H29/2017年 機械・情報精密 Ⅲ−2 問題 模範解答と解説

問題文:製品の信頼性は性能・価格と同様に製品の価値を定める重要な要素であり、信頼性の低い製品は市場から継続的な支持を得られない。そのため、製品開発に従事する者は信頼性向上を常に念頭に置いて設計変更や新材料の採用などを行っているが、新原理に基づいた革新的な技術の採用により飛躍的に信頼性を高めることができる場合も多い。このような状況を考慮して情報・精密機器の開発責任者として以下の問いに答えよ。

(1)対象とする情報・精密機器を1つ選択し、その機器の信頼性を決定する主な要因を多面的な観点から3つ記述せよ。

(2)(1)で挙げた3つの要因の中から、最も重要と考える要因を1つ選び、それに関する革新的な技術的提案とその効果を示せ。

(3)(2)の提案により生じるリスクについて説明し、その対処法を述べよ。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019/06/21   専門事項 精密機械技術開発

1.レーザ走査顕微鏡の信頼性を決定する要因 

(1)スキャナの走査角度の正確性

走査角度と被写体から反射したレーザ光強度の関係からゆがみのないX-Y平面画像を得るため。

(2)対物レンズのZ方向移動量の正確性

Z方向の寸法が正確なX-Y平面画像を重ねた立体画像を得るため。

(3)防振性

顕微鏡の測定に係る駆動振動で試料が動くと正確な画像を得られないから。

2.スキャナの走査角度の正確性に関する革新的な技術的提案と効果

提案:スキャナをシリコンマイクロマシン化する。マイクロマシン化するのは共振駆動のスキャナの固有振動数はミラー質量の0.5乗に反比例する。よってX=Y平面の画像取得速度を上げるため高共振周波数を維持しつつ、コイルを設けるにはミラーの超小型化が不可欠だからである。また半導体製法で小型軽量に形成されたコイルをレーザ光反射ミラーに設けることができる。

ミラー近傍に配した永久磁石との相互作用によりコイルで発生する誘導起電力をミラーの動きのフィードバック信号として活用する。そして閉ループ駆動させる。

効果:スキャナの走査角度が正確となり、画像のゆがみがなくなる。

3.リスクの説明と対処法

リスク説明:シリコンマイクロマシンに用いるシリコン基板に格子欠陥があると脆性破壊を引き起こす。

対処法:スキャナの可動部であり脆性破壊箇所と成り得るばね部分について赤外線透過法による格子欠陥検査を行う。

模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 5回 2019/03/21   専門事項 精密機械開発設計

(1)内視鏡診療システムの信頼性を決定する主要因

内視鏡はカメラと処置具チャネルを搭載したスコープ部が口等から挿入され、消化管疾患の観察、診断、処置等の診療に使われる。照明制御や画像表示による観察・診断支援や、診療時の動画など診療データ記録の入力支援のシステム機能がある。

①診療しやすさ: ユーザーの医師は疾患を正確に診断し、症状に応じた最適処置を行いたい。機器操作の労力を減らし、診断と処置に注力できる機構が必要。

②故障しない: 患者の命にかかわる臨床現場において、医療機器の故障はあってはならない。故障を未然に防ぐ設計・製造が必要。

③清潔さ: スコープ部は検査後に洗浄・滅菌・乾燥を経て次の患者に使用される。患者間の感染を防ぐため、メンテナンス容易で清潔さを保ちやすい設計が必要。

 (2)「診療しやすさ」に対する革新的技術提案と効果

深層学習の人工知能(AI)技術により、内視鏡の診療プロセスの一部を自動化し、診療を支援するAI内視鏡診療支援システムを提案する。予め医師所見を教示した学習データで訓練したAIとGPGPUをシステムに搭載し、実時間で支援する。

具体的には、下記の3つを提案する。

1.内視鏡の自動挿入: スコープ部挿入時の歪や応力と内視鏡画像から、湾曲角度や挿入方向、推進力を制御する。効果は、医師労力の低減、患者安全性の確保。

2.患部の自動診断: 内視鏡の画像上で疾患部を強調表示し、可能性の高い症状を提示する。効果は、疾患部の見落とし防止、医師による最適な処置への移行。

3.患部処置の成否予測: 細胞レベルの超拡大顕微画像から、切除すべき患  部の残渣を強調表示する。効果は、再発リスクの低減。

 (3)リスクとその対処法

①AIが当たり前になり開発費用を回収できない: 練医師スキルの学習データセット販売のライセンスビジネスによって、AI開発のコストアップを回収する。

②情報不足でAI誤診断が医療インシデントにつながる: AIの診断精度を確保するため、病変全体を様々な角度から撮影する等のアドバイス機能を搭載する。

模範解答2 (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019/03/22   専門事項 精密機械開発設計

(1)内視鏡診療システムの信頼性を決定する主要因

 内視鏡とは、カメラと処置具チャネルを搭載したスコープ部が口等から挿入され、消化管疾患の観察、診断、処置等の診療に使われる医療機器である。内視鏡診療システムは、照明制御や画像表示による観察・診断支援の機能や、診療時の動画など診療データ記録の入力支援のシステム機能をユーザである医師に提供する。

①診療しやすさ: 医師は疾患を正確に診断し、症状に応じた最適な処置を行いたい。機器操作の労力を減らし、診断と処置に注力できる機構が必要とされる。

②故障しない: 患者の生命にかかわる臨床現場において、医療機器の故障はあってはならない。故障を未然に防ぐ設計・製造が必要である。

③清潔さ: スコープ部は検査後に洗浄・滅菌・乾燥を経て、次の患者に使用される。患者間の感染を防ぐため、メンテナンスが容易で、且つ、清潔さを保ちやすい設計が必要となる。

(2)「診療しやすさ」に対する革新的技術提案と効果

 深層学習の人工知能(AI)技術により、内視鏡の診療プロセスの一部を自動化し、診療を支援するAI内視鏡診療支援システムを提案する。予め熟練医師による所見や手技を教示した学習データで訓練したAIと、高速処理を行うためのGPGPUを本システムに搭載し、リアルタイムに診療を支援する。

 具体的には、下記の3つを提案する。

1.内視鏡の自動挿入: スコープ部を患者の消化管に挿入する時のスコープ部の歪や応力をセンシングし、そのときの内視鏡画像の情報と合わせることで、学習済みAIが湾曲角度や挿入方向、推進力を制御する。これにより、臨床における医師の労力を低減するとともに、患者の安全性を確保する効果がある。

2.患部の自動診断: 消化管の中を内視鏡が移動する際の動きのある内視鏡画像上であっても、疾患部を強調表示し、可能性の高い症状を提示する。これにより、疾患部の見落としを防止でき、疾患に対して医師が最適な処置を行える効果がある。

3.患部処置の成否予測: 悪性腫瘍の疾患部を処置した後、細胞レベルの超拡大顕微画像上で、追加切除すべき残渣を強調表示する。悪性腫瘍の再発や転移のリスクを低減する効果がある。

(3)リスクとその対処法

①AIが当たり前になり、開発費用を回収できない: 熟練医師のスキルを学習データセットとして販売するライセンスビジネスによって、AI開発のコストアップを回収する。

②情報不足でAI誤診断が医療インシデントにつながる: AIの診断精度を確保するため、病変全体を様々な角度から撮影する等のアドバイス機能を搭載する。

模範解答2 (答案形式)  添削履歴 0回 2019/03/23   専門事項 精密機械開発設計

(1)内視鏡診療システムの信頼性を決定する主要因

 内視鏡とは、カメラと処置具チャネルを搭載したスコープ部が口等から挿入され、消化管疾患の観察、診断、処置等の診療に使われる医療機器である。内視鏡診療システムは、照明制御や画像表示による観察・診断支援の機能や、診療時の動画など診療データを記録する際の入力支援の機能などを搭載し、ユーザである医師が内視鏡診療をしやすくなるよう支援を行う。

①診療しやすさ 

 医師は疾患を正確に診断し、症状に応じた最適な処置を行いたい。スコープ部の挿入や、ハンドル部やボタンなどの機器操作に要する労力を極力減らし、患者の診断と処置に注力できる機構が必要とされる。

②故障しない 

 患者の生命にかかわる臨床現場において、医療機器の故障はあってはならない。故障を未然に防ぐ設計・製造が必要である。

③清潔さ

 スコープ部は、一人の患者を検査した後に、洗浄・滅菌・乾燥を経て、次の患者に使用される。患者間の感染を防ぐため、メンテナンスが容易で、且つ、清潔さを保ちやすい設計が必要となる。

(2)「診療しやすさ」に対する革新的技術提案とその効果

 深層学習の人工知能(AI)技術により、内視鏡の診療プロセスの一部を自動化し、診療を支援するAI内視鏡診療支援システムを提案する。予め熟練医師による所見や手技を教示した学習データで訓練したAIと、高速処理を行うためのGPGPUを本システムに搭載し、リアルタイムに診療を支援する。

 具体的には、下記の3つを提案する。

1.内視鏡の自動挿入

 スコープ部を患者の消化管に挿入する時のスコープ部の歪や応力をセンシングし、そのときの内視鏡画像の情報と合わせることで、学習済みAIが湾曲角度や挿入方向、推進力を制御する。これにより、臨床における医師の機器操作の労力を低減するとともに、患者の安全性を確保する効果がある。

2.患部の自動診断

 消化管の中を内視鏡が移動する際の動きのある内視鏡画像上であっても、疾患部をリアルタイムに強調表示し、可能性の高い症状を提示する。これにより、疾患部の見落としを防止でき、疾患に対して医師が即座に最適な処置に移行できるといった効果がある。

3.患部処置の成否予測

 医師が悪性腫瘍の疾患部を処置した後、細胞レベルの超拡大顕微画像上で、追加切除すべき残渣部分を強調表示する。即時に残渣を取り除けるので、悪性腫瘍の再発や転移のリスクや再手術を低減する効果がある。

(3)リスクとその対処法

① AI開発費の回収に関するリスク

 医療機器おいても、AIを搭載した機器のスマート化が当たり前となり、たとえ、医療向けに独自開発したAI技術であっても、その開発費用を回収できなくなるリスクがある。

 AI開発のコストアップを回収ための対処法として、これまでに構築した医師とのネットワークを生かして、信頼できる著名な熟練医師のスキルを独自に収集し、索引付けした学習データセットとして販売するライセンスビジネスを開始する。

②AIの誤診断による医療インシデントのリスク

 AIは、センサや画像から収集した情報に基づいて総合的に判断を行うため、臨床情報が不足する場合には、AIが誤診断し、その結果として医療インシデントにつながるリスクがある。

 AIの診断精度を確保するための対処法として、AIが判断を下す際必要な情報の種類や情報量を予め設定しておく。診療中の臨床情報が不足する場合には、病変全体を様々な角度から撮影する等の追加すべき情報を医師に知らせるといったアドバイス機能を搭載する。

H29年 電気・電気設備 Ⅱ−1−1 問題 模範解答と解説

問題文   2-1-1 

三相かご形誘導電動機の代表的な始動方式を3つ挙げ,それぞれの概要と特性・特徴を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 1回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設計

1)直入始動法

1)概要

定格電圧をそのまま投入する方法。

用途は小型の電動機に使用され、電動機外付けの始動装置が不要

2)特性・特徴

安価、始動電流が大きい、始動トルクが大きい。

(2)スターデルタ始動法

1)概要

始動時に電動機の一次巻線をスター結線として投入し、一定時間経過後にデルタ結線とする。段階的に始動する回路があるため、やや費用が高い。

2)特性・特徴

外付けの始動装置が不要であり、始動電流が全電圧始動法の3分の1となる。始動トルクが定格の3分の1と小さい。

(3)可変周波数起動法

1)概要

半導体素子などを用いたインバータにより周波数に比例した交流の電圧を発生させて、速度を調整する。

2)特性・特徴

高起動トルクで滑らかな速度制御が可能。運転中に連続的な速度制御が必要な場合に有用。高調波対策が必要。

もっとも高価。発熱があり空調設備の検討が必要

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設計

(1)直入始動法

1)概要

定格電圧をそのまま投入する方法となる。用途は小型の電動機に使用され、電動機外付けの始動装置が不要な指導方法である。

2)特性・特徴

他の始動方式と比べて最も安価となる。始動時の電流とトルクは大きい。

(2)スターデルタ始動法

1)概要

始動時に電動機の一次巻線をスター結線として投入し、一定時間経過後にデルタ結線とする。

2)特性・特徴

外付けの始動装置が不要であり、始動電流が直入始動法の3分の1となる。始動トルクが定格の3分の1と小さい。

(3)可変周波数起動法

1)概要

半導体素子などを用いたインバータにより周波数に比例した交流の電圧を発生させて、速度を調整する。

2)特性・特徴

高起動トルクで滑らかな速度制御が可能である。ソフトスタートであるため電動機の負担が軽減され、始動電流が抑えられるため、電源側の電圧降下や発電機容量を低減できる。運転中に連続的な速度制御が必要な場合に有用である。一般的には高調波対策が必要であるが、高圧ダイレクトインバータは、入力変圧器の多重化で高調波を低減できる。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/5/12 専門事項 ビル電気設計

