する。

③県道側への右折軌跡はセミトレーラ連結車により設計し、導流幅員を5m以下とした導流路外側半径により小型車の並走を防ぐ。

④県道方向の右折線は、右折外回り交通交錯やクリアランス時間が長く安全性や交差点能力が低下。交差点手前で右折線分離し安全性と処理能力向上を図る。

(2)業務を進める手順

①計画箇所付近の既設交差点間隔、道路規格と設計速度、設計車両、横断構成等、及び交通状況(方向別交通量)を確認する。

②対象交差点の車線構成を設定し、道路・交通状況から現示数を決め、方向別交通に応じ交通処理順序を決定する。。

③交差点形状は、右左折車の軌跡、隅角部を決め路面標示を設計する。

④近接信号と系統制御のため、最高需要率の交差点が基準の共通サイクル長を設定し流入部ごと飽和交通流率に対し需要率最大を求め合計値から全交通処理判定、青時間を設定し交通処理能力を照査する。

⑤サイクル長により滞留長を算出後、右折シフト長を計算し、右折車線長決定。

交差点の安全・円滑性は交通制御と交差点形状で決定するため同時検討し整合する。

(3)当該交差点計画で視認性の留意事項

①交差点・信号、停止車等の認識可能な制動・停止距離の和を確保する。単路部と同速度とし、制動までの全反応時間・設計速度で算定する。

②交差点で県道側への右折交通が相互にかみ合う交通処理能力低下を防止のため、橋脚長スパンとし従道路への導流路は右折車の内回り導流線形とする。

③交差点内で右折車の待機のため、対向直進車の通行回避位置に停止線を標示。

④左折時の自転車等の確認のため、隅切部手前30m程度は地被類の植樹帯で視認性向上する。

模範解答1  (簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.2.22  専門事項 道路設計

(1) 計画・設計の基本的な視点

①計画交差点は、隣接した既設交差点の信号制御の滞留長、右折車線長等の区間を避けた箇所とする。

②交差点に接近する車両が、道路状況(交差点標識、信号)や交通状況(停止車、自転車・歩行者等)を確認できる交差点付近・交差点内の見通しを確保する。

③県道側への右折車軌跡はセミトレーラ連結車により設計し、導流幅員を5m以下とした導流路外側半径により小型車の並走を防ぐ。

④交差点内では、県道方向の右折車による右折外回り時の交錯やクリアランス時間が長くなり、安全性や交差点能力が低下する。このため交差点手前で右折車線を分離し、安全性と交通処理能力向上を図る。

(2)業務を進める手順

①計画箇所付近の既設交差点間隔、道路種級と設計速度、設計車両、横断構成等、及び交通状況(方向別交通量)を確認する。

②対象交差点の車線構成を設定し、道路・交通状況から現示数を決め、方向別交通に応じ交通処理順序を決定する。

③交差点形状は、右左折車の軌跡、隅角部を決め路面標示を設計する。

④既設の近接信号と系統制御を図るため、需要率が最高の交差点を基準とする共通サイクル長を設定する。次に交差点の流入部ごとの飽和交通流率に対する需要率の最大値を求め、合計値から全交通処理を判定後、青時間を設定し交通処理能力を照査する。

⑤サイクル長により滞留長を算出後、右折シフト長を計算し、右折車線長を決定する。なお、交差点の安全・円滑性は交通制御と交差点形状で決定するため、同時に検討し整合する。

(3)当該交差点計画で視認性の留意事項

①交差点等の視認距離の確保:運転者が設計速度で走行中、交差点・信号等を交差点手前で視認できる距離を確保する。この距離は、対象物を認識し制動までに走行する判断・停止距離の合計値であり、制動までの全反応時間と設計速度で算定する。

②交差点内の右折車待機時の視認性確保:交差点内の右折車待機位置において対向車の見通し確保のため橋脚位置を後退させる。この時の見通し距離は、対向車の制動停止距離を確保する。

③左折車の視認性向上:左折時に自転車等を確認するため、隅切部手前30m程度は地被類の植樹帯で視認性向上を図る。

模範解答1 (答案形式)  添削履歴 0回 2019.2.21   専門事項 道路設計

(1) 計画・設計の基本的な視点

①既設交差点の影響範囲外に県道取付

計画交差点は、隣接した既設交差点の信号制御の滞留長、右折車線長等の区間を避けた箇所とする。

②交差点内外の見通し確保

交差点に接近する車両が、道路状況(交差点標識、信号)や交通状況(停止車、自転車・歩行者等)を確認できる交差点付近・交差点内の見通しを確保する。

③県道への右折セミトレ軌跡と導流路並走防止

県道側への右折車軌跡はセミトレーラ連結車により設計し、導流路幅員を5m以下とした導流路外側半径により小型車の並走を防止する。

④交差点手前で右折車線の分離

交差点内では、県道方向の右折車による右折外回り時の交錯やクリアランス時間が長くなり、安全性や交差点能力が低下する。このため交差点手前で右折車線を分離し、安全性と交通処理能力向上を図る。

