H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅱ−1−4 問題 模範解答と解説

ネットワーク・スライシング技術について、技術の背景、機能、想定される適用例(ユースケース)の3項目を説明せよ。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 6回 2019.1.1   専門事項 地すべり防止計画

1. 技術の背景

 IoTの進展により爆発的に増加するネットワークへの接続収容、多様化するネットワークへの要件への対処といった課題を解決する技術としてネットワークスライシング技術が必要とされている。近年、次世代モバイル通信技術の5G、ネットワーク仮想化技術のNFVやSDN、コンピューティング性能向上により実現可能となった。

2.機能

①スライス管理  NTT記事を読んで、別な言葉で本質を言い表す。

 スライス単位の運用管理や、テレメトリ技術によるスライスの分析情報の収集を行う。

②ゲートウェイ

 スライス接続ポリシーに基づき、パケットを適切なスライスに転送する。

③アイソレーション

 他のスライスのトラフィック輻輳、機能故障等に影響されないように、スライス間を完全非干渉とする。

3.適用例

 車の自動運転において高信頼低遅延性が求められるため、本技術により、仮想リンクや仮想サーバといった仮想ネットワーク資源のうち、輻輳等の無い品質の高いものを即座に組合せ提供することにより、高信頼で低遅延としている。

模範解答1 (簡易形式2)  添削履歴 4回 2019.1.6   専門事項 地すべり防止計画

(1) 技術の背景

 4K/8K、自動運転、IoTの進展により、大容量、高信頼低遅延、超多数接続といった異なる要件をネットワーク上で独立に実現する課題がある。これを解決するため、関連要素(コンピュータ・ストレージ・ネットワーク資源)を独立な集合体(スライス)として切り出すことが求められている。近年、次世代モバイル通信技術の5G、ネットワーク仮想化技術のNFVやSDN、コンピューティング性能向上により実現可能となった。

(2)機能

①スライス管理  

 スライス単位の運用管理や、テレメトリ技術によるスライスの分析情報の収集を行う。

②ゲートウェイ

 スライス接続ポリシーに基づき、パケットを適切なスライスに転送する。

③アイソレーション

 他のスライスのトラフィック輻輳、機能故障等に影響されないように、スライス間を完全非干渉とする。

(3)適用例

 車の自動運転において高信頼低遅延性が求められるため、本技術により、仮想ネットワーク資源のうち、輻輳等の無い品質の高いものを即座に組合せ、スライスとして提供することにより、高信頼で低遅延としている。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.1.7   専門事項 地すべり防止計画

(1)技術の背景

 4K/8K、自動運転、IoTの進展により、大容量、高信頼低遅延、超多数接続といった異なる要件をネットワーク上で独立に実現する課題がある。これを解決するため、関連要素(コンピュータ・ストレージ・ネットワーク資源)を独立な集合体(スライス)として切り出すことが求められている。近年、次世代モバイル通信技術の5G、ネットワーク仮想化技術のNFVやSDN、コンピューティング性能向上により実現可能となった。

(2)機能

①スライス管理  

 スライス単位の運用管理や、テレメトリ技術によるスライスの分析情報の収集を行う。

②ゲートウェイ

 スライス接続ポリシーに基づき、パケットを適切なスライスに転送する。

③アイソレーション

 他のスライスのトラフィック輻輳、機能故障等に影響されないように、スライス間を完全非干渉とする。

(3)適用例

 車の自動運転において高信頼低遅延性が求められるため、本技術により、仮想ネットワーク資源のうち、輻輳等の無い品質の高いものを即座に組合せ、スライスとして提供することにより、高信頼で低遅延としている。

H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅱ−2−2 問題 模範解答と解説

  近年、次世代の情報通信ネットワークを用いた新たなユースケースの1つとして、無人航空機(ドローン)の目視外飛行(補助者の配置無し)が注目されている。ドローンとドローンの飛行を制御する管理センターが通信事業者の提供するネットワークを経由して通信するシステムが想定され物流や社会インフラ管理、災害対策等での活用が期待されている。このようなドローンの目視外飛行を安心・安全に実現するための情報通信システムについて、あなたはプロジェクト担当責任者として技術検討を進めている。このプロジェクトを進めるにあたり、以下の問いに答えよ。