(1)直入始動法

1)概要:定格電圧をそのまま投入する方法となる。用途は小型の電動機に使用され、電動機外付けの始動装置が不要な指導方法である。

2)特性・特徴:他の始動方式と比べて最も安価となる。始動時の電流とトルクは大きい。

(2)スターデルタ始動法

1)概要:始動時に電動機の一次巻線をスター結線として投入し、一定時間経過後にデルタ結線とする。

2)特性・特徴:外付けの始動装置が不要であり、始動電流が直入始動法の3分の1となる。始動トルクが定格の3分の1と小さい。

(3)可変周波数起動法

1)概要:半導体素子などを用いたインバータにより周波数に比例した交流の電圧を発生させて、速度を調整する。

2)特性・特徴:高起動トルクで滑らかな速度制御が可能である。ソフトスタートであるため電動機の負担が軽減され、始動電流が抑えられるため、電源側の電圧降下や発電機容量を低減できる。運転中に連続的な速度制御が必要な場合に有用である。一般的には高調波対策が必要であるが、高圧ダイレクトインバータは、入力変圧器の多重化で高調波を低減できる。

H29年 電気・電気設備 Ⅱ−1−2 問題 模範解答と解説

問題文   2-1-2 系統連携されている太陽光発電装置がある建築物に設置される電力平準化用蓄電装置の概要(目的、構成要素等)とその機能を2つ以上上げ、それぞれの機能の特徴を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 4回  完成日2018/3/15 専門事項 ビル電気設備

1.電力平準化用蓄電装置の概要

1-1:目的

電力平準化用蓄電池は日中等に集中する電力負荷を平均化する為、電力会社の配電線系統に本装置を接続する事で電力供給を行う。太陽光発電と共に蓄電池からも電力供給を行う事で、電力供給の平準化・安定化を目指す。

1-2:構成要素

双方向インバータ、蓄電池から構成される。双方向インバータによって、電力会社の配電線系統に蓄電装置を接続して運転する事で、負荷に電力供給する。

1-3:機能の特徴

(1)  ピークシフト:夜間電力活用による電力平準化及び契約電力を下げる事が可能となり、コスト削減に繋がる。更に余剰電力はFIT制度を活用し、売電可能となる。

(2)  出力安定化: 太陽光発電は出力が不安定である為、蓄電池を活用する事により出力の安定が図られる。

(3)  停電時のバックアップ:停電時には蓄電池から電力供給する事で、一定の電力確保が可能である。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/3/28 専門事項 ビル電気設備

電力平準化用蓄電装置の概要

1-1:目的

電力平準化用蓄電池は、商用電力系統と蓄電装置を接続する事で蓄電池から一部電力供給する。太陽光発電による電力供給と蓄電池からの電力供給で、負荷ピーク電力を低減させ、需要家の電力負荷を平均化し安定した電力供給を行う。

1-2:構成要素

蓄電装置、交直変換装置、連系変圧器から構成され、単独運転防止の為遮断器が設置される。蓄電池にはナトリウムイオン電池(NAS電池)やレドックスフロー電池が採用される。

1-3:機能の特徴

(1)ピークシフト:夜間電力活用による電力平準化と共に,契約電力を下げる事が可能となりコスト削減に繋がる。更に余剰電力はFIT制度を活用し売電可能となる他、発電所設備の利用率向上に繋がり電気料金引き下げが期待できる。

(2)出力安定化: 太陽光発電は出力が不安定である為、蓄電池からの電力供給を活用する事により出力の安定が図られる。

(3)停電時のバックアップ:停電時に蓄電池から電力供給する事で一定の電力確保が可能である。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/4/2 専門事項 ビル電気設備

1:目的

電力平準化用蓄電池は、商用電力系統と蓄電装置を接続する事で蓄電池から一部電力供給をおこなう。太陽光発電による電力供給と蓄電池からの電力供給で、負荷ピーク電力を低減させ、需要家の電力負荷を平均化し、安定した電力供給を行う。

2:構成要素

蓄電装置、交直変換装置、連系変圧器から構成され、単独運転防止の為、遮断器が設置される。蓄電池にはナトリウムイオン電池(NAS電池)やレドックスフロー電池が採用される。

3:機能の特徴

(1)ピークシフト:夜間電力活用による電力平準化と共に,契約電力を下げる事が可能となりコスト削減に繋がる。更に余剰電力はFIT制度を活用し売電可能となる他、発電所設備の利用率向上に繋がり電気料金引き下げが期待できる。

(2)出力安定化:太陽光発電は出力が不安定である為、蓄電池からの電力供給を活用する事により、出力の安定が図られる。結果、エネルギー効率向上に繋がり、節電効果を高める事が可能である。

(3)停電時のバックアップ:停電時に蓄電池から電力供給する事で、一定の電力確保が可能である。通常のUPS(無停電電源装置)と比較し、電力貯蔵用の蓄電池は大容量の為、長時間の停電補償が可能となる。

模範解答2  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設備設計

1.概要

(1)目的:契約電力低減、需要率向上。

(2)構成要素等:交流電力と直流電力の相互変換を行う電力変換部と、バッテリーを組み合わせ、太陽光発電出力を蓄電するか系統へ配電するか判断するコントローラを持つ。

2.機能1:ピークカット

昼間に太陽光発電の出力が最大値になり、その間はバッテリーに蓄電して、夜間の最大消費電力時に放電する。消費電力がピークとなる時間帯に放電を行うことで、系統からみて一日の消費電力変動を少なくする。デマンド契約の場合は契約電力を低減できる。

3.機能2:デマンドレスポンスの対応

 太陽光発電は多くの需要家で昼間に発電するため、系統電圧が上がり系統保護のために電力会社からの太陽光発電制限を要求する場合がある。電力平準化用蓄電装置により需給調整を行い、安定した電源を受けることができる。

4.機能3:無停電電源機能

コントローラなどの瞬時停電によりデータの損失を防ぐために、停電時に対して電源を供給し続ける機能を持つ。また、落雷等で発生する瞬時電圧変動からサーバ等の重要負荷を保護する。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設備

1.概要

(1)目的:契約電力低減、需要率向上。

(2)構成要素等:交流電力と直流電力の相互変換を行う電力変換部と、バッテリーを組み合わせ、太陽光発電出力を蓄電するか系統へ配電するか判断するコントローラを持つ。

2.機能1:ピークカット

昼間に太陽光発電の出力が最大値になり、その間はバッテリーに蓄電して、夜間の最大消費電力時に放電する。消費電力がピークとなる時間帯に放電を行うことで、系統からみて一日の消費電力変動を少なくする。デマンド契約の場合は契約電力を低減できる。

3.機能2:デマンドレスポンスの対応

 太陽光発電は多くの需要家で昼間に発電するため、系統電圧が上がり系統保護のために電力会社からの太陽光発電制限を要求する場合がある。電力平準化用蓄電装置により需給調整を行い、安定した電源を受けることができる。

4.機能3:無停電電源機能

コントローラなどの瞬時停電によりデータの損失を防ぐために、停電時に対して電源を供給し続ける機能を持つ。また、落雷等で発生する瞬時電圧変動からサーバ等の重要負荷を保護する。

H29年 電気・電気設備 Ⅱ−1−3 問題 模範解答と解説

問題文   2-1-3 住宅向けに設置が進んでいる電力用スマートメーターシステムについて、その概要、電力会社や家庭内の通信ルートに使用されるAルートとBルートの役割、及びサイバーセキュリティに対する留意点を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 7回  完成日2018/4/15 専門事項 ビル電気設備

1. 電力用スマートメーターシステムの概要

 毎月の検針業務の自動化を可能にする電力量計を使用した運用管理システムである。通信は無線マルチホップ・携帯・PLC方式を組み合わせて構築し、光・携帯回線を通じて電力量を運用管理システム(MDMS)で管理する。

2.  AルートとBルートの役割

(1)Aルート

 電力会社が需要家の利用電力を遠隔確認する為に利用されるルートである。通信線はB/NET伝送信号線等が用いられる。

(2)Bルート

 スマートメーターから需要家のHEMS機器へ30分値の電力量を送信するルートである。

3.サイバーセキュリティに対する留意点

 通信妨害、不正侵入等のサイバー攻撃を受けた際に大規模停電や電力需要家の情報を漏洩させるリスクがある。Aルートはファイヤーウォールの多段構成やリモートメンテナンス回線極少化、BルートはスマートメーターとHEMSコントローラの1対1接続を確保し、セキュリティを担保する。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/4/16 専門事項 ビル電気設備

1.  電力用スマートメーターシステムの概要

毎月の検針業務の自動化を可能にする電力量計を使用した運用管理システムである。通信は無線マルチホップ・携帯・PLC方式を組み合わせて構築し、光・携帯回線を通じて電力量を運用管理システム(MDMS)で管理する。

2.  AルートとBルートの役割

 (1)Aルート

電力会社が需要家の利用電力を遠隔確認する為に利用されるルートである。通信線はB/NET伝送信号線等が用いられる。

(2)Bルート

スマートメーターから需要家のHEMS機器へ30分値の電力量を送信するルートである。需要家は電気使用量をリアルタイムで確認できる。

3.サイバーセキュリティに対する留意点

通信妨害、不正侵入等のサイバー攻撃を受けた際に大規模停電や電力需要家の情報を漏洩させるリスクがある。Aルートはファイヤーウォールの多段構成やリモートメンテナンス回線極少化、BルートはスマートメーターとHEMSコントローラの1対1接続を確保し、セキュリティを担保する。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 4回  完成日2018/4/23 専門事項 ビル電気設備

1.概要

通信機能を備えた電力メーターを使用した運用管理システムである。電力会社と需要家間をネットワーク接続し、需要家のHEMS機器を無線通信する事で電力会社は遠隔検針や開閉操作を随時可能とし、需要家は電力使用量や時刻情報等を随時取得出来る。

2.AルートとBルートの役割

(1)Aルート

電力会社が需要家の30分検針値や逆潮流値を遠隔確認する為に利用されるルートである。データを遠隔地に送る為、検針員が不要で電気使用量を細かい時間単位で確認できる。

(2)Bルート

スマートメーターから需要家のHEMS機器へ30分値の電力使用量等を送信するルートである。需要家は電気使用量をリアルタイム確認出来、省エネや省エネによる機器制御で系統安定化が期待できる。

3.サイバーセキュリティに対する留意点

通信妨害、不正侵入等のサイバー攻撃を受けた際に大規模停電や電力需要家の情報を漏洩させるリスクがある。Aルートはファイヤーウォールの多段構成やリモートメンテナンス回線極少化、BルートはスマートメーターとHEMSコントローラの1対1接続を確保し、セキュリティを担保する。

H29年 電気・電気設備 Ⅱ−2−2 問題 模範解答と解説

問題文 Ⅱ-2-2  高い電気の品質が要求されるビルにおいて、電気設備の技術者として交流無停電電源装置(UPS)を計画するに当たり、以下の問いに答えよ。

(1)   常時インバータ給電方式の概要と、他の給電方式と比較して常時インバータ給電方式を採用する場合の理由を述べよ。

(2)   計画する時、下記手順について留意する事項を述べよ。

負荷の計算とUPSの容量機器構成と供給信頼性電源システム(商用・発電機)との協調、UPS負荷との協調

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/5/2 専門事項 ビル電気設備

1.常時インバータ給電方式の概要

 商用電源と同期しながら、インバータを通して負荷に定電圧、定周波数の安定した正弦波の電力を供給する。電圧変動や停電が発生した際は、無瞬断で蓄電池から電力供給し、負荷をバックアップする。

 採用理由:高品質な電力、高信頼性、ノイズ除去、高周波電流抑制等の特徴があるから、サーバー等の瞬時停電や電源トラブルを発生させると影響が大きい重要負荷設備へ導入する際、採用を検討する。

2.計画時の留意点

2-1:負荷計算とUPS容量:過負荷によるUPS停止を防止する為、総容量(VA)及び総容量(W)に1.1〜1.3倍の余裕率を掛け、算出値より大きい容量のUPSを選定する。

2-2:機器構成と供給信頼性:整流器、インバータ、蓄電池から構成される。インバータ停止が発生すると給電停止の恐れがある為、商用電源へのバイパス切替回路を設け、別回路で電力供給する。

2-3:電源システム・UPS負荷との協調

(1)電源システム:バイパス切替による商用電源切替時、瞬断切換や出力停止の恐れがある。信頼性構築の為UPSを複数並列に接続した並列冗長運転構成とする。

(2)UPSとの協調:大電流機器をUPSに接続すると過負荷により給電停止の恐れがある。瞬間的に大電流が流れる機器はUPS接続せず、商用・発電機回路を用いる。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/5/27 専門事項 ビル電気設備