(2)業務を進める手順

①計画箇所付近の既設交差点間隔、道路種級と設計速度、設計車両、横断構成等、及び交通状況(方向別交通量)を確認する。

②対象交差点の車線構成を設定し、道路・交通状況から現示数を決め、方向別交通に応じ交通処理順序を決定する。

③交差点形状は、右左折車の軌跡、隅角部を決め路面

標示を設計する。

④既設の近接信号と系統制御を図るため、需要率が最高の交差点を基準とする共通サイクル長を設定する。    

次に交差点の流入部ごとの飽和交通流率に対する需要率の最大値を求め、合計値から全交通処理を判定後、青時間を設定し交通処理能力を照査する。

⑤サイクル長により滞留長を算出後、右折シフト長を計算し、右折車線長を決定する。なお、交差点の安全・円滑性は交通制御と交差点形状で決定するため、同時に検討し整合する。

(3)当該交差点計画で視認性の留意事項

①交差点等の視認距離の確保

運転者が設計速度で走行中、交差点・信号等を交差点手前で視認できる距離を確保する。この距離は、対象物を認識し制動までに走行する判断距離と停止距離の合計値であり、制動までの全反応時間と設計速度で算定する。

②交差点内の右折車待機時の視認性確保

交差点内の右折車待機位置において対向車の見通し確保のため橋脚位置を後退させる。この時の見通し距離は、対向車の制動停止距離を確保する。

③左折車の視認性向上

左折時に自転車等を確認するため、隅切部手前30m程度の植樹帯は地被類の植栽により視認性向上を図る。

模範解答2  (簡易形式1)  添削履歴 4回 2018.12.25   専門事項 道路施工監理

1. 計画・設計の基本的視点

(1)交差点の大きさを決定

平面交差点の大きさを決定するために、右左折車の走行軌跡を設定する。走行軌跡に車両の旋回特性を反映させた上で、交差点隅角部の詳細を決定する。

(2)右折車線の設置

  渋滞を解消するために、右折車線を設置する。その時に右折車線の長さは、右折車両の滞留に必要な長さとする。

(3)左折車線の設置

新設交差点で県道への左折交通量を処理するために、交通島によって分離する左折路を設置する。

2.  業務を進める手順

(1)交通量調査:通行車両別交通量を把握するため、国道の交通量調査を実施す

それによって、交通流シミュレーションして、渋滞長を予想する。

(2)交通処理:各信号現示による交通処理から交通の需要率を求める。需要交通量を処理するために、信号のサイクル長を決定する。

(3)交差点流入部幾何構造設計:滞留させるために、右左折車線長を決定する。サイクル長を用いて滞留に必要な長さを算出する。

3.  当該交差点での視認性に関する留意点

(1)高速道路の単柱による死角:高速道路の単柱が死角になるので、右折車両が正しく右折できるように、右折車線を交差点内に延ばし、路面表示で誘導する。

(2)単柱が交差点の真ん中に来た場合:橋脚を保護するために、保護壁を設置して、黒色と黄色のゼブラ表示で注意喚起する。視覚誘導のため、矢印標識を設置する。

模範解答2 (簡易形式2)  添削履歴 2回 2018.12.30   専門事項 道路施工監理

1.  計画・設計の基本的視点

(1) 橋脚の位置確認

高速道路の橋脚が交差点内のどの位置に来るかを確認する必要がある。なぜなら、位置によって、車両走行に支障になるため、橋脚を保護する方法が必要になるからである。具体的には、橋脚があることを運転者に知らせて、走行方向を誘導する必要がある。

(2)  交差点の大きさを決定

 平面交差点の大きさを決定するために、右左折車の走行軌跡を設定する。走行軌跡に車両の旋回特性を反映させた上で、交差点隅角部の詳細を決定する。

(3)右折車線の設置

 渋滞を解消するために、右折車線を設置する。その時に右折車線の長さは、右折車線の滞留に必要な長さとする。

(4)左折車線の設置

 新設交差点で県道への左折交通量を処理するために、交通島によって分離する左折路を設置する。

2.  業務を進める手順

(1)交通調査

 通行車両別の交通量を把握するために、国道の交通量調査を実施する。それによって、交通流シミレーションして、渋滞長を予想する。

(2)交通処理検討

一組の青表示で同時に処理する交通流の組み合わせ(現示)と各組合せ順序を決定する。各流入部における交通処理能力に対する交通需要の割合(需要率)を求める。需要交通量を処理するために、交差点の需要率を用いてサイクル長を設定する。

(3)交差点流入部幾何構造設計

滞留させるために、右左折車線長を決定する。サイクル長を用いて滞留に必要な長さを算出する。

3.  当該交差点での視認性に関する留意点

(1) 高速道路の単柱による死角

高速道路の単柱が死角になるので、右折車両が正しく右折するために、右折車線を交差点内に延ばし、路面表示で誘導する。

(2) 単柱が交差点真ん中に来た場合

橋脚を保護するために、保護壁を設置する。その防護壁を黒色と黄色のザブラ表示で注意喚起する。視覚誘導するため矢印標識を設置する。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 8回 2019.1.9   専門事項 道路施工監理

