R1年 建設部門、施工計画、施工設備及び積算の答案について添削致しました。

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この答案についての講評

 今年の結果は大変惜しいことをされたと思っています。V問題がA評価であるということは実務能力が高い事を表しているかと思います。後は俯瞰的な解答力、それから専門分野での的確な表現ができるようになれば充分かと思います。

、残念なことに、T-1はバランスに課題があるようです。社会の持続可能性とは全員が勉強が必要です。答案末尾に掲載したリンクをご覧ください。U-2は減点された可能性があります。手順については具体的に「エレクトロスラグ溶接、ラメラテア」など主要課題を早めに取り上げて実質的な提案すればよかったと思います。V-2は幸い試験官からは高い評価を得られていると想像します。これで安心されずに、できれば、さらに専門家らしい内容とできれば楽勝で合格できます。

 答案の良いところ、悪いところ、それから得点する上での注意は音声でご説明いたしますのでお聞き願います。

 技術士試験の難しさは、何を求められているかわからないところにあります。一方、このような試験に対して、技術経営、マーケット志向の視点から考えると間違いがありません。音声ガイドコーチングでは、予想問題練習で問題への対処法をご説明しますので必ず合格できます。


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 音声ガイドによるコーチング指導内容(13分54秒、5分33秒)がダウンロードされますのでお聞きください>


問題  

I −1 我が国の人口は2010年頃をピークに減少に転じており、今後もその傾向の継続により働き方の減少が続くことが予想される中で、その減少を上回る生産性の向上などにより、我が国の成長力を高めるとともに、新たな需要を掘り起こし、経済成長を続けていくことが求められている。

(1)建設分野における生産性の向上に関して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出して分析せよ。。

(2)(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

(4)(1)(3)を業務として遂行するにあたり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。

 


解答

前置きが役に立っていません。こうした記述はなくても構いません。

 

西地方豪雨、北海道イブリ東部地震や高度成長期に整備した社会資本の老朽化の加速による更新等に関する生産性の向上は重要となっている。以下に私見を述べる

1.生産性の向上に関する課題

残念ながら課題が正しく分析できていません。

 

・若手入職者の減少、若年労働者の早期退職により、建設業界の担い手の減少が懸念されることから、中長期的にみた担い手の確保が課題である。

・団塊世代の優れた建設労働者の大量退職が今後、懸念されることから、社会資本整備に関する技術力の確保が課題である。

・社会資本整備事業の完成工期が年度末に集中することで、優れた人材や必要とする資機材を確保することが困難となることが懸念されることから、施工効率の向上により、品質を確保した資本を整備することが課題である。

品質を確保した資本を整備する」とは?曖昧過ぎる提案。このことばの意味は何か?

 

社会資本整備に対する財源がピーク時と比較して復元してきたとはいえ、未だ社会資本整備の予算は不足していることが課題である。予算は技術課題ではありません。

 

2.重要な課題と解決策

1)重要な課題

 建設労働者について、中長期的にみると建設業界の若手労働者の減少と優れたベテランの大量退職により、担い手が不足することが件年されることから、労働力の代替えが重要な課題となっている。

2)課題に対する解決策

新たな需要を掘り起こし、経済成長を続けていくという趣旨はご理解されていますか

 

・優れたベテランを再雇用することで、品質管理、照査、完成検査、安全管理部門へ配備することで、社会資本の性能を維持、向上させる。

・女性労働者の活躍推進を図るため、専用のトイレ、更衣室のハード整備や子育て世代のワークシェアリングや専用情報ポータルの構築により情報交換の場を整備することを図る。

■ここは正解です。

・ICT建設機械の活用により、土工事等の多量な繰り返し作業を自動化することで、少人化を図る。また、不慣れな作業も代替えすることで、重機と手元が接触することが削減できることから、安全性も向上できる。