1.検討項目の概要

(1)電気工作物に関する接地工事の種類

A種:高圧などの電気機器に対して行う接地工事となる。高い電圧の電気設備による感電は、大きな損傷を受けるため、接地抵抗値は10Ω以下とする。

B種:低圧の電路と高圧の電路の接触を防ぐための接地である。B種接地線がないと、変圧器の故障で低圧と高圧が接触した場合、低圧の200Vや100Vの電路に高圧の6,600Vが流れる事故が発生する。100Vや200Vで使用する機器に高圧を印加すれば、焼損・故障する。接地抵抗値は、電力会社の送電線や電柱から来る配電用の電線距離・サイズによって変動するため、電力会社に問い合わせて数値を決定する。

C種:300Vを超える低圧の電路に接続される機器は、100Vや200Vの機器による感電事故よりも危険性が高いため、A種と同様に10Ωの接地抵抗値を確保する。

D種:住宅や業務用施設の照明、コンセント、換気扇や冷蔵庫に使用されている接地工事である。接地抵抗値は100Ω以下を確保する。

(2)低圧電路の接地方式

等電位接地:接地を共通して電位差を無くし、雷サージ電流を抑える。

中性点接地:変圧器の二次側の中性点を接地する。

(3)等電位ボンディング

導体間の電位差を軽減する接地、誘導雷の被害を軽減する。

(4)EMC接地

機器の正常動作のために電磁波や等を遮蔽する。

2.技術提案と留意点

(1)等電位ボンディング

1)具体的な技術提案

直撃雷や誘導雷に応じたてSPDを設置する。

2)留意点

LPS保護レベルにより設置されたSPDは、クラス別に落雷捕捉性能が違うため、SPDの劣化診断やボンディングの状態が確認できるように保守用のデバイス回路を設ける。中長期的に施設の用途規模に応じて保護レベルの設定を行う。

(2)EMC接地

1)具体的な技術提案

フィルタリング:コンデンサやリアクトルを組合せてノイズ対策を行う。

シールディング:ケーブルのシールディングや電磁シールド、磁気シールドなどの材料を用いる。

グラウンディング:アースすることでノイズ対策を行う。

2)留意点

高調波発生機器を単独にC種接地し、PWMコンバータや進相コンデンサ(リアクトル付)による高調波吸収設備を設置して系統側へ高調波を抑えた回路とする。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 3回  完成日2018/5/11 専門事項 ビル電気設備

1.常時インバータ給電方式の概要

商用電源と同期しながら、インバータを通して負荷に定電圧、定周波数の安定した正弦波の電力を供給する。停電発生時は運転切り換え時の断時間を発生することなく、バッテリーから電力供給可能である

採用理由:本方式は通常時、電源異常時ともに、常に整流器とインバータを通して電力供給することで、電源ノイズ等、商用入力の乱れに左右されずに、常に整えられた高品質な電力を供給することができる。更にバッテリーへの切り替えは無瞬断で行なわれる為、出力がとぎれる事は無い。無瞬断且つ高品質な電力供給が可能である事から、資産・データの保護を担う重要な電源対策として,サーバーやネットワーク機器をはじめとした各種装置・設備に活用される。

2.計画時の留意点

2-1:負荷計算とUPS容量

UPSは停電発生時のバッテリー動力切り替えの際、電力供給が途切れてはならない為、サーバーなどの接続機器を停止する為に必要なバックアップ時間を決め、バックアップ時間をカバー出来る容量のUPSを選定する。UPSによるバックアップ時間はバッテリー劣化を考慮し、2倍以上とする。

更に過負荷によるUPS停止を防止する為、総容量(VA)及び総容量(W)に1.1〜1.3倍の余裕率を掛け、算出値より大きい容量のUPSを選定する。

2-2:機器構成と供給信頼性

整流器、インバータ、蓄電池から構成される。インバータ停止が発生すると給電停止の恐れがある為、商用電源へのバイパス切り替え回路を設け、別回路で電力供給する事で信頼性を確保する。

更に落雷によって生じるコモンモードノイズにより、電力線にノイズが重畳する恐れがある為、UPS入力側に避雷器を設置しノイズを阻止する。避雷器のクランプ電圧(約600V)以下のノイズは阻止できない為、UPSの入力側へ変圧器を設置する事でノイズ阻止を図る。

2-3.電源システム・UPS負荷との協調

(1)電源システム

バイパス切り替えによる商用電源切り替え時に、瞬断切換や出力停止の恐れがある為、信頼性構築を目的に、UPSを複数並列に接続した並列冗長運転構成とする。本構成により、保守・点検時の停止操作や故障発生時に1台のUPSが停止・解列する場合でも、無瞬断切換にて残りのUPSで負荷への給電を継続させる。

(2) UPSとの協調

大電流機器をUPS接続すると、過負荷により給電停止する恐れがある。この対策として瞬間的に大電流が流れるレーザープリンタ等の機器はUPS接続せず、商用・発電機回路を用いる。更にモーター、コイル等誘導性の装置に使用する場合は突入電流の影響で正常動作しない可能性がある為、事前に動作確認を実施する。

模範解答2  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設備

1.検討項目の概要

(1)電気工作物に関する接地工事の種類

A種:高圧などの電圧が高い機器の金属製外箱などの接地、B種:高圧と低圧を結合する変圧器の中性点の接地、C種:300Vを超える低圧の機器の金属製外箱などの接地、D種:300V以下の機器の金属製外箱などの接地

(2)低圧電路の接地方式

等電位接地:接地を共通して電位差を無くし、雷サージ電流を抑える。

中性点接地:変圧器の二次側の中性点を接地する。

(3)等電位ボンディング:導体間の電位差を軽減する接地、誘導雷の被害軽減

(4)EMC接地:機器の正常動作のために電磁波等を遮蔽する。

2.技術提案と留意点

(1)等電位ボンディング

1)具体的な技術提案:直撃雷、誘導雷に応じたSPD設置

2)留意点:LPS保護レベルにより設置されたSPDは、クラス別に落雷捕捉性能が違うため、SPDの劣化診断やボンディングの状態が確認できるように保守用のデバイス回路を設ける。中長期的に施設の用途規模に応じて保護レベルの設定を行う。

(2)EMC接地

1)具体的な技術提案:フィルタリング、シールディング、グラウンディング

2)留意点:高調波発生機器を単独にC種接地し、PWMコンバータや進相コンデンサ(リアクトル付)による高調波吸収設備を設置して系統側へ高調波を抑えた回路とする。

模範解答2  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/5/3 専門事項 ビル電気設備

1.常時インバータ給電方式の概要

商用電源と同期しながら、インバータを通して負荷に定電圧、定周波数の安定した正弦波の電力を供給する。電圧変動や停電が発生した際は、無瞬断で蓄電池から電力供給し、負荷をバックアップする。

採用理由:サーバールーム等の重要負荷設備は、瞬時停電や電源トラブルを発生させると影響が大きい事から、高品質な電力、高信頼性、ノイズ除去、高周波電流抑制等の特徴がある本方式を採用する

2.計画時の留意点

2-1:負荷計算とUPS容量:過負荷によるUPS停止を防止する為、総容量(VA)及び総容量(W)に1.1〜1.3倍の余裕率を掛け、算出値より大きい容量のUPSを選定する。更にUPSによるバックアップ時間は、バッテリー劣化を考慮し2倍以上とする。

2-2:機器構成と供給信頼性:整流器、インバータ、蓄電池から構成される。インバータ停止が発生すると給電停止の恐れがある為、商用電源へのバイパス切替回路を設け、別回路で電力供給する事で信頼性を確保する。

2-3:電源システム・UPS負荷との協調

(1)電源システム:バイパス切替による商用電源切替時、瞬断切換や出力停止の恐れがある。信頼性構築を目的に、UPSを複数並列に接続した並列冗長運転構成とする。

(2)UPSとの協調:大電流機器をUPSに接続すると過負荷により給電停止の恐れがある。この対策として、コピー機等の瞬間的に大電流が流れる機器はUPS接続せず、商用回路・発電機回路を用いる。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/5/12 専門事項 ビル電気設備

1.検討項目の概要

(1)電気工作物に関する接地工事の種類

A種:高圧などの電気機器に対して行う接地工事となる。高い電圧の電気設備による感電は、大きな損傷を受けるため、接地抵抗値は10Ω以下とする。B種:低圧の電路と高圧の電路の接触を防ぐための接地である。B種接地線がないと、変圧器の故障で低圧と高圧が接触した場合、低圧の200Vや100Vの電路に高圧の6,600Vが流れる事故が発生する。100Vや200Vで使用する機器に高圧を印加すれば、焼損・故障する。接地抵抗値は、電力会社の送電線や電柱から来る配電用の電線距離・サイズによって変動するため、電力会社に問い合わせて数値を決定する。C種:300Vを超える低圧の電路に接続される機器は、100Vや200Vの機器による感電事故よりも危険性が高いため、A種と同様に10Ωの接地抵抗値を確保する。D種:住宅や業務用施設の照明、コンセント、換気扇や冷蔵庫に使用されている接地工事である。接地抵抗値は100Ω以下を確保する。

(2)低圧電路の接地方式

等電位接地:接地を共通して電位差を無くし、雷サージ電流を抑える。

中性点接地:変圧器の二次側の中性点を接地する。

(3)等電位ボンディング

導体間の電位差を軽減する接地、誘導雷の被害を軽減する。

(4)EMC接地

機器の正常動作のために電磁波や等を遮蔽する。

2.技術提案と留意点

(1)等電位ボンディング

1)具体的な技術提案

直撃雷や誘導雷に応じたてSPDを設置する。

2)留意点

LPS保護レベルにより設置されたSPDは、クラス別に落雷捕捉性能が違うため、SPDの劣化診断やボンディングの状態が確認できるように保守用のデバイス回路を設ける。中長期的に施設の用途規模に応じて保護レベルの設定を行う。

(2)EMC接地

1)具体的な技術提案

フィルタリング:コンデンサやリアクトルを組合せてノイズ対策を行う。

シールディング:ケーブルのシールディングや電磁シールド、磁気シールドなどの材料を用いる。

グラウンディング:アースすることでノイズ対策を行う。

2)留意点

高調波発生機器を単独にC種接地し、PWMコンバータや進相コンデンサ(リアクトル付)による高調波吸収設備を設置して系統側へ高調波を抑えた回路とする。

H29年 電気・電気設備 Ⅲ−1 問題 模範解答と解説

問題文   

 大幅な省エネルギーを実現するZEBに注目が集まっており、新築公共建築物等で2020年までにZEB化が求められている。このような状況を踏まえ、事務所ビル・学校等のZEB化実現に向けて電気設備技術者としてどのように取り組めばよいか、以下に答えよ。

(1)             ZEBの概要を述べよ。

(2)             電気設備の各機器・システムにおいてZEB化実現に向け検討すべき項目(課題)を列挙せよ。

(3)             (2)で挙げた項目から、あなたが重要と考えるものを3つ選び、解決する為の具体的な技術的提案とそれに対する効果・留意点などを述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/5/22 専門事項 ビル電気設備

1. ZEBの概要

快適な室内環境を保ちながら高断熱化・自然エネルギー利用・5設備(空調、換気、照明、給湯、昇降機)の高効率化と高度制御で省エネに努め、省・創エネでエネルギー消費量を大幅に削減し、年間エネルギー収支が0になる建築物である。

2. ZEB化実現に向け検討すべき項目

(1)高効率な設備導入による省エネ:高効率LEDや高効率空調機器導入、照明の調光制御により省エネ化を図る。

(2)エネルギーの創出・蓄電:太陽光発電やリチウムイオン蓄電池、コージェネレーション設備導入により、蓄電、ピークカット・ピークシフトを行う。

(3)センシング技術の導入:人感センサやタイマーを用いて空調・照明の細かな制御を行い、快適、省エネを両立する。

(4)熱負荷の抑制:空調エネルギー消費量を削減する為、室内外の温度差や日射による熱損失・熱取得の低減を図る。

(5)BEMSの導入:電力量の見える化でエネルギー使用を抑制し、エネルギーマネージメントにより効率化を図る。

3.重要と考える項目

電気設備技術者の観点から高効率な設備導入、エネルギー創出・蓄電、BEMS導入の3点を重要項目とし、技術的提案・効果・留意点を述べる。

3.1.燃料電池コージェネレーションの設置:燃料電池ユニットで発電した電力をビル用電源として利用し、発電時の排熱を給湯等に利用する事で省エネを図る。

効果: 廃熱利用により総合効率を80%以上に出来、非常電源として活用可能できる。更にSOX.NOXの排出が殆ど無い。

留意点:停電時に非常モードへの移行を迅速に行う為早期に停電検出する必要がある。系統連系保護リレーとは別に高速停電検出リレーを主幹線に設置する。

3.2太陽電池一体型ルーバーの採用:太陽光発電パネルをルーバーに設置し、発電電力をビル給電に利用する。余剰電力は水素生成・貯蔵に活用し不足電力を貯蔵水素から燃料電池発電で補完し省エネを図る。