(1)ドローン技術の特質を捉え、上記情報通信システムを実現する上で調査・検討すべき項目を複数挙げ、それぞれ説明せよ。

(2)上記情報通信システムを構築する業務を進める手順について述べよ。

(3)業務を進めるに当たって、ドローンを使用する情報通信システムに関して留意すべき事項について述べよ。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 7回 2019.1.24  専門事項 交通支援無線通信

1. 情報通信システムを実現する上で調査・検討すべき項目

 1)ドローンと管理センタ間伝送のスループット

  カメラ映像や位置情報等の大容量伝送に必要なスループットを検討する。

 2)ドローンと管理センタ間伝送のレイテンシ

  管理センタからのドローン制御伝送に許容されるレイテンシを検討する。

3)伝送不具合発生時の対応

 ISM2.4GHz帯からバックアップへの100ミリ秒以内での瞬時移行を検討する。

2.情報通信システムを構築する業務を進める手順

1)無線区間のアーキテクチャ構築

 通常用の小電力のISM2.4GHz帯、非常用のバックアップを構築する。

2)ネットワークアーキテクチャの構築

 ネットワークスライシングを用い、大容量や低遅延といった異なる用途に柔軟に対応できるよう構築する。

3)実装・テスト

 システム実装・テストを行いスループット・レイテンシは許容値内か確認する。

3.ドローンを使用する情報通信システムに関して留意すべき事項

1)ドローン制御範囲の拡大

 地上送受信局から直接通信できない範囲は、他のドローンで中継を行うマルチホップ伝送を行い、制御範囲拡大を実現する。

2)セキュリティ

 強力な暗号化はドローンにおける非力なマイコンでは実装困難なため、SSL-VPN通信でPSK(事前共有鍵)による暗号化を行うといった、多層防御を行う。

模範解答1 (簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.1.27  専門事項 交通支援無線通信

1. 情報通信システムを実現する上で調査・検討すべき項目

 1)ドローンと管理センタ間伝送のスループット

  ドローンの目視外飛行に必要なカメラ映像の解像度・フレームレートを調査し、必要なスループットを算出し、映像が滑らかに表示可能となるよう検討する。

 2)ドローンと管理センタ間伝送のレイテンシ

  ドローンの飛行速度と単位時間あたりの飛行距離を調査し、管理センタからのドローン制御伝送に許容されるレイテンシを算出し、制御命令が適切な位置で実行されるよう検討する。

 3)伝送不具合発生時の対応

  常用系ISM2.4GHz帯伝送不具合時、常用系からバックアップ系へのハンドオーバ方法を調査し、100ms以内でシームレスに移行可能となるよう検討する。

2.情報通信システムを構築する業務を進める手順

 1)無線区間のアーキテクチャ構築

  通常系の小電力のISM2.4GHz帯、非常用のバックアップ系を構築する。バックアップ系は広域性に優れた衛星通信とする。

 2)ネットワークアーキテクチャの構築

  ネットワークスライシングを用い、大容量や低遅延といった異なる用途に柔軟に対応できるよう構築する。また、ドローンのカメラ映像をAIで処理し、制御にフィードバックする場合は超低遅延性が求められるため、エッジコンピューティングも併用する。

 3)実装・テスト

  システム実装・テストを行いスループット・レイテンシは許容値内か確認する。また、不具合想定試験も行い、適切に常用系からバックアップ系へ瞬時移行するかも確認する。

3.ドローンを使用する情報通信システムに関して留意すべき事項

 1)ドローン制御範囲の拡大

  地上送受信局から直接通信できない範囲は、他のドローンで中継を行うマルチホップ伝送を行い、制御範囲拡大を実現する。ドローン間距離が常に変動する状況の下、また複数ドローンとの連携した通信を行う必要があることから、MU-MIMOやビームフォーミングを用いて安定通信を実現する。