・ゼロ国債や複数年度債務負担行為を採用することで

完成工期が年度末に集中することによる繁忙期の発生を第1〜2四半期の閑散期へシフトすることにより、施工効率を向上させることで、労働力の代替えに繋がる。

・工事現場でプレキャスト製品の導入を進めることにより、配筋、型枠、Co打設等の作業過程を削減することで、少人化を図ることにより施工の効率化を向上させて、労働力を確保する。

3.新たに生じうるリスクと対応策

1)リスク

■残念ながら↓これらはリスクと呼べるほどのものではありません

 

・ICTの操作は操縦者が未だ少ないことから、人員の確保または操作技術の習得が必要である。また、導入にコストがかかるため、地元中小企業でICTを採用する場合には費用負担の影響が大きい。

・三次元測量やCIMデータのデータは大容量化し、調査や作図に関するデータは情報が漏れることが懸念されることから、データ保存に関するセキュリティ対策が必要になる。

2)対応策

・ICT建設機械の操作に関してOJTによる内部研修による技術の伝承や、OFF−JTによる社外専門家の講習会に参加することで操作技術を習得する。また、ICT建設機械の助成金の活用により建機の導入を推進することで活用を図る。

・三次元CIMデータの情報管理の一元化するための部署と情報処理を実施する人材等を確保することで、情報を適切に扱う対策を図ることが重要である。

4.業務を遂行するための必要な要件

技術者倫理、社会持続可能性の観点は意識されていますか

・優れたベテランの習得した技術は暗黙知も多く存在することから、ナレッジマネジメントによりデータベースを構築・運用することにより、若手に技術を承継していく。

・OJT、OFF-JTで習得した優れた技術は情報プラットフォームの活用により、社内で情報の水平展開を図る。

・VRの活用により、現場の労働災害や安全管理をシュミレーションにより、見える化・見せる化することで、

若手や若年労働者に対して安全対策を承継していく。

そもそも問題趣旨の社会持続可能性とはもっと広い概念です。

この下のリンクを見てください。

社会を見据えた持続可能性

持続可能性「Sustainabilityサステナビリティ」とは何

持続可能な社会とは

持続可能性

 


U-1-1  

 地震動によって生じる地盤の液状化の仕組みを説明せよ。また,液状化の発生を抑制する原理を3つ挙げ,それぞれに関して対策工法を述べよ。


解答

(1)液状化の仕組み

液状化は地震外力の影響により、砂質地盤の粒子間の結合が減少することで、間隙水圧が一時的に増加して、砂の粒子が沈下すること生じて、地盤に水が上昇する現象である。

■「地盤に水が上昇する現象」これでは説明不足です

 

(2)抑制する原理

これでは原理の説明になっていません。

 

@砂質地盤部における沈下 

A砂質地盤部における密度

B砂質地盤部における地下

(3)防止工法

@砂質地盤にズラリーを圧縮空気で送り込み、撹拌により地盤を改良する深層混合処理により、対策を実施する。砂質地盤と固化材の配合について、回転翼の速度や材料の量を変化させ、室内力学試験により、強度特性を確認しなければならない。

Aサンドコンパクションパイルにより、バイブロまたはオーガーで削孔した後、圧縮空気で砂を送り込んだ後に振動またはケーシングの圧入により、密度の高い砂で柱状改良を施工することで、砂質地盤を安定させる。

B砂質地盤部における地下水をディープウェルにより

揚水して水位を低下させることで、液状化を防止させる。ディープウエルはポンプで地下排水を強制排水させることから、周辺地盤の地下水位低下による沈下に意しなければならない。

 


U−2−2

 住居地域にある4車線の幹線道路を横断する老朽化した場所打ち鉄筋ゴングリートボックスカルパート(内空幅1. 8m X内空高1. 8m,上被り1. 2m)を撤去し,プレキャストボックスカルパート(内空幅2. 5m X内空高2. Om)に更新する工事の施工計画を策定することとなった。この業務を担当責任者として進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。なお,施工方法は開削工法とし,道路の車線規制は夜間のみ可能,カルパートは農業用排水及び雨水排水を兼ねた行政が管理する施設である。

(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)留意すべき点,工夫を要する点を含めて業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