効果:電力ピークカット、既存設備有効利用、非常電源、系統安定化に繋がる。

留意点: 設置角度によっては標準架台型に比べ発電量が低下する可能性がある為、太陽光自動追尾システムを導入し発電効率を上げる。

3.3.BEMSを活用した自動制御デマンドレスポンス(ADR):ビルのBEMSとアグリゲーションセンターをネットワーク接続し、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)からの削減要請の電力量と時間帯を通知しADRを実施する。

効果:需要家は見える化による節電が可能になり、節電による対価を得られる。

留意点:ネットワーク回線から不正侵入された際、需要家情報を漏洩させるリスクがある。スマートメーターとBEMSコントローラの1対1接続を確保する。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/5/30 専門事項 ビル電気設備

ZEBの概要

快適な室内環境を保ちながら高断熱化・自然エネルギー利用・5設備(空調、換気、照明、給湯、昇降機)の高効率化と高度制御で省エネに努め、省・創エネでエネルギー消費量を大幅に削減し、年間エネルギー収支が0になる建築物である。

ZEB化実現に向け検討すべき項目

(1)高効率な設備導入による省エネ:高効率LEDや高効率空調機器導入、照明の調光制御により省エネ化を図る。

(2)エネルギーの創出・蓄電:太陽光発電やリチウムイオン蓄電池、コージェネレーション設備導入により蓄電、ピークカット・ピークシフトを行う。

(3)センシング技術の導入:人感センサやタイマーを用いて空調・照明の細かな制御を行い、快適、省エネを両立する。

(4)熱負荷の抑制:空調エネルギー消費量を削減する為、室内外の温度差や日射による熱損失・熱取得の低減を図る。

(5)BEMSの導入:電力量の見える化でエネルギー使用を抑制し、エネルギーマネージメントにより効率化を図る。

3.重要と考える項目

電気設備技術者の観点から高効率な設備導入、エネルギー創出・蓄電、BEMS導入の3点を重要項目とし、技術的提案・効果・留意点を述べる。

3.1.調光人感制御付LED照明導入と自然光の利用:赤外線方式による人感センサーを天井に取り付け、人の動きを検知し照明制御を行う。更に調光機能により光や人工照明の照度を検知し適正制御を行う。

効果:照明制御により年間消費電力を50%以上削減可能である。

留意点:赤外線方式は微妙な変化を検出できない事がある為、微妙な動きの検出を求められる場合は画像検出方式により人感検出を行う。

3.2. 太陽電池用・蓄電池用PCSの機能一体化:太陽光電池とリチウムイオン電池のPCSを一体化させ出力安定化と充電時間短縮を図る。昼間は太陽光発電で創出した電力を活用し、夜間に蓄電池充電した電力を日中の電力ピーク時に放電し電気使用量を削減する。

効果:電力ピークカットによる節電、非常電源としての活用、系統安定化に繋がる。

留意点:太陽光発電から系統への逆潮流増大に伴い配電電圧の調整が困難になる恐れがある為、静止型無効電力補償装置を系統に設置し、無効電力を補償し電圧変動を最小化する。

3.3.BEMSを活用したデマンドレスポンス(DR):ビルのBEMSとアグリゲーションセンターをネットワーク接続し、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)からの削減要請の電力量と時間帯をビル通知し、ビル管理者はDRを実施する。

効果:見える化による節電が可能になり、節電によるインセンティブ(対価)を得られる。更に電力会社はピーク需要の為に用意していた発電機の建設・維持管理コストを削減出来る。

留意点:需要家側の飽きにより需要削減効果が薄れる可能性がある。本対策として、自動制御デマンドレスポンス(ADR)を採用し、自動で空調・照明の制御を行う。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/6/7 専門事項 ビル電気設備

1.ZEBの概要

エネルギーを自給自足し、化石燃料などから得られるエネルギー消費量がゼロ、あるいは概ねゼロとなる建築物の事である。建築構造や設備の省エネルギー化、再生可能エネルギー・未利用エネルギーの活用、地域内でのエネルギーの相互利用を組み合わせてエネルギー自立度を高める。

2.検討すべき項目

(1)高効率な設備導入による省エネ

高効率LEDやタスクアンビエント照明導入、照明の調光制御、高効率空調機器導入により省エネ化を図る。

(2)エネルギーの創出・蓄電

太陽光発電やリチウムイオン蓄電池、コージェネレーション設備導入により、創電、蓄電、ピークカット・ピークシフトを行う。

(3)センシング技術の導入

人感センサーやタイマーを用いて空調・照明の細かな制御を行い、快適、省エネを両立する。

(4)入退出管理システムと設備連動

入退管理システムと設備を連携させ、入退室ログから空調・照明等の一律制御を行う。

(5)BEMSの導入

電力量の見える化によりエネルギー使用を抑制し、エネルギーマネージメントにより効率化を図る。

3.重要と考える項目

3.1. 高効率な設備導入による省エネ

①調光人感制御付LED照明導入

LED照明の調光機能により光や人工照明の照度を検知し適正制御を行う。更に赤外線方式による人感センサーを内蔵し、人の動きを検知し照明制御する。

②自然採光の利用

光ダクトシステムによる自然光採光でトップライトの採光部から自然光を室内に取り入れ、高反射の鏡面を用いて室内に光を導く。

効果:照明制御と自然光利用により年間消費電力を年間50%以上削減可能である。更に使用場所に応じた明かりの演出が可能である。

留意点:赤外線方式では検出できない微妙な動きの検知が求められる場合は、画像検出方式により人感検出を行う。更に光ダクトは直射光の投影先のみ高照度になり室内に強いコントラストが発生する可能性がある為、拡散性のある素材を使用する。

3.2. エネルギーの創出・蓄電

①太陽電池用・蓄電池用PCSの機能一体化

太陽光電池とリチウムイオン電池のPCSを一体化させ、出力の安定化と充電時間の短縮を図る。

②蓄電電力の活用

昼間は太陽光発電で創出した電力を活用し、夜間に蓄電池充電した電力を日中の電力ピーク時に放電する事で電気使用量を削減する。

効果:電力ピークカットによる節電、系統安定化に繋がり、非常電源としての活用が出来る。更にエネルギーの有効活用により、発電所設備の利用率向上に繋がり電気料金の引き下げが期待できる。

留意点:太陽光発電から系統への逆潮流増大に伴い配電電圧の調整が困難になる恐れがある為、静止型無効電力補償装置(SVC)を系統に設置し、無効電力を補償し電圧変動を最小化する。更にリチウムイオン電池は高温で環境下では発火の恐れがある為、高温状態になると運転停止をさせる制御装置を内蔵する。

3.3. BEMSの導入

BEMSを活用したデマンドレスポンス(DR)

ビルのBEMSとアグリゲーションセンターをネットワーク接続し、地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)からの削減要請の電力量と時間帯をビル通知し、需要家はDRを実施する。

効果:需要家は見える化による節電が可能になり、節電によるインセンティブ(対価)を得られる。

更に電力会社はピーク需要の為に用意していた発電機の建設コストや維持管理コストを削減出来る。

留意点:需要家側の飽きにより需要削減効果が薄れる可能性がある。本対策として、自動制御デマンドレスポンス(ADR)を採用し、自動で空調及び照明の制御を行う。

H29年 電気・電気設備 Ⅲ−2 問題 模範解答と解説

問題文   

1980年代に建設されたインテリジェントビルは,すでに耐用年数が経過し老朽化が進んでおり,リニューアルの必要性が指摘されている。さらに災害に対するBCP(事業継続計画)対策や一層の情報通信システムの高度化に対する信頼性向上への要求が高まっている。

このような状況を踏まえた大規模オフィスビルにおいて,キュービクル受変電設備を運用しながら全面リニューアルを実施する際、電気設備の技術者として以下の問いに答えよ。

(1)キュービクル式受変電設備の全面リニューアルを実施計画するに当たり,手順の概要を述べよ。

(2)(1)で挙げた手順の中からあなたが重要と考える検討項目を3つ挙げ,課題と具体的な技術的提案(対策)を述べよ。

(3)上記であなたが述べる対策により,期待する効果・留意点などを述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 8回  完成日2018/4/28 専門事項 ビル電気設備

1.キュービクル式受変電設備のリニューアル手順の概要

運用しながら情報通信の信頼性向上やBCPを考慮した1980年代受変電設備のリニューアル手順を以下に示す。

(1)リスクの抽出:①停電、②通信障害・データ保護、③運用しながら施工

(2)リスク対策:①停電対策:受電方式(線数・常予比較)、常発(太陽光、コジェネ)、非発(搭載型、可搬式)、UPS、電路二重化、保守時の機能維持、電力用SPD、保護協調、保護範囲、耐震化 ②通信障害・データ保護:EMC対策、パッシブフィルタ、アクティブフィルタ、機能接地抵抗低減、通信用SPD、異種電圧電路セパレート、無線化、レンタルサーバ、クラウド化 ③運用しながら施工:無人時夜間工事、テナント側に及ばない工事範囲、機能停止可能なら撤去後新設、低騒音機器、仮設(受変電・配線・サーバ・監視モニタ・発電機・蓄電池・通信)

(3)施工手順:受電点からの施工(無駄がない)、消防用専用電源の優先、スペースを作りながらの更新、機能を確保しながらの更新

2.重要と考える課題3つと対策

(1)停電対策

課題:受電点からテナントまでの電源系統を完全二重化は高い。導入効果の向上

対策:太陽光発電併用蓄電システム(ピークカット可能)、コージェネ(電気と熱が得られる)

(2)通信障害・データ保護

課題:昼間に使用電力や通信量が多く、電圧降下や通信速度低下・高調波が生じる。

対策:昇圧TR(Δ結線で高調波抑制)、個別電圧補償蓄電システムによるテナント内使用電力平準化、個別接地、個別アンテナ、クラウド化、個別耐量コンデンサ、光ケーブルと無線の併用化と利便差別

(3)運用しながら施工

課題:テナントの業務環境を良好に保つために、テナント側の工事範囲・回数抑制。

対策:仮設受変電設備の仕様は、受電部と変圧部までとし、配電部は本設として計画し、切り替え回数やテナント側の工事範囲を少なくする。

3.効果及び留意点

効果:蓄電システムによりデマンドレスポンス対応、所内電力ZEB化

留意点:受電部蓄電池とテナント側蓄電池群の分散化によりテナント内電力安定

解答の全内容を指定行数以内で表すようにしてください。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/6/6 専門事項 ビル電気設備

1.キュービクル式受変電設備のリニューアル手順の概要

①仮設受変電設備で受電および既存非常用発電や2次側配電を行う。切替えにおいてはテナント休業日、夜間とする。

②既設受変電設備を撤去し、新規の受変電設備を設置する。受変電設備の機能は停電対策として1次側、2次側ともに2系統、創エネ系統連系用保護リレー、高効率tr、耐量コンデンサ(直列リアクトル付)を備える。

③UPSや創エネ設備の設置、受変電設備に接続する。

④接地、電力SPD、通信SPDなど保護レベルに合わせて雷害対策装置を設置する。接地抵抗値を下げ、個別接地として通信機器の接地極は他の接地極から離す。

⑤2次側配線は制御線、通信線、アナログ線などと同一開口とならないように施工する。ピット内など異種電圧が混合する場合は、セパレートを設けておく。

⑥仮設受変電設備から新受変電設備にテナント配電を切り替える。

2.重要と考える課題3つと対策

(1)停電対策

課題:受電点からテナントまでの電源系統を完全二重化は費用が高い。導入効果の向上

対策:太陽光発電併用蓄電システム(ピークカット可能)、コージェネ(電気と熱が得られる)

(2)通信障害・データ保護

課題:昼間に使用電力や通信量が多く、電圧降下や通信速度低下・高調波が生じる。

対策:昇圧TR(Δ結線で高調波抑制)、個別接地、個別アンテナ、クラウド化、個別耐量コンデンサ、光ケーブルと無線の併用化と利便差別

(3)運用しながら施工

課題:テナントの業務環境を良好に保つために、テナント側の工事範囲・回数抑制。

対策:仮設受変電設備の仕様は、受電部と変圧部までとし、配電部は本設として計画し、切り替え回数やテナント側の工事範囲を少なくする。

3.効果及び留意点

(1)停電対策

効果:太陽光発電併用蓄電システムによりデマンドレスポンス対応、所内電力ZEB化

留意点:受電部蓄電システムに加え、テナント側蓄電池群の分散化により、テナント単位のZEB化

(2)通信障害・データ保護

効果:情報量の多いサーバなどは光通信とし、loT、テレビ会議など無線通信により業務の効率化

留意点:無線化の利便性は高いが、重要情報は有線回線を利用しセキュリティを強化する。

(3)運用しながら施工

効果:テナントへの工事範囲を抑えることにより、工事費低減、テナントの作業環境確保

留意点:更新後のケーブル長短⇒絶縁性能確保⇒既設利用⇒工事範囲・工事費・テナント負担軽減

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/6/10 専門事項 ビル電気設備

1.キュービクル受変電設備のリニューアル手順概要

①仮設を用いて受変電し、2次側配電と非常用電源との接続を行う。2次側配電においてはテナント休業日、夜間とする。

②既設受変電設備を撤去し、新規受変電設備を設置する。新規受変電設備の機能は、停電対策として1次側2系統化、主要幹線2次側を2系統化、創エネルギーの系統連系用保護リレー、高効率変圧器、耐量コンデンサ(直列リアクトル付)を備える。