 2)セキュリティ

  中間者攻撃等の脅威から通信を防御するため、強力な暗号化が必要である。しかし、ドローンの軽量化のために搭載する低処理能力マイコンでは実装困難なため、SSL-VPN通信でPSK(事前共有鍵)による暗号化を行うといった、多層防御を行う。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.1.30   専門事項 交通支援無線通信

1.情報通信システム実現上で調査・検討すべき項目

1)ドローンと管理センタ間伝送のスループット

ドローンの目視外飛行に必要なカメラ映像の解像度・フレームレートを調査し、単位時間あたりの送受信データ量によりスループットを算出する。それにより、映像が滑らかに表示可能となるよう検討する。

2)ドローンと管理センタ間伝送のレイテンシ

 ドローンの単位時間あたりの飛行距離を調査し、ドローン制御伝送の許容レイテンシを、レイテンシ内での過走距離を考慮し算出する。その結果、制御命令が目標位置から一定範囲内で実行されるよう検討する。

3)伝送不具合発生時の対応

 常用系ISM2.4GHz帯伝送不具合時、常用系からバックアップ系へほぼ無瞬断となるハンドオーバ方法を調査し、100ms以内でスムースに移行するよう、検討する。

2.情報通信システムを構築する業務を進める手順

1)無線区間のアーキテクチャ構築

 通常系の小電力のISM2.4GHz帯、非常用のバックアップ系を構築する。バックアップ系は広域性に優れ、天候の影響に強い1.6GHz帯を用いた衛星通信とする。

2)ネットワークアーキテクチャの構築

 ネットワークスライシングを用い、大容量・低遅延等の異用途に柔軟に対応できるよう構築する。また、ドローンのカメラ映像を、AIを用いて管理センタで処理し、制御に帰還する場合、超低遅延性が求められる。よって、ドローンのネットワーク接続点近傍サーバで処理を行うエッジコンピューティングも併用する。

3)実装・テスト

 システム実装・テストを行い、ドローンからのデータ収集、ドローンへの制御が正しく行えるかを確認する。評価基準として、スループットはHD映像伝送可能な30Mbps以上、レイテンシは100km/hの飛行でも誤差3m以内となる100ms以内とする。また、電波断絶等の不具合想定試験も行い、バックアップ系へのハンドオーバがレイテンシ時間以内で行えるかを確認する。

3.ドローン使用情報通信システムで留意すべき事項

1)ドローン制御範囲の拡大

 地上送受信局から直接通信できない範囲は、他のドローンで中継を行うマルチホップ伝送を行い、制御範囲拡大を実現する。ドローン間距離が常に変動する状況で、複数ドローンとの連携した通信を行う必要があることから、MU-MIMOやビームフォーミングを用いて干渉の無い安定した通信を実現する。

2)セキュリティ

 中間者攻撃等の脅威から通信を防御するため、強力な暗号化が必要である。しかし、鍵長が128ビット以上となるAES等は、ドローンの軽量化のために搭載する低処理能力マイコンでは実装困難である。そのため、SSL-VPN通信でPSK(事前共有鍵)による暗号化を行うといった、多層防御を行う。

H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅲ−1 問題 模範解答と解説

 IoTや5Gの進展相まって様々なシーンで多様な事象がデータ化され収集されたデータを利活用することで企業活動の効率化や新たな付加価値の創造、社会的課題の解決に向かおうとする潮流がある。このため、今後ますます安心・安全に膨大な量のデータを収集し多様なネットワークインフラにまたがって流通させる仕組みが求められている。このような状況を踏まえて、情報通信ネットワーク分野の技術者として以下の問いに答えよ。

(1)安心・安全なデータ収集・流通を実現するための課題を多面的な観点から抽出し分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題の中で、最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題の解決策を3つ示せ。