 


解答

(1)調査検討すべき事項と内容

@土質調査

■正解はまだ見えないが、とりあえず調べます、という感じでは△です。シナリオを作成して解決方向を想定して書いてください。

ボーリング、標準貫入試験、室内力学試験を実施して、開削工事をするうえでヒービング、パイピング、ボイリングを検証するため、土質定数を把握する。

■「ヒービング、ボイリング」のダブリ課題が正しく分析できていません。

A地下水位観測

 開削工事で土留めを用いる時にはヒービング、ボイリングにより地下水の影響から掘削底面部が不安定になることがあるため、ボーリング孔内、地下水位計により地下水位を測る。

与条件から検討すべき材料はたくさんあります。これらについて1つ1つ丁寧に解いていくことです。

  • 住居地域にある       騒音振動
  • 老朽化した場所打ち鉄筋       崩壊危険性
  • 道路の車線規制は夜間のみ可能  工程管理
  • 農業用排水及び雨水排水 仮設

 

B周辺家屋の変状調査

 土留壁の変形により、背後地盤の沈下、傾斜により周辺家屋へ影響が発生することが想定できるため、周辺地盤に沈下計測杭や地表面傾斜計を設置して、事前に変動に備える。

(2)業務を進める手順

@地形測量、用地境界測量により、地形の縦横断の把握と官民境界を確定させて、土質調査を開始する。

Aボーリング、標準貫入試験、サンプリングにより、カルバート設置底盤部と土留め背後の土質定数を把握する。

B土留めの安定を検討するために、土圧と水圧を作用させた簡易計算法により耐えうる土留め構造を設計する。

■ここは正解です。

@)ボイリング、パイピングに対して、開削部を安定させるため、土留壁材の安全な根入長を確保する設計の検討を実施する。

A)ヒービング、ボイリングから生じる倒壊に対して、土留壁材の剛性を高めて、安定した仮設土留を構築するため土留材の剛性を検討する。

C開削断面の安定

開削底面部が不安定の場合は適切な地盤改良により底面部を改良して安定を図る検証を実施する。地盤が安定している場合は改良を省く方法で検討する。

Dボックスカルバートの施工

 ボックスカルバート施工で使用する重機のトラフィカビリティを確保するため、地盤の表層改良と敷鉄板を敷設して、安全性を確保する。

3)関係者との調整方法

自らの行動だけ。他者との調整はありません。

 

@現状の農業用排水、雨水排水を適切に流下させるため、カルバートの管理者である行政機関と協議を図り、適切な排水流量と排水断面を確認して、切り回し仮設排水施設を整備する。

A車線道路の幹線道路を横断して、車線規制を実施した工事のため、規制期間を道路管理者から確認して、カルバート工事の最適な工程計画を立案して工事を実施する。なお、夜間施工となることから、安全施工のための適切な照明を準備すると伴に、交通整理員を適

所に配備する交通安全計画を立案して、カルバートボックス施工時の安全性を確保する。

■これらは工事上の留意点であって、他者との調整はありません。

 


V−2

  大然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには,「建設リサイクル」(建設副産物の発生抑制,再資源化,再生利用及び適正処理)の取組を充実させ,廃棄物などの循環資源が有効に利用・適正処分されることで環境への負荷が少ない「循環型社会」を構築していくことが重要である。今後,社会資本の維持管理・更新時代の本格化に伴い建設副産物の質及び量の変化が想定されることなど,更なる「建設リサイクル」の推進を図っていく必要がある。

  このような状況を踏まえて,以下の問いに答えよ。

(1)「建設リサイクル」の推進の取組に関して,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

 


解答

会基盤整備事業で発生する廃棄物を適正に処理することで、循環型環境社会を構築するための「建設リサイクルの推進」が必要となっている。以下に私見を述べる技術コンサルタントとしての見解であって、私見ではありません。試験なのでへりくだる必要もありません。

 

1.建設技術者としての課題

■ここはなぜ箇条書きなのか。一般的な文章形にするように。

 