③UPSや創エネエネルギー設備の設置、受変電設備に接続する。

④接地、電力SPD、通信SPDなど保護レベルに合わせて雷害対策装置を設置する。接地抵抗値を下げ、個別接地として通信機器の接地極は他の接地極から離す。

⑤2次側配線は制御線、通信線、アナログ線などと同一開口とならないように施工する。ピット内など異種電圧が混合する場合は、セパレートを設けておく。

⑥仮設受変電設備から新受変電設備にテナント配電を切り替える。

2.重要と考える課題3つと対策

(1)停電対策

課題:停電対策として、電源系統を受電点から二次側テナントまでを完全二重化することなど、費用面において負担が大きいため、導入効果を高める必要がある。対策:二次側配線の2系統化は、UPS幹線や建屋間幹線など主要幹線、電源の信頼性を求める顧客などに制限する。太陽光発電併用蓄電システムを設置し、所内電力の有効活用により停電対策を行う。コージェネシステムを設置し、常時発電を行うと共に排熱を利用して空調設備のエネルギー源とする。

(2)電源電圧降下、通信障害・データ保護

課題:昼間に使用電力や通信量が多く、電源電圧降下や通信速度低下・高調波が生じる。

対策:電圧降下対策として、テナント側に昇圧変圧器を設置して改善する。通信障害・データ保護として、昇圧変圧器等をΔ結線にして高調波の1次側流出を抑える。2次側のテナント側は、高調波発生機器を単独接地し、抵抗を下げる。高調波対策としてパッシブやアクティブフィルタを設置して高調波を抑える。光ケーブルと無線を併用し、利便性に合わせて使い分けて一定の通信速度を確保する。

(3)運用しながら施工

課題:テナントの業務環境を良好に保つために、テナント側の工事範囲や回数を抑える。

対策:仮設受変電設備の仕様は、受電部と変圧部までとし、配電部は本設として計画する。配電部からテナントまでの工事回数は抑えられ、仮設から本設に切替える範囲も抑えられる。

3.効果及び留意点

(1)停電対策

効果:太陽光発電併用蓄電システムによりデマンドレスポンスの対応が可能となり、電力会社からのインセンティブ報酬を受けることができる。ピークカット運転を行い、契約電力の低減し電気料金を抑える。

留意点:受電部蓄電システムに加え、テナント側蓄電池群の分散化により、テナント単位の電力安定化が高まる。

(2)電源電圧降下、通信障害・データ保護

効果:情報量の多いサーバなどは光通信とすることにより電磁障害や雷害が抑えられる。通信網の充実によりloT化へ移行でき、テレビ会議など業務の効率化が高まる。

留意点:無線化の利便性は高いが、重要情報は有線回線を利用しセキュリティを強化する。

(3)運用しながら施工

効果:テナントへの工事範囲を抑えることにより、工事費が低減できる。テナント側での工事回数や範囲をへるため、作業環境確保だけではなく従業員の安全性やサーバなどの重要機器へ損害をあたえるリスクを抑えられる。

留意点:機能停止が可能であれば、既設を撤去して新設することで仮設費や施工期間の短縮となる。絶縁性能が確保していれば、ケーブルを既設利用でき、工事範囲や工事費、テナント負担の軽減となる。

H29年 電気・発送配変電 Ⅱ−1−1 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ-1-1 

 直流送電設備のうち、日本国内で適用されている周波数変換設備を構成する主な設備要素を挙げ、それぞれ説明せよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/4/29 専門事項 送電線設計

1)バルブ

 6台を三相ブリッジ接続し、順変換器または逆変換器として交直変換を行う。 

2)変換器用変圧 

 交直変換器に適用される変圧器であり、一般の電力用変圧器同様、電圧及び電流を変成する。他励式変換器に適用される変圧器はリプルの少ない変換を行うため、通常、Y-YY-Δ決戦を組み合わせ、また電圧調整のためにタップ切替器が取り付けられる。 

3)直流リアクトル 

 直流電流脈動分の平滑化、軽負荷時の直流電流断続防止、直流回路事故時の電圧上昇率の抑制などのために設置される。 

4)交流フィルタ 

 13次以下の提示高調波に対する各次数ごとの単一同調フィルタと15次以上の高次高調波用のハイパスフィルタとの組み合わせや複同調形フィルタが用いられる。 

5)直流フィルタ 

 交流側の高調波と異なり直流側には電圧高調波が発生し、直流フィルタと直流リアクトルの組み合わせにより、直流系統へ流出する高調波が抑制される。 

これらの答案について、ご質問、ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。ご質問にはお答えいたします。

1) バルブ 

 6台を三相ブリッジ接続し、順変換器または逆変換器として交直変換を行う。 

2) 変換器用変圧 

 交直変換器に適用される変圧器であり、一般の電力用変圧器同様、電圧及び電流を変成する。他励式変換器に適用される変圧器はリプルの少ない変換を行うため、通常、Y-YY-Δ決戦を組み合わせ、また電圧調整のためにタップ切替器が取り付けられる。 

3) 直流リアクトル 

 直流電流脈動分の平滑化、軽負荷時の直流電流断続防止、直流回路事故時の電圧上昇率の抑制などのために設置される。 

4) 交流フィルタ 

 13次以下の提示高調波に対する各次数ごとの単一同調フィルタと15次以上の高次高調波用のハイパスフィルタとの組み合わせや複同調形フィルタが用いられる。 

5) 直流フィルタ 

 交流側の高調波と異なり直流側には電圧高調波が発生し、直流フィルタと直流リアクトルの組み合わせにより、直流系統へ流出する高調波が抑制される。 

セラミックス及び無機化学製品 

有機化学製品 

燃料及び潤滑油 

高分子製品

化学装置及び設備

選択科目Ⅱ・Ⅲ(1枚)チェックシート(2018過去問)

.記入者    黒羽子 強平

作成日    2018/4/29

課題№   H29 11

修正履歴 2回目

部門     電気電子

選択科目  発送配変電

Ⅱ−1−1 直流送電設備のうち、日本国内で適用されている周波数変換設備を構成する主な設備要素を挙げ、それぞれ説明せよ。

1)バルブ

6台を三相ブリッジ接続し、バルブのスイッチング動作により、順変換器または逆変換器として交直変換を行う。

2)変換器用変圧器

交直変換器に適用される変圧器であり、一般の電力用変圧器同様、電圧及び電流を変成する。他励式変換器に適用される変圧器はリプルの少ない変換を行うため、通常、Y-YY-Δ決戦を組み合わせ、また電圧調整のためにタップ切替器が取り付けられる。

3)直流リアクトル

 直流電流脈動分の平滑化、軽負荷時の直流電流断続防止、直流回路事故時の電圧上昇率の抑制などのために設置される。

4)交流フィルタ

 13次以下の提示高調波に対する各次数ごとの単一同調フィルタと15次以上の高次高調波用のハイパスフィルタとの組み合わせや複同調形フィルタが用いられる。

5)直流フィルタ

 交流側の高調波と異なり直流側には電圧高調波が発生し、直流フィルタと直流リアクトルの組み合わせにより、直流系統へ流出する高調波が抑制される。

.記入者    黒羽子 強平

作成日    2018/5/2

課題№   H29 11

修正履歴 1回目

部門     電気電子

選択科目  発送配変電

Ⅱ−1−1 直流送電設備のうち、日本国内で適用されている周波数変換設備を構成する主な設備要素を挙げ、それぞれ説明せよ。

1)バルブ

 6台を三相ブリッジ接続し、バルブのスイッチング動作により、順変換器または逆変換器として交直変換を行う。

2)変換用変圧器

 交直変換器に適用される変圧器であり、一般の電力用変圧器同様、電圧及び電流を変成する。他励式変換器に適用される変圧器はリプルの少ない変換を行うため、通常、Y-YY-Δ決戦を組み合わせ、また電圧調整のためにタップ切替器が取り付けられる。

3)直流リアクトル

 主に磁気シールド付き空心リアクトルやギャップ付きリアクトルが用いられる。直流電流脈動分の平滑化、軽負荷時の直流電流断続防止、直流回路事故時の電圧上昇率の抑制などのために設置される。

4)交流フィルタ

 13次以下の提示高調波に対する各次数ごとの単一同調フィルタと15次以上の高次高調波用のハイパスフィルタとの組み合わせや複同調形フィルタが用いられる。

5)直流フィルタ

 交流側の高調波と異なり直流側には電圧高調波が発生し、直流フィルタと直流リアクトルの組み合わせにより、直流系統へ流出する高調波が抑制される。

H29年 電気・発送配変電 Ⅱ−1−2 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ-1-2 

 太陽光発電等気象条件で出力が変動する電源の大量導入に伴う電力系統上の課題を2つ挙げ、その概要を説明し、各々の対策を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/5/12 専門事項 送電線設計

1. 逆潮流による電圧上昇問題

1)概要:太陽光等の発電からの逆潮流により、需要家受電点の電圧が上昇し適正範囲の上限を逸脱する可能性があるため、電圧上昇抑制対策が必要となる。

2)対策:

パワーコンディショナー(PCS)による電圧上昇抑制。PCSから進相の無効電力を連系点に注入し、連系点電圧の上昇を抑制する。

2.余剰電力の問題

1)概要:太陽光発電が大量導入されると、中間期の休日等を中心に、太陽光発電出力に起因して、系統全体で供給電力が需要を上回り余剰電力が発生する。供給電力が需要を上回ると、系統周波数の上昇を招く。

2)対策:

①PCSへのカレンダ機能適用

カレンダ機能をPCSに装備し、月日に応じて自動的に最大出力を制限することで、余剰電力発生を防ぐ。

②ヒートポンプ式給湯器の活用

需要家単位で余剰電力をヒートポンプ式給湯器により温水として蓄える。

これらの答案について、ご質問、ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。ご質問にはお答えいたします。

H29年 電気・発送配変電 Ⅱ−2−1 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ-2-1 

  あなたが、海外のA国(発展途上国)における揚水発電所新設工事プロジェクトマネージャーになったとして、下記の内容について記述せよ。

(1)   業務の計画を立案するに当たって調査、検討すべき内容

(2)   業務を進める手順

(3)   留意すべき事項

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/2/28 専門事項 送電線設計

1.調査、検討すべき内容

1)需要及び供給計画の調査

2)気象・水文調査と地形・地質調査                           

2.業務を進める手順

1)発電計画の策定     

2)土木構造物、電気設備の設計 

3)施工計画および工事工程 

4)環境影響評価

5)経済評価及び財務評価

3.業務を進める際に留意すべき事項

1)需要不足による開発規模

2)環境社会配慮

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 3回  完成日2018/2/28 専門事項 送電線設計

1. 調査、検討すべき内容

1)需要及び供給計画の調査

A国の需要予測を行い、需要と供給のバランスを検討する。この予測を基に電力供給計画を策定する。供給力に不足が見込まれ、適正な供給予備力を確保できない場合に、新規揚水発電の開発が必要となる。需要動向を見極め、開発時期を検討する。

2)気象・水文調査及び地形・地質調査

気象、流量、供水量、堆砂量、地形、地質などの気象・水文データを測定する。衛星画像や航空写真から地形データを入手して地形図を作成する。地表調査及び調査杭による地質調査や地震荷重評価などの地形・地質調査を実施する。

2.業務を進める手順

1)発電計画の策定     

建設サイトの地形・地質調査などを考慮して、上部調整池、下部調整池及び発電所のレイアウトを決定する。環境影響表を確認の上、揚水発電所の運用計画を基に発電規模の経済性を比較し、最適発電規模及び発電計画を策定する。 

2)土木構造物、電気設備の設計 

 発電計画の諸元及びレイアウトに基づいて、揚水発電所の土木構造物及び電気設備の設計をおこなう。 

3)施工計画及び工事工程

技術レベルで妥当な計画とする。                         

4)環境影響評価

物理環境評価、自然環境評価、社会環境評価を実施し、評価表を策定する。

5)経済評価及び財務評価

 プロジェクトの経済的な妥当性を分析・評価する。採算性を評価する。

3.業務を進める際に留意すべき事項

1)需要不足による開発規模

全設備を運用できない場合は、部分的な開発を検討。

2)環境社会配慮

影響を回避又は最小化する軽減措置を比較検討し、最適な対策を立案。法律・基準の順守。

これらの答案について、ご質問、ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。ご質問にはお答えいたします。