(3)(2)で提案した解決策に関連して新たに生じるリスクとそれへの対策について述べよ。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.1.9   専門事項 交通支援無線通信

1. 安全・安心なデータ収集・流通を実現するための課題

1)強固なセキュリティ水準のクラウドの実現

2)盗聴や改ざん等の恐れの無い安全なネットワークの実現

3)個人を特定されないような匿名データへの加工

4)ブロックチェーン等管理者不在下でのデータ真正性確保

2.最も重要と考える課題と解決策

 「強固なセキュリティ水準のクラウドの実現」を最も重要な課題と考える。解決策を3つ以下に示す。

1)認証

 生体認証やワンタイムパスワード等の認証技術の採用。

2)アクセス制御

 IPアドレスやMACアドレスフィルタリングによるアクセス制御の採用。

3)暗号化

 漏洩対策のため、ストレージデータの暗号化を行う。

3.解決策に関連して新たに生じるリスクと対策

 暗号化には、鍵漏洩のリスクがある。その対策として、秘密分散技術がある。秘密分散技術では、元データを暗号化して分割するため、個々の分割データが漏洩しても元データの復元は不可能で、安全性が高い。 

模範解答1 (簡易形式2)  添削履歴 2回 2019.1.13   専門事項 交通支援無線通信

1. 安全・安心なデータ収集・流通を実現するための課題

1)強固なセキュリティ水準のクラウドの実現

 収集データのクラウドへの保存を想定し、データ蓄積・利用の際のセキュリティを強固にする。

2)盗聴や改ざん等の恐れの無い安全なネットワークの実現

 データ収集・流通はネットワークを介すことを想定し、盗聴・改ざん等への対策を行う。

3)個人を特定されないような匿名データへの加工

 個人情報の場合、個人を特定出来る情報を削除するよう加工し、プライバシを保護する。

4)新技術の導入

 ブロックチェーンといった分散台帳技術で、低コストに真正性・トレーサビリティを確保する。

2.「1強固なセキュリティ水準のクラウドの実現」の課題と解決策

1)安全なクラウド認証の実現

 データ収集・流通の際、複数回の認証を行うと、ID・パスワードの漏洩リスクがある。解決策として、SSO(Single Sign On)技術を用いて、複数Webサービス・アプリケーションに唯一のID・パスワードで認証を行い、漏洩リスクを下げる。

2)クラウドへの攻撃対策

 IoTの進展によりデータ収集を行うセンサ等デバイスも多数となるため、野良デバイスやDDoSによるクラウドへの攻撃を防ぐ。解決策として、リアルタイムで不正パケット検知・遮断を行うIPS(Intrusion Prevention System)を導入し、攻撃を未然に防ぐ。

3)クラウド上でデータ演算可能な暗号化

 クラウドにある暗号データの演算を行う場合、復号のうえ演算する必要がある。この際、復号した平文データの漏洩リスクがあるため、クラウド上で暗号データのまま処理を行う。解決策として、暗号データのまま演算可能な準同型暗号を用い、復号を不要とし、漏洩リスクを低減する。

