H27年 建設部門、施工積算 Ⅱ-2-1問題 模範解答と解説
Ⅱ-2-1
社会インフラ整備が進み、重要な既設構造物と近接して構造物を施工するケースが増加している。軟弱地盤において、杭長20mの基礎杭を持つ既設構造物に近接かつ並行して、盛土7m、路面幅12mの道路用盛土を築造するに当たり、以下の問いに答えよ。
(1)盛土施工により、既設高架橋に及ぼす影響を2つ挙げ、その内容について述べよ。
(2)それらの影響を防止する為に、盛土と既設高架橋のそれぞれに対して行う対策工を挙げ、その内容と留意点を述べよ。
模範解答1 (簡易形式1) 添削履歴 3回 2019/06/20 専門事項 施工計画
1)地盤の側方流動による影響
基礎杭の曲げ破壊やせん断破壊を引き起こし、構造物が不安定化する恐れ
側方流動の有無に判定値 I=μ1×μ2×μ3×γH/C(道路橋示書より)
I<1.2:側方流動の恐れなしI≧1.2:側方流動の恐れあり
2)地盤の圧密沈下による座屈
ネガティブフリクションによる摩擦力は杭圧縮軸力として作用する為、杭軸が杭の耐荷力を超えた場合には杭が座屈する
2.盛土部への対策工及び留意点
1)深層混合による基礎地盤の補強
地盤の安定性を増し変形を抑制して、沈下量を低減し、液状化を防止
セメント系の添加材は六価クロム対応型の改良材を使用する
2)発砲スチロールブロック工法で荷重軽減
発砲スチロールのブロックを積重ね、各ブロックを連結金具で連結し、盛土を構築
発泡スチロールは引火する恐れがあるので、保管場所に留意する
3.既設高架橋への対応策及び留意点
1)押え盛土工法で盛土の安定
盛土本体の側方部に小規模な盛土で押え、盛土の安定を確保し側方流動を抑制
良質な盛土材料を用い、薄層で入念に締固めを行う
2)杭工法による応力軽減
盛土の上載荷重を、杭を介して基礎地盤に伝える事により、沈下量を低減し、盛土等を安定させ応力軽減による変形を抑制し、液状化を防止する
既設高架橋の近い方から離れる方向に杭を打ち進める