H29年 電気・発送配変電 Ⅲ−1 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅲ-1 

 経済産業省が示した長期エネルギー需給見通しでは、2030年度の我が国の電力の需給構造として再生可能エネルギーによる電力供給を22〜24%、原子力発電による電力供給を20〜24%、火力発電については、可能な限り依存度を低減することを見込むとしている。このような背景を踏まえ、電力の安定供給について以下の問いに答えよ。

(1)   長期エネルギー需給見通しで示している電源構成を実現する上で、電力の安定供給を維持するために検討しなければならない課題を2つ挙げ、説明せよ。

(2)   あなたが挙げた2つの課題から1つを選び、それを解決するための技術的提案を具体的に示せ。

(3)   あなたの提案により生じうるリスクについて説明し、その対処方法を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/6/3 専門事項 送電線設計

1. 再生可能エネルギーの普及への課題

1)コスト低減

高い買い取り価格が高コストの要因になっているため、FITの抜本見直しが必要である。

2)調整力確保

再生可能エネルギーは天候などの条件によって出力が変わり、発電量が少ない時に補うための調整電源が必要となる。新しい調整力として蓄電池が期待される。

3)送配電の制約

再生可能エネルギーが大量導入されると、送配電網の容量が超え、停電のリスクが高まる。送配電網の増強が必要となる。

2.調整力確保に対する技術的提案         

新しい調整力として期待されるのが蓄電池。中でもレドックスフロー電池は、原理が簡単で、容量はタンクの大きさで変えられるため、大規模な電力貯蔵が可能であり注目されている。 これが真の理由ではないでしょう。

3.レドックスフロー電池の導入におけるリスク及び対処方法

1)リスク

電解液を循環させるための付帯設備が必要  

②充電効率が低い これらはあらかじめわかっていることで、リスクとは呼びません。

2)対処方法

極に金属リチウムを使うことで、これまでのレドックスフロー電池より電圧が約3倍高くなる。さらに、負極側に液体活物質を使わないため、負極側の電解液貯蔵タンクの必要がなくスペースの節約ができ、エネルギー密度が向上する。

このようなスペシャルな提案ではなく、レドックスフロー電池本来の標準的な使い方で対処する方法を提案してください。ここまで変えたらレドックスフロー電池でなくなってしまいます。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/6/8 専門事項 送電線設計

1. 

再生可能エネルギーの普及への課題

1)コスト低減

経産省によると、太陽光の発電コストはドイツが1kWhあたり9円なのに対し、我が国は24円。風力は10円に対し、21円である。日本は固定価格買い取り制度(FIT)を導入しており、コストは電力料金に上乗せされる。高い買い取り価格が高コストの要因になっているため、FITの抜本見直しが必要である。

2)調整力確保

再生可能エネルギーは天候などの条件によって出力が変わり、発電量が少ない時に補うための調整電源が必要となる。火力発電が主にその役割を担っている。それでも再生可能エネルギーが大量に導入されると、火力発電の稼働率は下がり、保有する電力会社の収益が悪化する。火力発電は二酸化炭素の排出が多いというデメリットもある。そのため、新しい調整力として蓄電池が期待される。

3) 送配電の制約

再生可能エネルギーが大量導入されると、送配電網の容量が超え、停電のリスクが高まる。送配電網の増強が必要となる。

2.調整力確保に対する技術的提案        

新しい調整力として期待されるのが蓄電池。中でもレドックスフロー電池は、原理が簡単で、容量はタンクの大きさで変えられるため、大規模な電力貯蔵が可能であり注目されている。

3.レドックスフロー電池の導入におけるリスク及び対処方法

1)リスク

①電解液を循環させるための付帯設備が必要 

②充電効率が低い

2) 対処方法

負極に金属リチウムを使うことで、これまでのレドックスフロー電池より電圧が約3倍高くなる。さらに、負極側に液体活物質を使わないため、負極側の電解液貯蔵タンクの必要がなくスペースの節約ができ、エネルギー密度が向上する。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 4回  完成日2018/7/4 専門事項 送電線設計

1. 電力安定供給を維持するための検討課題

1)再生可能エネルギーの大量導入

エネルギー自給率の向上と環境性に優れている再生可能エネルギーの導入は、出力変動問題や地域偏在問題など技術的な課題を克服する必要である。出力変動に対する電圧や周波数の維持には、揚水発電所などの大規模な調整電源の計画的な新増設ができる環境整備が喫緊の課題である。地域偏在による送電容量不足の解消には、直流送電を含めた送変電設備の整備、増強対策の検討が必要となる。さらに、再生可能エネルギーのうち、出力が天候に左右されない安定的な電源の導入・拡大のための技術開発を推進する必要がある。

2)火力発電所の新増設

 既設の原子力発電所の再稼働が容易にできない現状を踏まえると、火力発電所の新増設が不可欠となる。火力発電以外に大容量ベース電源はなく、供給予備力の面からも火力発電の役割は重要である。

 しかし、火力発電は環境負荷であるCO2排出による地球温暖化対策に課題がある。このため、CO2排出削減目標を達成するため、長期的な視点で高効率火力発電の開発など、新しい次世代火力発電技術を確立する必要がある。

2.火力発電所新増設のための技術的提案

1)次世代火力発電技術の開発    

次世代火力発電技術は、その技術が必要な時期に利用できることが重要であり、開発スケジュールをより具体化し、加速することが必要である。主な技術は石炭火力やLNG火力の高効率化技術とCCUS(CO2回収・利用・貯留)などである。火力発電所の熱効率は、蒸気の高温・高圧化、耐熱材料の開発及び熱の再利用技術によって、飛躍的に向上している。しかし、将来に亘る安定供給を維持していくには、さらなる火力発電の高効率化技術の開発が必須となる。

2)次世代超々臨界圧発電(A-USC)

 蒸気温度を700℃以上とすることで、超々臨界圧発電を上回る熱効率の向上を図る。石炭消費量を削減できるため燃料費削減とCO2削減が可能となる。

3)石炭ガス化複合発電(IGCC)

IGCCは石炭をガス化する技術とガスタービン複合発電を組合わせ高効率化する。エネルギーセキュリティーと地球温暖化対策の両立を図ることができる。

4)トリプルコンバインドサイクル発電

 天然ガスを燃料とするガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を組み合わせ、化石燃料を3段階カスケード利用する。極めて高い発電効率の実現を可能とする。

 (3)リスクと対処方法

 1)リスク

 余剰電力対策などに必要な供給予備力を確保するには大規模な火力電源の新増設が不可欠である。しかし、この火力電源は稼働率が低くなり、売電収入による発電コストの改修が困難となる。単に供給と需要を電力市場に委ねるだけでは、安定供給に必要な電力供給量を確保することができなくなるリスクが生じる。卸電力市場はkWh市場であるので、そのkWh価値では、電源投資を回収することが困難となるミッシングマネーの問題が発生する。これは、既設火力発電設備の固定費の未回収や新規火力電源投資への回避など、大容量火力発電所の新増設が困難になり、電力の安定供給を阻害する。3文が同じような説明の繰り返しで冗長です

2)対処方法

電源の供給力の確保と電力需給見通しを達成するには、発電設備の投資回収の確実性を高める容量メカニズム制度を導入する。容量メカニズムは、供給力としてのkW価値のみを評価し、実際の発電とは無関係に対価を支払う仕組みである。安定供給のためのkW価値を評価することで、ミッシングマネー問題を解消、緩和できる。

これにより、安定供給上必要な既存の火力電源の不採算での撤退防止や投資回収の予見性を高め、新規の火力電源投資を促進できる。日本国内での中長期的な供給力確保を確実に実現することが可能になる。

これらの答案について、ご質問、ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。ご質問にはお答えいたします。

H29年 電気・情報通信 Ⅱ−1−1 問題 模範解答と解説

問題文

2020年頃から商用展開が予定されている第5世代移動通信(5G)は、ITU-R勧告(M.2083-0)「IMT Vision」に示されているように、大きく3つの利用シナリオが想定されている。それら3つの利用シナリオそれぞれの概要を記述し、それから総合的に導きだされた5Gへの主な要求条件を5項目挙げよ。

模範解答1 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.2.2   専門事項 交通運行無線

1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細ディスプレイ、VR、AR向け大量トラフィックに対応する。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマートホーム、スマート工場といった多数のIoTデバイスの接続に対応する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といったリアルタイム性を要する通信に対応する。

2.5Gへの主な要求条件

 1)最大伝送速度

  大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 は10Gbpsである。

 2)接続数

  大量の接続を収容するため、100万接続/km2である。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間は1 msec程度である。

4)低消費電力

 基地局を大量に設置するため、数W程度とWi-Fi並みとする。

5)対応移動速度

 高速鉄道等の移動体でも利用可能な移動速度500km/h対応とする。

模範解答1 (簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.2.4  専門事項 交通運行無線

1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細映像ストリーミング、自由視点映像、VR、AR向け大量トラフィックに対応する。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマートホーム、スマート工場といったM2M通信を行う多数のIoTデバイスの接続に対応する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といった、ミッションクリティカルでリアルタイム性を要する通信に対応する。

2.5Gへの主な要求条件

1)最大伝送速度

 大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 はLTEの100倍以上で10Gbpsとする。

2)接続数

 大量の端末やセンサの接続を収容するため、接続数はLTEの100倍で100万接続/km2とする。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間はLTEの1/10以下で1 msec程度とする。

4)低消費電力

 IoTデバイスの省メンテナンス化のため、電池寿命は10年以上とする。

5)対応移動速度

 高速鉄道等の移動体でも利用可能とするため、移動速度500km/h対応とする。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.7   専門事項 交通運行無線

1.5Gの3つの利用シナリオ

1)モバイルブロードバンドの高度化

 超高詳細映像ストリーミング、自由視点映像、VR、AR向けの大量トラフィック伝送を可能とする。

2)超大量接続

 スマートシティ、スマート工場といったM2M通信を行う多数のIoTデバイス接続を収容する。

3)超高信頼低遅延通信

 遠隔医療・自動運転支援といった、ミッションクリティカルでリアルタイム性を要する通信を実現する。

2.5Gへの主な要求条件

1)最大伝送速度

 大量トラフィックを処理するため、最大伝送速度 はLTEの100倍以上で10Gbpsが要求される。

2)接続数

 大量のIoTデバイスの接続を収容するため、接続数はLTEの100倍で100万接続/km2が求められる。

3)遅延時間

 リアルタイム性を維持するため、遅延時間はLTEの1/10以下で1 msec程度が必須である。

4)低消費電力

 IoTデバイスの省メンテナンス化のため、電池寿命は10年以上が求められる。

5)対応移動速度

 高速移動体利用のため、500km/h対応が要求される。

H29年 電気・情報通信 Ⅱ−1−3 問題 模範解答と解説

問題文

 幹線系光伝送システムで広く使われているデジタルコヒーレント光通信方式について、その方式の概要を述べよ。さらに従来方式(強度変調−直接検波方式)と比較して主な利点を3つ挙げ、その内容を説明せよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 7回  完成日2018/3/29 専門事項 通信システム

1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は光ファイバで、波長分割多重して同時に複数の光信号を伝送する。この受信情報の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである。ここでコヒーレントとは複数波の関係で振幅と位相の間の状態にずれが無く互いに干渉が可能であることを意味することである。(光波は振幅、位相が安定でない場合があり、これがずれるとコヒーレントで無くなる。)この性質を利用して複数の通信波を1つの光ファイバで多重化する。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかったが、本利点ではS/Nの改善ができ、伝送距離が従来100kmのところ1000kmの長距離通信が可能。

b)波形等化技術

 信号処理で波形等化が可能である事から光増幅中継の構成が大幅に簡素化可能。

c)高信頼偏波多重分離

従来の波長多重による周波数利用効率が向上し40Gbpsの伝送速度が100Gbpsに向上できる。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/4/5 専門事項 通信システム

1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は光ファイバで、波長分割多重して同時に複数の光信号を伝送する。この受信情報の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである。

ここでコヒーレントとは複数波の関係で振幅と位相の間の状態にずれが無く互いに干渉が可能であることであり、この複数波が共存する性質を利用して1つの光ファイバで多重化する。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかった。

本利点では光信号に変復調しデジタル処理する事でS/Nの改善ができ、伝送距離が従来100kmのところ1000kmの長距離通信が可能。

b)波形等化技術

 通信信号の伝送劣化による波形歪をデジタル信号処理で波形等化が可能。従来では伝送路の途中に光増幅中継が必要だが、装置構成が大幅に簡素化。

c)高信頼偏波多重分離

光ファイバでの伝送で偏波モード分散歪により波長多重での干渉の影響から周波数利用効率は40Gbps程度。この分散歪をデジタル信号処理により干渉の影響を低減させ伝送速度が100Gbpsに向上。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/4/30 専門事項 通信システム