3.解決策に関連して新たに生じるリスクと対策

1)SSOにおけるID・パスワード漏洩

 SSOを行う際に生体認証・ワンタイムパスワード等、多要素認証を組み合わせ、漏洩防止する。

2)IPSにおける不正パケット通過リスク

 パターンマッチングに利用するシグネチャを正しく更新し、通過リスクを下げる

3)準同型暗号におけるクラウド負荷増大リスク

 クラウドのスペックにより適切な準同型暗号方式を選択し、負荷増大リスクを下げる。

模範解答1 (答案形式)  添削履歴 2回 2019.1.15   専門事項 交通支援無線通信

1.安全安心なデータ収集・流通実現のための課題

1)強固なセキュリティ水準のクラウドの実現

 収集データのクラウドへの保存を想定し、データ蓄積・利用の際の攻撃や情報漏洩を防止するため、セキュリティを強固にする。

2)脅威の無い安全なネットワークの実現

 データ収集・流通はセキュリティポリシーの異なる様々なネットワークを介すことを想定し、盗聴や改ざん等の脅威を防止するため、対策を行う。

3)個人を特定されないような匿名データへの加工

 個人情報の場合、個人を特定出来る情報を削除する等加工し、匿名データとして保存することでプライバシを保護する。

4)脅威を回避する分散技術の導入

 ブロックチェーンのような分散台帳技術における取引データ登録時の検証・公開といった特徴を利用し、改ざん等の脅威を回避することで真正性・トレーサビリティを確保する。

2.強固なセキュリティ水準クラウド実現の解決策

1)安全な認証の実現

 データ収集・流通の際、様々な種類のデータを組み合わせて利用するケースでは、複数クラウドにアクセスする必要があり、複数回の認証を行う。この場合、ID・パスワードを複数扱う必要があり、漏洩リスクがある。

 解決策として、SSO(Single Sign On)技術を用いて、複数クラウドに唯一のID・パスワードで認証を行い、漏洩リスクを下げる。具体方式は、セキュリティトークンにより異なるクラウド間でシームレスな認証連携が可能で、複数クラウドへのアクセスに適した「フェデレーション方式」とする。

2)クラウドへの攻撃対策

 IoTの進展により、データ収集を行うセンサ等のデバイスも多数となり、クラウドへの接続が大量発生する。特に、適切な管理がされていない野良デバイスや、不正に乗っ取られたデバイス群からのDDoSによるクラウドへの攻撃を防ぐ。

 解決策として、リアルタイムで不正パケット検知・遮断を行うIPS(Intrusion Prevention System)を導入し、攻撃を未然に防ぐ。具体方式は、ネットワーク境界等にて内外の通信をリアルタイムに監視する「ネットワーク型」と、サーバに常駐し、サーバと他のコンピュータの通信を監視する「ホスト型」を組み合わせて実現する。

3)クラウド上でデータ演算可能な暗号化

 情報漏洩時の対策として、一般的にクラウド上のデータは暗号化される。ここで、クラウドにある暗号データの演算を行う場合、復号のうえ演算する必要がある。この際、復号した平文データには漏洩リスクがあるため、クラウド上で暗号データのまま演算を行う。

 解決策として、暗号データのまま演算可能な準同型暗号を用い、復号を不要とし、漏洩リスクを低減する。具体方式には、加算のみを行う「加法準同型」、乗算のみを行う「乗法準同型」、両方を行う「完全準同型」があり、必要となる演算に応じ、選択する。

3.解決策に関連して新たに生じるリスクと対策

1)SSOにおけるID・パスワード漏洩

 SSOにおいてID・パスワード漏洩が発生した際、全てのWebサービス・アプリケーションに不正アクセスされてしまう。そこで、SSOを行う際にID・パスワードのみならず生体認証・ワンタイムパスワード等の多要素認証を組み合わせることにより、漏洩した際の不正アクセスを防止する。

2)IPSにおける不正パケット通過リスク

 IPSは、攻撃手法について特徴的なパターンを登録したデータベース(シグネチャ)とのパターンマッチングを利用する。この際、シグネチャに適切にパターンが登録されていなければ、不正パケットは通過してしまう。そのため、シグネチャを正しく更新し、通過リスクを下げる。

3)準同型暗号におけるクラウド処理負荷増大リスク

 準同型暗号は、方式により処理負荷が異なり、「完全準同型」が最も負荷が大きい。クラウドのスペックにより適切な方式を選択し、負荷増大リスクを下げる。

H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅱ−1−2 問題 模範解答と解説

 イーサネットフレームを構成する主な5つのフィールドの役割を説明せよ。さらにイーサネットの規格の1つである1000BASE-Tについて、伝送媒体、伝送方式伝送距離を含めて概要を説明せよ。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2018.7.16   専門事項 無線通信設計