・建設リサイクルを推進するうえで、廃棄物処理法に基づいた3R政策(リデユース・リユース、リサイクル)のサイクルを活用して、廃棄物を適正に処理することが課題である。これは基本原則。改めて書く必要ありますか

 

・排出事業者として、廃棄物処理を下請けに任せきりではなく、マニュフェストにより排出から処理までの過程が正確に実施されていることを確認することが課題である。3Rとも建設とも関係のない廃棄物の一般的手続きばかり。

・廃棄物処分場が行政機関から許可を取得しているか、有効期限が切れていないかを確認し、満たしていない場合は、その処分場に廃棄物の処分を依頼しないことで適切な処分を実施することが重要である。

・廃棄物の取集運搬、処分を委託する場合の委託契約書について、契約先が契約内容の廃棄物品目を扱っているかを確認し、扱っていないようであれば契約を締結しない。適切な契約を推進することが課題である。

・建設発生土の排出受入について、地区の発生土協議会で情報を入手し、発生土の流用手続きを行うことで、効率的な発生土の活用を実施することが課題である。

・建設リサイクルで処分できない廃棄物は最終処分により、安全で的確に処理することが課題である。

  1. 「建設リサイクル」「循環型社会」
  2. 社会資本の維持管理・更新時代の本格化に伴い建設副産物の質及び量の変化が想定される

これらを意識されていますか?

 

2.最も重要な課題とその解決策

内容は間違いではありませんが、建設廃棄物の3Rが先決でしょう。

社会資本の維持管理の一環ととらえて評価してくれた可能性があります。

 

1)重要な課題

廃棄物最終処分場を長寿命化させることにより、今後の社会基盤整備で発生する廃棄物を最終処分場で適正に処分することが最も重要な課題である。

2)重要な課題に対する解決策

・廃棄物最終処分場は埋立地で廃棄物から発生する浸出水(汚れた水)が地下に漏水しないように、周辺環境の汚染を防止するため浸出水を遮水しなければならない。以下の対策方法が重要である。

@埋立地遮水施設整備の多重化により、遮水シートを二重化して遮水構造の安全を図る。

A埋立地底面部の冗長化のため、ベントナイト砕石を敷設し、浸透速度を遅延させて安全性を向上させる。

・埋立施設のメンテナンスサイクルによる点検・診断・措置・記録のサイクルを実施することにより、施設の維持管理、運用に生かす。

・中長期的および災害時にも廃棄物最終処分場が廃棄物を受け入れできるように、廃棄物の残余容量が確認できる組織内部の情報プラットフォームと外部の事業者が廃棄物を排出するときに、残余容量の確認と受け入れ予約が可能な情報ポータルシステムを整備する。

・施設の維持管理工事について、今後は事後補修ではなく、予防保全型で予算の平準化を行う。

3.新たに生じるうるリスクと対策

■出来ればもう少し予測困難な「リスク」はありませんか。

1)生じうるリスク

・優れたベテラン労働者が大量退職することで、処分場の維持・補修に関する技術力の低下することが懸念される。例として、埋立地の遮水シートの接合技術や埋立地底部に敷設するベントナイト砕石の品質管理等は、特殊な技術を要するため、若手への技術の継承が必要である。

・若手入職者の減少や若年労働者の早期退職により、廃棄物処理施設の維持管理工事に関する担い手の不足が懸念される。

2)リスクに関する対策

・ベテランの習得した技術は暗黙知であることが多いため、ナレッジマネジメントにより形式知化させて、データベースを整備・運用することにより若手に技術を継承する。

・OJTによる内部研修やOFF-JTによる外部専門家による講習会に参加することで、ベントナイト砕石敷設の品質管理等の技術を習得させる。

・ベテランの再雇用により、品質管理、照査、完成検査、安全管理部門へ配備し、若手とペアを組み業務に従事することで、技術を継承する。

・UAVの活用により廃棄物処理施設の確認や埋立工事の進捗を確認することにより、少人化を実施することで、担い手不足の対応策を図る。