1.デジタルコヒーレント光通信方式の概要

 コヒーレント光通信は、1つの光ファイバで波長分割多重により複数の光信号を伝送する。この受信信号の復調をデジタル信号処理で行う通信方式のことである(以下本方式という)。ここでコヒーレントとは、複数波の関係で振幅と位相にずれが無く互いに干渉することである。

2.従来方式と比較した利点

a)高感度受信

 従来では、光強度変調直接検波方式であり、信号劣化の改善ができなかった。本方式は、伝送情報を変復調しデジタル処理する事でS/N改善ができる。その結果、伝送距離は、従来100kmから1000kmに改善された。

b)波形等化技術

 通信信号の伝送劣化による波形歪をデジタル信号処理で波形等化による対策が可能となった。従来では波形歪対策のため伝送路中に光増幅中継が必要であった。本方式は、中継不要で装置構成が大幅に簡素化できる。

c)高信頼偏波多重分離 

光ファイバの伝送で偏波モード分散歪による干渉の影響から偏波多重は40Gbps程度が限界であった。分散歪はデジタル信号処理で干渉の影響を低減可能となった。そのため周波数利用効率が2倍以上向上し、伝送速度が100Gbpsに向上した。

解説 本講座で学べばこのような答案をご自身の知識、体験を下に1から作成することが可能です。考える力をつけて1発合格できるよう支援いたします。(講師より)

H29年 電気・情報通信 Ⅱ−1−4 問題 模範解答と解説

問題文

 陸上移動通信で今後必要となる超高速・大容量伝送を実現するために、広い帯域を確保できるミリ波を利用することが検討されている。ミリ波を利用するに当たって、克服すべき電波伝搬上の課題を3つ挙げ、その概要を述べよ。これらの課題を克服するために、ミリ波の特徴を活かして高度化したMIMO技術が検討されているが、この高度化したMIMOの概要と特徴を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 5回  完成日2018/3/24 専門事項 通信システム

1.ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策:空間上の降雨、塵等で信号強度の減衰が大きいため伝送信号復元が難しくなる。伝送路に応じて変復調方式を決める課題がある。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化の対策:信号伝送空間損失が大きいことから伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのためデータ誤り訂正方法の課題がある。

c)強い直線性:波長が短いため直線性が非常に強い事から、遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が課題である。

2.MIMO技術の概要と特徴

 a)MIMOの概要

 Multiple Input Multiple Outputの略。複数空中線を組み合わせて送受信数を増加し、電波の安定化を図りデータ送受信の帯域を広げ高速化する無線通信技術。

b)特徴

ダイバーシチコーディング:複数空中線を使い送受信の信号強度を安定させ、スループットの向上と品質向上を図る。

送信ビームフォーミング:受信側に照準を合わせてフレームを送信することで受信側の信号強度を最大化する。

空間分割多重化:送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 1回  完成日2018/4/5 専門事項 通信システム

1.ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策

空間上の降雨、塵等で信号強度の減衰が大きいため、伝送信号の復元が難しくなる。伝送路に応じて変復調方式を決める課題がある。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化の対策

信号伝送空間損失が大きいことから、伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのためデータ誤り訂正方法の課題がある。

c)強い直線性

波長が短いため非常に直線性が強い事から、遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が課題である。

2.MIMO技術の概要と特徴

 a)MIMOの概要

 Multiple Input Multiple Outputの略。複数空中線を組み合わせて送受信数を増加し、電波の安定化を図りデータ送受信の帯域を広げ高速化する無線通信技術。

b)特徴

①ダイバーシチコーディング

複数空中線の使用で送受信信号強度を安定させ、伝送速度向上と品質向上を図る。

②送信ビームフォーミング

受信側に照準を合わせて信号を送信することで受信側の信号強度を最大化する。

③空間分割多重化

送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/4/28 専門事項 通信システム

1. ミリ波電波伝搬上の課題

a)伝送路での信号強度劣化対策

空間上の降雨、ちり等で信号強度の減衰が大きい。

信号減衰対策で、伝送路に応じた変復調方式を決める。

b)伝送路でのデータ伝送S/N劣化対策

伝送空間損失が大きいため、伝送信号のS/Nの劣化が発生する。そのため誤り訂正方法を決める。

c)強い直線性

波長が短く、非常に直線性が強いため遮蔽物等で伝送路が遮断される。伝送路確保のため空中線の指向性を可変できる事が必要である。

2.MIMO技術の概要と特徴

a)MIMO (Multiple Input Multiple Output)の概要

複数空中線を組合わせて送受信数増加、電波安定化を図り情報伝送広帯域として高速化する無線通信技術。

b)特徴

①ダイバーシチコーディング

複数空中線の使用で送受信信号強度を安定させ、伝送速度向上と品質向上を図る。

②送信ビームフォーミング

受信側に照準を合わせて信号を送信することで受信側の信号強度を最大化する。

③空間分割多重化

送受信とも複数アンテナで異なった信号を同時送受信して伝送速度を高速化する。

解説 本講座で学べばこのような答案をご自身の知識、体験を下に1から作成することが可能です。考える力をつけて1発合格できるよう支援いたします。(講師より)

模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 4回 2019.2.7  専門事項 列車管制無線

1. ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)障害物への回り込み   

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短い電波は回折しないことによる。       

2)降雨減衰の回避

波長が110mmのミリ波は、最大直径5mm程度となる雨滴に衝突すると散乱し、減衰する。

3)大気による吸収回避

ミリ波の周波数帯(60±3GHz)付近は、酸素分子が持つ双極子の固有周波数に一致し、分子の共鳴によりミリ波のエネルギーが吸収され減衰する。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

・基地局において数十数百個の超多素子アンテナを利用する。

・各素子アンテナの振幅・位相を、受信端末からのCSIを元に調整し、鋭い指向性を実現するビームフォーミングを行う。

2)特徴

ユーザ接続可能数が大きい。伝搬チャネル行列演算により伝搬損失を補償し、セルエリアを拡大可能である。空間多重により同一周波数リソースを同時に複数端末に割当可能で、周波数利用効率が高い。

模範解答2(簡易形式2)  添削履歴 4回 2019.2.14  専門事項 列車管制無線

1.  ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)伝搬損失補償

 ミリ波は降雨減衰・大気吸収により伝搬損失が発生し、この補償のために電波の効率を高めビーム化する。

2)障害物による反射波への対策

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短いミリ波は回折せず、障害物による反射波は受信側でノイズとなる。これに対処するため、反射波を抑制または活用する処理を行う。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

・ミリ波は波長が短く素子配置間隔を密にできるため、基地局において数十数百個の超多素子アンテナを利用する。

・各素子アンテナの振幅・位相を、受信端末からのCSIを元に調整する。

2)特徴

・鋭い指向性を実現するビームフォーミングを行う。

・伝搬チャネル行列演算により伝搬損失を補償し、障害物による反射波もノイズではなく情報信号として処理できる。また、セルエリアの拡大も可能である。

・同一周波数リソースを同時に複数端末へ割当でき、多数ユーザが接続可能で周波数利用効率が高い。

・各ユーザに対し複数ストリームを空間多重し、通信速度向上または通信の安定化が可能である。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.15   専門事項 列車管制無線

1.ミリ波利用にあたり克服すべき電波伝搬上の課題

1)伝搬損失補償

 ミリ波は降雨減衰・大気吸収により伝搬損失が発生し、この補償のために電波の効率を高めビーム化する。

2)障害物による反射波への対策

 ホイヘンスの原理より、周波数が高く波長が短いミリ波は回折せず障害物により反射し、受信側でノイズとなる。このため、反射波抑制処理を行う。

2.高度化したMIMOの概要と特徴

1)概要

①超多素子アンテナの利用

 ミリ波は短波長で素子配置間隔を密にできるため、基地局アンテナに数十数百個の素子を配置する。

②振幅・位相調整

 各素子の振幅・位相について、CSIを元に調整する。

2)特徴

①伝搬損失補償・セルエリア拡大

 伝搬チャネル行列演算によりビームフォーミングを行い、伝搬損失補償とセルエリア拡大が可能である。

②高周波数利用効率

 同一周波数リソースを同時に複数端末へ割当でき、多数ユーザが接続可能で周波数利用効率が高い。

③高品質通信

 各ユーザに対し複数ストリームを空間多重し、通信速度向上または通信の安定化が可能である。

H29年 電気・情報通信 Ⅱ−2−2 問題 模範解答と解説

問題文

 近年、次世代の情報通信ネットワークを用いた新たなユースケースの実現が注目されている。その1つとして、工事現場から数10km以上離れた地点から、オペレータがブルドーザ等の重機をリアルタイムで遠隔操作する土木工事アプリケーションがある。あなたは、そのアプリケーションを実現するプロジェクト担当責任者として技術検討を進めている。このプロジェクトを進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)     上記プロジェクトのフィージビリティスタディを進める際の手順について説明せよ。

(2)     上記の遠隔土木工事アプリケーションを実現する際に必要な、情報通信の観点からのシステム要件を4点挙げ、その内容を説明せよ。

(3)     (2)で挙げたシステム要件のうちの1つを取り上げ、その要件を満足する情報通信インフラにおける技術手段について説明せよ。さらにその技術手段を実施する際に留意すべき事項を述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 6回  完成日2018/3/25 専門事項 通信システム

1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)無線によるアプリケーション動作確認

b)重機監視モニタの手段立案と動作確認

c)遠隔制御/監視の手段立案と動作確認

2.実現に必要なシステム要件

 a)無線通信の所用伝送容量

  重機操作の伝送容量は、操作用データと画像データを考え1Mbpsとする。

b)無線通信方式

 LTE同等と考え、OFDM方式として、周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

 リードソロモンとビタビ復号の併用を採用し、誤り訂正を強化する。

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信をリアルタイムで行う事ため、有線LANを使用する。データ転送はリアルストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム

a)無線通信方式の技術手段

工事現場に無線基地局を設置しネットワークを構築する。

b)通信方式適用に関する留意点

①工事現場での複数電波による無線通信干渉障害

②有線操作監視でのパケット通信に関わるリアルタイム性の維持

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 7回  完成日2018/4/22 専門事項 通信システム

1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)アプリケーションの無線通信操作確認

 重機を既存アプリケーションで使用し無線通信で操作が可能であるかを確認する。

b)重機取付監視カメラ取得画像データの無線受信確認

 画像データ再生に途切れが無い様受信処理速度が十分か無線受信状況を確認する。

c)工事現場と遠隔地からの制御確認

 遠隔地からの有線LAN制御信号で工事現場にある重機を動作できるか確認する。

2.実現に必要なシステム要件

 a)無線通信の所用伝送容量

①操作制御用データ(4kbps)とし、②監視カメラ画像データはカメラ台数を前後左右の4台(250kbps/台で4カ所分のデータは1Mbps)とする。

データフレーム同期信号、誤り訂正用冗長符号を含め、合計2Mbpsの伝送容量とする。

b)無線通信方式

 2Mbpsのため、通信方式はLTEの方式同等で、操作制御と画像データのチャネルを分けOFDM方式とする。無線通信通達性を考慮し周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

 リードソロモン符号(無線電波が遮断された際のバースト性誤り対策)、ビタビ復号(重機が発生する空間雑音でのランダム性誤り対策)の併用を採用する。

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信に有線LANを使用する。画像データは、作業記録を残すためプログレッシブストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム 

a)無線通信方式の技術手段

工事現場無線基地局に適用する通信技術は、重機制御、画像送受信のためOFDM、高速伝送で実績のある4G通信方式技術を適用する。

b)通信方式適用に関する留意点

①無線通信に関して遮蔽物やマルチパスの対策に留意する。工事現場無線基地局の空中線を複数準備し空間ダイバシチ技術で無線信号強度を確保する。

②無線遠隔操作信号に対し受信応答信号を重機側から返信させるように留意する。通常テレメートは一方通行が多いが重機の無線動作を確実とするため必要である。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 1回  完成日2018/4/30 専門事項 通信システム

1.重機遠隔操作フィージビリティスタディ手順

a)アプリケーションの無線通信操作確認

 重機を既存アプリケーションで使用し無線通信で操作が可能であるかを確認する。

b)重機取付監視カメラ取得画像データの無線受信確認

 画像データ再生に途切れが無い様に受信処理速度が十分か無線受信状況を確認する。

c)工事現場と遠隔地からの制御確認

 遠隔地からの有線LAN制御信号で工事現場にある重機を動作できるか確認する。

2.実現に必要なシステム要件

a)無線通信の所用伝送容量

①操作制御用データ(4kbps)とし、②監視カメラ画像データはカメラ台数を前後左右の4台(250kbps/台で4カ所分のデータは1Mbps)とする。

データフレーム同期信号、誤り訂正用冗長符号を含め、合計2Mbpsの伝送容量とする。

b)無線通信方式

伝送速度を2Mbpsとするため、通信方式は、LTE方式同等とする。操作制御と画像データのチャネルを分けマルチチャネル方式とする。画像データは伝送量が多いため、更に複数チャネルで伝送する。