1.フレームを構成する5つのフィールド

a)MACアドレス

機器固有に保有するアドレスがMACアドレスになり、構成要素の1つである。

b)送信アドレス

インターネットで送信する相手側のIPアドレスを指定する。

c)受信アドレス

インターネット上での自分のアドレスを保有することから相手先への送信が可能である。

d)伝送内容

インターネットで伝送する内容そのものをパケットに分けて伝送する

e)送受確認

伝送した情報が確実に相手に送達できたかを確認するために使用するものになる。

2.1000BASE-Tについて

 a)伝送方法

 伝送方法は同軸ケーブルを使用して、電気信号として伝送する。通信方式は、QPSK、16QAM等で回線の環境、混み具合の状態によってベストエフォートで伝送する。

 b)伝送距離

同軸ケーブルであり伝送距離は1km程度である。

 c)利用シーン

 家庭でのインターネット環境で使用される。

H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅱ−2−1 問題 模範解答と解説

 問題文

 約10年前に大型屋外アミューズメント施設に設置された無線LANシステムの老朽化に伴い、新しい顧客向けサービスを提供可能な無線LANシステムへの更新を計画することになった。あなたがこの無線設備更新の担当責任者として業務を進めるに当たり下記の内容について記述せよ。

(1)  計画策定に当たって調査・検討すべき事項

(2)  業務を進める手順

(3)  業務を進めるに当たって留意すべき事項

模範解答2  (簡易形式1)  添削履歴 14回 2018.9.22   専門事項 無線通信設計

1.無線設備更新計画策定の調査・検討

a)施設利用の稼働率向上の調査:施設全体稼働率向上のため、無線LANを使用した空き施設へのナビゲーション手段を調査・検討。

b)施設利用待ち時間の活用:待ち時間でも無線LAN使用を使用した、施設案内やバーチャルリアリティ(VR)を活用したアミューズメント手段の調査・検討。

c)顧客サービス向上の調査:施設利用の現在状況表示や外国人向けに翻訳機等で案内サービスにより施設の効率化を調査・検討。

2.新規設備更新計画業務手順

a)無線LAN通達性の現状把握:屋外施設で無線LANサービスを安定的に利用できる事が必要。そのため無線LANサービスエリア範囲を把握する。

b)無線LANサービスの準備:施設内ナビゲーション及びVR用にデータ大容量、回線数確保対応できる64QAM多値化変調とOFDMを組合せた通信設備の準備。

c)通信確立の確認:無線LANアクセスポイント(AP)と複数台の端末を通信接続。移動中のナビゲーション、VR機能に影響が無いか通信ログ計測で通信確立確認。

3.新規設備更新計画に当たり留意する点

a)無線LAN回線高速切換:多くの顧客が移動しながらの利用が見込まれる。無線LANはハンドオーバーが出来ないため、統制局で端末とのAPとの回線を自動追随し強い回線の監視を行い、無線回線の高速切換えにより通信エリアを確保する。

b)FH方式による通信安定化:1つのAPに端末通信が輻輳する可能性がある。FH方式導入で周波数利用効率を向上し、通信回線接続の安定化を確保する。

模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2018.9.23   専門事項 無線通信設計

1.無線設備更新計画策定の調査・検討

a)施設利用の稼働率向上の調査

施設全体稼働率向上のため、無線LANを使用した空き施設へのナビゲーション手段を調査・検討する。

b)施設利用待ち時間の活用                                

待ち時間でも無線LAN使用を使用した、施設案内やバーチャルリアリティ(VR)を活用したアミューズメント手段の調査・検討を実施する。

c)顧客サービス向上の調査

施設利用の現在状況表示や外国人向けに翻訳機等で案内サービスにより施設の効率化を調査・検討する。

2.新規設備更新計画業務手順

a)無線LAN通達性の現状把握

屋外施設で無線LANサービスを安定的に利用できる事が必要である。そのため無線LANサービスエリア範囲を把握する。

b)無線LANサービスの準備

施設内ナビゲーション及びVR用にデータ大容量、回線数確保対応できる64QAM多値化変調とOFDMを組合せた通信設備の準備を行う。

c)通信確立の確認

無線LANアクセスポイント(AP)と複数台端末の通信接続を行う。その上で端末の移動中ナビゲーション、VR機能に影響が無いか通信ログ計測を行い、通信が確立するかを確認する。

