技術士指導において大事なことは技術者としての未知の能力の可能性を開くこと

 本研究所の初期の指導では、体験や知識、テクニックを「教え込む」ことが中心でした。今でもこの手の参考書が多数販売されています。「私はこのようにして合格した。だからあなたもこうしなさい」というものです。しかし、この方法は成果が上がりませんでした。即効性はあるものの、限界もあったのです。そこで試みたのが受講者様の体験を聞き出して、その中の問題点や課題を探り出すという作業です。つまり「教え込む」ことから「コーチング」への転換です。「相手が知らないから教える」という指導から「相手は知っているはずだから、共に考え、それらを引き出す」ようにしたところ、驚くほど指導がうまくいきはじめました。

 このことは理にかなっています。本来、経験豊富な技術者の方々は、知識も豊富なはずです。しかし知っていることを自覚していないことは多いものです。コーチングは、受講者様が自覚していない潜在的な知識やスキルを引き出し、それらを知恵として結びつけていく作業となります。つまり「知っていること」と「新しい情報」を結びつけ、「技術士にふさわしい知見」を作り出す作業が本研究所のコーチング指導なのです。

コーチングとはどのような指導か

 コーチングの本質について、「コーチングの技術」(講談社現代新書)の著者、菅原裕子氏は、ティモシー・ギャロウェイという学者の定義を引用して次のように説明しています。

 コーチングとはある人間が最大限の成績を上げるために、その人の潜在能力を開放することを言います。そのためには、指導者は仕事のやり方を教えるのではなく、対象者が自ら学べるように援助しなければなりません。

そして、菅原氏はコーチングの人生観を次のように結論づけています。

技術士合格への道研究所が目指すコーチング指導

 さて、当研究所が提案するコーチング指導の分かりやすいたとえとして、菅原氏が前書の中で先のティモシー・ギャロウェイの考え方を引用して紹介されています。

「一人の人間の中には二人の自分がいる」、一人は命令を出し、評価し、うまくやらせようと叱咤する自分(セルフ1)であり、もう一人は、本能的に知っているプレーをしようとする自分(セルフ2)である。
 下の図【承認・質問】(図は「コーチングの技術」からの引用)をご覧ください。
これは理想的なコーチの例です。この図ではセルフ1が対象者の心を支配せずに、セルフ2に自由にプレーさせます。この作業ではセルフ1は、適切な問いかけにより、問題の本質や解決法の気づきを促します。セルフ1はまずセルフ2を承認し、「どうしたら君らしくできるかな?」といった問いかけによって、自発的かつ創造的な答えを導きます。セルフ2は自発的に物事に取り組んでいくことになります。このようにセルフ1に支配させずに、セルフ2に自由にプレーさせる、これこそが、人間の潜在的な能力の発揮であり、本来のコーチングの効果なのです。本研究所ではこのようなコーチング指導を目指しています。
 

本講座が目指すコーチング 図は「コーチングの技術」、菅原裕子著、講談社現代新書より引用しています。

過去の望ましくないコーチング

 さて、過去には望ましくないコーチングがあり、その代表例がスポーツ指導の分野で見られました。
 下の図【叱咤激励・指示命令】(図は「コーチングの技術」からの引用)をご覧ください。これは望ましくないコーチの例です。この図では、一人目の自分(セルフ1)が、何かに無心に取り組むもう一人の自分(セルフ2)を冷たい目で眺め、「そんなことじやダメだ、もっとうまくやれ」と囁きます。セルフ1の声が聞こえた途端、私たちは緊張し、本来セルフ2が知っているはずの最高のプレーができなくなります。セルフ1はまるで、口うるさい上司のようです。部下のすることを信頼せず、くどいほど教え、指示や命令をします。これは昔の野球やサッカーの"シゴキ"と同じです。この古いスポーツのコーチのイメージが強いため「コーチング」とは叱咤するものだと、誤って思い込んでいる方もいますが、実は全然違うものです。

好ましくないコーチングの例

  好ましくないコーチングの例

本研究所のコーチング指導

 本研究所ではコーチングを科学的手法として取り入れて指導に役立てています。この指導効果は技術士答案の画期的な改善となって表れます。より詳しく説明するため、具体的な技術士指導におけるコーチングのプロセスをご説明しましょう。概ね次のような流れで段階的にコーチングしながら指導を行います。

①現状確認

受講者様が抱えている技術士試験準備における問題点を確認し、それに対して受講者様がどう考えているか確認します。そして指導方針を話合います。

②業務上の成果の確認

経験論文等においては題材として取り上げる物件について、答案として書ける可能性について確認します。まず、成功例をいくつか挙げて、それに対して受講者様がどの程度情報を用意できるのかを確認します。取り上げたいという願望の強さなども考慮します。

③問題点、課題の特定

受講者の業績をヒアリングし、何が問題点かを特定します。じっくりと話を聞いて現状を正確に把握して、その上で問題点を特定します。問題点が特定できたら、その分析を行い課題を特定します。これらの作業は、チェックシートに書きながら進めます。

④対策の検討

問題点を解決する対策です。経験論文では「実際にどう考えて、どう対策したか」を確認します。

⑤技術応用の確認

技術士の務め、専門分野の技術をどのように効果的に応用したかを確認します。技術応用のモデルを体得してもらいます。

⑥評価と展望

現時点での評価と今後の展望について考えます。将来展望の視点のヒントを与え、見解をご自分でまとめていただきます。

まとめ

技術士指導におけるコーチングとは、いわば受講者の「できる」を引き出す魔法のプロセスです。そのやり方は一言で言うと次のような手順です。

という流れを生みます。この①〜③の結果として技術者としての可能性を大きく開発することが可能なのです。

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