1.  計画・設計の基本的視点

(1)交差点の大きさを決定

 平面交差点の大きさを決定するために、右左折車の走行軌跡を設定する。走行軌跡に車両の旋回特性を反映させた上で、交差点隅角部の詳細を決定する。

(2)右折車線の設置

 渋滞を解消するために、右折車線を設置する。その時に右折車線の長さは、右折車線の滞留に必要な長さとする。

(3)左折車線の設置

 新設交差点で県道への左折交通量を処理するために、交通島によって分離する左折路を設置する。

2.  業務を進める手順

(1)     交通調査

 通行車両別の交通量を把握するために、国道や県道の交通量調査を実施する。それによって、交通流シミレーションして、渋滞長を予想する。

(2)     交通処理検討

 一組の青表示で同時に処理する交通流の組み合わせ(現示)と各組合せ順序を決定する。各流入部における交通処理能力に対する交通需要の割合(需要率)を求める。需要交通量を処理するために、交差点の需要率を用いてサイクル長を設定する。

(3)     交差点流入部幾何構造設計

 滞留させるために、右左折車線長を決定する。サイクル長を用いて滞留に必要な長さを算出する。さらに、交差点流入部における路面表示(矢印など)を決定する。

3.  当該交差点での視認性に関する留意点

(1)     交差点内で車両進行方向の視認性

 高速道路の単柱が死角になるので、右折車両が対向車線に進入しないために、右折車線は交差点内に延ばす。さらに、車両を誘導するために、路面表示やカラー舗装することで、視認性は良くなる。

(2)     横断歩道橋などの構造物

横断歩道橋などの構造物を計画する場合は、運転者から対向車両、歩行者、信号灯器、標識などの見通しが十分確保する必要がある。それを考慮して、橋脚の位置を決定する。

(3)     植栽や街路樹

 植栽や街路樹などは、交差点付近におけて見通しを阻害するものとなる場合がある。樹高や枝の張り具合などを考慮して種類を選ぶ必要がある。さらに、交差点内の植樹高さは、60cm程度以下とする。

(4)     交差点隅角部にゼブラゾーン

 交差点の隅角部にゼブラゾーンを設置して、自転車横断帯を接続する。さらに、視認性を良くするためにポストコーンをそのゼブラゾーンの内部に設置して、自動車は外側を進行させる。

模範解答3 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.6.12   専門事項 道路設計

(1)計画・設計の基本的な視点

①将来交通量の把握  高速道路利用の車両流入による国道の交通量増加を検証する為、将来道路ネットワークによる交通量推計により4車線での混雑度を推計する。(4車線で捌けるかどうかの確認をする)

②信号現示の最適化  右折車両同士が交差する交差点形状による信号現示数及びサイクル長の増加による長時間の滞留を防ぐ為、右折車両同士がすれ違う形状とし、且つ同時に信号処理する。(右折車両がすれ違う形状を前提とした信号現示を設定する)

③交差点形状のコンパクト化  交差点内での右折車両の捌け残りを生じさせない為、直進車線の通行を阻害しない位置まで国道及び県道の右折車両を誘導しコンパクト化を図る。(右折車両を誘導する路面標示とする)

(2)業務を進める手順

①交通量・混雑度解析  将来道路ネットワークによる交通量を推計し、4車線の設計基準交通量に対し処理可能なことを確認する。また、混雑度を推計し、交通処理の円滑性を確認する。(1)①の検証をする

②交通容量解析  大型車混入率、ピーク率を踏まえ交通容量を算定し、1車線当たりの交通処理能力が時間変動特性を有した交通に対応可能か確認する。(1)①から(1)②へ進むための検証をする

③交差点需要率算定  方向別交通量を設定し、交差点需要率を算定する。隣接する交差点の信号現示数及びサイクル長を踏まえたうえで矢印式信号の検討及び滞留長を決定し、右折車両の捌け残りがないように設定する。(1)②の検証をする

④区画線設計  国道の幅員に伴い交差点形状が大きくなる為、適切に区画線を設置し交差点内を走行する車両を円滑に誘導する。右折車両は導流線を用いて交差点中央付近まで誘導する。(1)②と③の対策

(3)視認性に関する留意事項

①歩行者の安全性確保  県道からの右左折車両から国道横断歩行者の視認性を向上させる為、橋脚の陰に横断歩道を設置しないものとする。また、歩道への視認性を向上させる為、高木植栽を撤去する。

②信号灯器の視認性向上 橋脚等の物理的視距阻害による交通流の乱れを防ぐ為、交差点内を走行する車両や右折による停止車両からも視認し易い位置に信号灯器を設置する。

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