3.新規設備更新計画に当たり留意する点

a)無線LAN回線高速切換

多くの顧客が移動しながらの利用が見込まれる。しかし、無線LANはハンドオーバーが出来ない。そのため、統制局で端末とのAPとの回線を自動追随し、回線の信号強の監視を行う。その信号強度の監視を基に無線回線の高速切換えを行い、移動中でも無線LAN接続回線を維持し、通信エリアを確保する。

b)FH方式による通信安定化

運用に応じて、1つのAPに端末通信が輻輳する可能性がある。回線輻輳が生じると回線が通じにくくなる。そこで、FH方式を導入することで、運用周波数の衝突を回避する事が可能となり、周波数利用効率の向上ができる。このFH方式導入によって通信回線接続の安定化を確保する。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 3回 2018.9.30   専門事項 無線通信設計

1.無線設備更新計画策定の調査・検討

a)施設利用の稼働率向上の調査

アミューズメント施設更新に伴い、設備全体での利用稼働率の向上を考慮する。そのため、無線LANを使用した全体空き施設へのナビゲーション手段を調査・検討する。 

b)施設利用待ち時間の活用

顧客の施設利用待ち時間を削減するニーズが想定される。そのため、無線LANを使用した新サービス内容を考慮する。施設案内やバーチャルリアリティ(以下VR)を活用した施設のサービスについての調査・検討を実施する。

c)顧客サービス向上の調査

アミューメント施設利用に関して、顧客サービス向上を考慮する。現在の状況表示や外国人向けに翻訳機等による案内サービスにより施設の効率化を調査・検討する。

2.新規設備更新計画業務手順

a)無線LAN通達性の現状把握

屋外施設で無線LANサービスを安定的に利用できる事が必要である。そのため施設内での無線LANの通達性についてサービスエリア範囲を把握する。

b)無線LANサービスの準備

施設内でのナビゲーション、特にVR用ではデータが大容量になる。そのため、大容量でかつ回線数を確保して運用に対応できるための通信方式が必要である。そこで、通信方式として1次変調で64QAM多値化変調と2次変調でOFDMとする。

c)通信確立の確認

無線LANアクセスポイント(以下AP)と複数台端末の通信接続を行う。次に、端末の移動中ナビゲーション及びVR機能確認として通信ログを計測する。その結果により、無線LANでの通信が確立している事の確認を行う。

3.新規設備更新計画に当たり留意する点

a)無線LAN回線高速切換

施設では、多くの顧客が移動しながらの利用が見込まれることから通信エリアの広いカバーが要求される。無線LANはハンドオーバーが出来ないため、統制局で端末とのAPとの回線を自動追随し、回線の信号強度の監視を行う。信号強度が最大となる回線を捕捉しておき、現状で接続している回線が弱まった時点で無線回線の高速切換えを行う。これにより通信エリアを広くカバーできる。

b)FH方式による通信安定化

端末数が多くなると、複数あるAPの中で1つのAPに通信が集中し、回線接続が困難になる可能性がある。そこで、周波数利用効率向上するため、通信方式にFH方式を導入する。その結果、通信の輻輳が緩和され、回線接続の安定性が高まる。 

H30/2018年 電気電子・情報通信 Ⅲ−2 問題 模範解答と解説

問題文

東日本大震災では、情報通信インフラにも甚大な被害が発生し、避難、救助、住民の生活や復興などに大きな影響を与えた。今後、南海トラフ地震、首都直下地震等の大規模震災の発生が予想される中、情報通信インフラをどの様に整えるべきか、情報通信分野の技術者として以下の問いに答えよ。

(1)  大規模震災が情報通信インフラに与える影響について、多面的に述べよ。

(2)  大規模震災が発生した際、情報通信インフラの機能を維持又は早急に復旧するための技術的対策を3つ提案せよ。

(3)  上記の技術的対策のうち最も有効と考える対策について、具体的な内容、効果、実現する上での留意点について述べよ。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 8回 2018.8.29   専門事項 無線通信設計

1.大規模震災の情報通信インフラへの影響

a)有線回線の不通状態

有線回線(電線)の断線が発生する。また、光通信中継器、電話交換機、基地局の故障が発生し、通信システムが機能しなくなる。その他、機器の電源断による通信不能の状態も発生する。

b)無線基地局のサービス不稼働

携帯電話の利用率は全国で2億台を超える。局地的でも大多数の利用率である。無線基地局運用断になった場合、通信回線を維持できなくなる。その結果、回線輻輳で、サービスが不稼働となる。

c)通信の上り回線の集中

震災時は、個人が情報収集、安否確認のため有線電話、携帯電話を使い始める。一般に、通信端末利用者が使い始める時期は、震災後10分以内である。故障が無く通信回線が使えたとしても、上り回線の輻輳が発生し、通信回線接続ができなくなる。

2.情報通信インフラ機能の維持と早期復旧

a)衛星通信端末移動局の設置

通常の衛星通信方式のダブルホップであるDAMA方式を災害時にシングルホップのPAMA方式に切換える。予め災害用に通信チャネルを決めておき中央基地局と衛星電波を直接通信で遠距離通信を確保する。遠距離通信を確保した後、災害現場近傍で有線、無線LANで、ネットワークに接続運用する。

b)FWA装置の設置

準ミリ波、ミリ波を使用したFWA装置を簡易的に災害現場に設置する事ができる。FWA装置は、通信帯域が広く高速通信が可能である。アンテナは、極力高く、5〜10mの高さに設置し、半径5kmのエリアをカバーする。

接続は、P-MP方式とし、多数の端末が接続できるようにし、10Mbpsの伝送速度を確保する。

c)音声電話の低レート化

音声電話のデータサイズは通常16kbpsである。これを音質は低下するが低レート2kbps程度の音声コーデックを使用し通信データを小さくし、回線数を8倍とする。更に、4G通信方式では、上りSC-FDMA、下りOFDMAであるので、どちらか一方を使って時分割双方向通信TDD方式とする。そうすれば、更に回線数は2倍となり、トータルで16倍の回線を確保できる。ここで、音声データ通信をFH方式とすれば、周波数利用効率は向上し、利用者を多くする事ができる。文字伝送でなく、災害時でも音声通信を可能とする。

3.携帯電話の音声低レート

a)具体的な内容

携帯端末あるいはアナログ交換機に低レート音声コーデックを装備する。回線インフラ制御は4G通信方式の上り下りのどちらかを使いTDD複信とする。同時にFH通信機能を装備し音声端末同士を接続する。

b)具体的な効果

1)通信回線トラフィックの余裕と増加

低レート化により、音声通信回線帯域に余裕ができる。また、4G通信回線の上り下りの一方を使う事で回線数を2倍とし、使用可能な端末数を増加する。

2)周波数利用効率向上

FH通信方式を適用することで周波数利用効率を向上し、音声通信サービスを多数利用者が受けられる。

c)実現するための留意点

1)使用回線の利得安定化

4G通信回線の上り下りでは上り電力が低い。そのため十分なS/Nを必要とする。基地局空中線をダイバシチとし回線の利得安定化を確保する。

2)FH通信の成立

回線を多くしてもFH通信で回線が衝突する可能性がある。FH速度を1000ホップ以上とし、1チップを短くして衝突確率を下げる。万一回線が衝突しても雑音程度の回線品質である。これによりFH通信を成立させる。

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