無線通信通達性を考慮し周波数帯は700MHz帯とする。

c)通信誤り訂正方式

誤り訂正は、次の2方式併用を採用する。

①リードソロモン符号(無線電波が遮断された際のバースト性誤り対策)

②ビタビ復号(重機が発生する空間雑音でのランダム性誤り対策)

d)ストリ−ミング転送方式

無線で取得したデータを数10km離隔した遠隔地との通信に有線LANを使用する。画像データは、作業記録を残す事を考慮し、プログレッシブストリーミング方式とする。

3.重機遠隔操作の無線通信システム 

a)無線通信方式の技術手段

工事現場無線基地局に適用する通信技術は、高速伝送で実績のある4G通信方式技術の一部を適用する。

この適用する4G通信技術は、重機制御、画像送受信のため特にマルチチャネルとしてOFDMの採用である。

b)通信方式適用に関する留意点

①無線通信に関して、遮蔽物やマルチパスの対策に留意する。工事現場無線基地局の空中線を複数準備し、空間ダイバシチ技術によって無線信号強度を確保する。

②無線遠隔操作信号に対し、受信応答信号を重機側から無線で返信させるように留意する。通常の無線テレメート装置は、一方通行が多い。ここで、重機の動作を確実とするために、双方向通信とする。操作器からの信号に対して重機から信号受信応答をさせる。

解説 Ⅱ−2問題ではケーススタディが求められますので、エンジニアが遭遇する実際のマーケットでどのようなニーズがあるか把握しておかねばなりません。本講座で学べば本答案のように、たとえご自身が体験していなくとも、どのようなケースを参照すればよいかを指導します。実際この受講生様も体験が無かったので苦労されました。多少はこのような勉強をされないと、新規のケーススタディーは克服できません。このような指導の結果、実際のビジネスのプレゼンで必要な配慮が出来るようになります。

模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 2回 2019.2.17  専門事項 列車管制無線

1. 情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に高詳細ライブ映像を配信可能な高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう、収容端末密度を高める。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

1)構成

 マクロ・スモールセル、オフロード先を持つセルラ網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

  制御と伝送を分離し、高品質な無線伝送を行い、混雑時にはオフロードさせる。また、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を効率的に行う。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

 ①無線区間のアーキテクチャを構築する。

 ②ネットワークのアーキテクチャを構築する。

 ③クラウドを構築する。

 ④要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

 ・セルラ網とオフロード先の切替は、ANDSFを用いて効率的に行う。

 ・短期間でのケーブル敷設が困難な場合、空間光無線通信を利用する。

 ・クラウドで統計処理等を行う場合、暗号化は準同型方式を使用する。

模範解答2(簡易形式2)  添削履歴 1回 2019.2.18 専門事項 列車管制無線

1.  情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に4K/8K高詳細ライブ映像やVR/ARコンテンツを配信可能な、10Gbps超の高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な、1ms以下の超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう収容端末密度を高め、100万デバイス/km2とする。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

 2020年に実現可能な技術として、5Gの利用を前提とする。

1)構成

 マクロ・スモールセルからなるセルラ網、オフロード網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

 制御と伝送を分離し、マクロ・スモールセルのキャリアアグリゲーションやスモールセル間のシームレスなハンドオーバを行い、高速大容量の無線伝送を提供する。また、超高信頼低遅延通信にはエッジコンピュータを含むスライスを割り当てる等、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を行う。そして、混雑時にはWi-Fi等のオフロード網へ誘導を図り、収容端末密度を高める。さらに、RADIUSサーバを用いた認証やWPA2による暗号化を行い、セキュリティを高める。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

①無線区間のアーキテクチャ構築

 ライセンス・アンライセンスバンドを組み合わせ、限られた周波数帯で効率性を高める。

②ネットワークのアーキテクチャ構築

 自営回線・事業者回線を組合せ、両者でボトルネック箇所が出ないよう構築する。

③クラウドの構築

 プライベートクラウド・パブリッククラウドを組合せたインタークラウドで構築する。

④要求仕様の確認

 擬似的に大量接続・トラフィックを発生させ、End-to-End通信で要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

・無切断でユーザにストレスのない通信環境を提供するため、セルラ網とオフロード網の切替は、ANDSFを用いて効率的に行う。

・短期間でのケーブル敷設が困難な場合、施工が容易でセキュリティ性の高い空間光無線通信を利用する。

・観戦者の個人属性データ集計等、クラウドで処理を行う場合、暗号化は準同型方式を使用する。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.2.21   専門事項 列車管制無線

1.情報通信システムに対する主な要求条件

1)観戦者に4K/8K高詳細ライブ映像やVR/ARコンテンツを配信可能な、10Gbps超の高速大容量通信を行う。

2)監視用ドローンや案内ロボットを制御可能な、1ms以下の超高信頼低遅延通信を行う。

3)数万人規模の競技場でストレス無く接続できるよう収容端末密度を高め、100万デバイス/km2とする。

4)DDoS等の攻撃による甚大な被害回避のため、セキュリティを高める。

2.要求条件を満足するシステム構成と概要

 2020年に実現可能な技術として、5Gの利用を前提とする。

1)構成

 マクロ・スモールセルからなるセルラ網、オフロード網、エッジコンピュータを配置したネットワーク、アプリケーション等を保管するクラウドで構成する。

2)概要

 制御と伝送を分離し、マクロ・スモールセルのキャリアアグリゲーションやスモールセル間のシームレスなハンドオーバを行い、高速大容量の無線伝送を提供する。また、超高信頼低遅延通信にはエッジコンピュータを含むスライスを割り当てる等、ネットワークスライシングにより多様な通信ニーズ対応を行う。そして、混雑時にはWi-Fi等のオフロード網へ誘導を図り、収容端末密度を高める。その際、RADIUSサーバを用いた認証やWPA2による暗号化を行い、セルラ網と同等のセキュリティを実現する。

3.業務を進める手順、システム構築における留意点

1)業務を進める手順

①無線区間のアーキテクチャ構築

 ライセンス・アンライセンスバンドを組み合わせ、限られた周波数帯で効率性を高める。

②ネットワークのアーキテクチャ構築

 自営回線・事業者回線を組合せ、両者でボトルネック箇所が出ないよう構築する。

③クラウドの構築

 プライベートクラウド・パブリッククラウドを組合せたインタークラウドで構築する。

④要求仕様の確認

 擬似的に大量接続・トラフィックを発生させ、End-to-End通信で要求条件への対応を確認する。

2)システム構築における留意点

①セルラ網/オフロード網切替:無切断でユーザにストレスのない通信環境を提供するため、ANDSFを用いて効率的に行う。

②有線代替通信:短期間でケーブル敷設が困難な場合、施工が容易で高秘匿性の空間光無線通信を利用する。

③クラウド暗号方式:観戦者の個人属性データ集計等を行う場合、クラウド側で計算処理を行うため、暗号化は準同型方式を使用する。

H29年 電気・情報通信 Ⅲ−1 問題 模範解答と解説

問題文

 世界中の様々なモノと人を含むあらゆる存在がインターネットにつながるIoTが進展しており、従来にない価値創造や課題解決に資する事例も現れつつある。そのIoTの適用分野の中でネットワークの果たす役割は大きく、IoTの進展に関わる課題として、各国が共通して認識している課題に「ネットワークインフラ整備」及び「ネットワークの高度化・仮想化」が挙げられている。このような状況を踏まえて、情報通信ネットワーク分野の技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)IoTの適用分野を代表的な産業・用途にカテゴライズして記述せよ。その上で、IoTの適用分野におけるネットワークシステムとして、様々な産業・用途をカバーするために考慮すべき代表的な、IoT固有の要件を3つ挙げ、それぞれに対する課題について説明せよ。

(2)(1)で挙げた3つの課題すべてに対して、それらを解決するための情報通信分野としての具体的な技術的対策を提案せよ。

(3)(2)で提案した技術的対策がもたらす効果、及び新たに浮かび上がってくるリスクについて説明せよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 11回  完成日2018/4/28 専門事項 通信システム

1.ネットワーク整備でのIoTについて

a)IoT適用分野の用途別カテゴライズ

1)工場の工程管理

2)道路の交通量監視

3)家庭のエネルギー管理

b)IoT適用分野での固有な要件と課題

1)工場の製品組立進捗情報収集 ・課題:進捗確認のため工程別で多様な組立状況取得器のデータを収集する通信方法。多様なデータが輻輳する問題がある。

2)道路の自動車混雑状況情報収集 ・課題:自動車台数情報取得器のデータを収集する通信方法。自動車台数により情報送受する電波干渉が問題になる。

3)家庭の商用電源使用状況収集 ・課題:使用状況取得機器をネットワーク化し通信する方法。機器の配置により無線通信信号が遮断される問題がある。 

2.IoTを有効活用に関する技術的提案

a)無線通達性の技術的対策

IoTで使用される周波数は900MHz帯であり、IEEE 802.15.4や電波法で間欠運用(連続送信は400ms以下)を義務づけられている。ここで、IoT機器空中線の位置関係では無線通達性が悪い可能性がある。そこで、通達性を改善する方法として、空中線だけでなく、電波漏洩ケーブルを併用する事を提案する。これにより最も強い電波強度を捕捉できる。

b)具体的な施策

間欠運用は擬似的にTDM方式(時分割多重)と考え、IoTユースケースではデータ量が少ないため、同じデータを数回送出する。間欠運用、電波漏洩ケーブルを併用し安定した信号確保でデータ輻輳対策、電波干渉回避、ネットワーク構築を実施。

3.技術的対策の効果とリスク

a)電波通達性向上の効果

提案した技術対策の効果は、無線電波の通達性が改善され、電波送受信安定化を図ることが可能となる。その結果、情報伝送の確達率が向上する。

b)浮かび上がるリスク

IoT機器は各々ランダムでデータを送信することがあり、発射電波が衝突し、受信不能のリスクがある。同じデータを数回送出することで、リスクを回避する。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/5/5 専門事項 通信システム

1.ネットワーク整備でのIoTについて

a)IoT適用分野の用途別カテゴライズ

1)工場の工程管理

工程毎に各種製造装置があり、装置稼働による取得データで進捗を可視化する。

2)道路の交通量監視

道路路線にある自動車台数の測定を行い、交通量を監視する。

3)家庭のエネルギー管理

代表的な家庭用エネルギーである商用電源の使用状況を監視・管理する。

b)IoT適用分野での固有な要件と課題

1)工場の製品組立進捗情報収集の課題

進捗確認のため工程別で多様な情報データがある。そのため、多様なデータ輻輳の可能性があり、組立状況取得器のデータを収集する通信方法に課題がある。

2)道路の自動車混雑状況情報収集の課題

自動車台数が多くなると情報送受する電波干渉の可能性がある。自動車台数情報取得器のデータを収集する通信方法に課題がある。

3)家庭の商用電源使用状況収集の課題

使用状況機器の配置により無線通信信号の通達性が劣化し場合によって電波遮断される可能性がある。使用状況取得機器をネットワーク化によって通信する方法に課題がある。 

2.IoTを有効活用する技術的提案

a)安定した無線通達性対策

IoTで使用される周波数は900MHz帯であり、IEEE 802.15.4や電波法で間欠運用(連続送信は400ms以下)が義務づけられている。ここで、カテゴライズした3つの各課題は無線通達性に集約される。中でもIoT機器空中線の位置関係では無線通達性が悪い可能性がある。そこで、電波漏洩ケーブル自体が電波を送受できる事に着目した。通達性を改善する方法として、空中線だけでなく、電波漏洩ケーブルを併用する事を提案する。これにより電波遮断を防止し、安定した電波強度で受信可能となり、通達性が確保できる。

b)間欠送信による電波輻輳回避

IoT機器は通常ランダムに送受信している。ランダム送受信はTDM(時分割多重)方式とほとんど同義の技術と言える。これにより間欠運用は擬似的にTDM方式と考え、この点を利用して、電波送受信システムを考案する。IoTユースケースでは送信データ量が少ないことから、同じデータを間欠的に数回送出する方法とする。無線電波が輻輳し異なるIoT機器が同時送信して受信が不能になる場合がある。その際は、次の送信で受信することが可能である。これらのことから、擬似的TDM方式と見なすことができる。その結果、複数IoT機器を使用した、無線伝送システムを構築することが可能である。

3.技術的対策の効果とリスク

a)電波通達性向上の効果

提案した技術対策は、無線電波の通達性が改善され、電波送受信安定化を図ることが可能となる効果がある。  

このことから、障害が改善され、無線情報伝送の確達率が向上する。また、安定化された電波状況からネットワークを構成することも可能である。

b)浮かび上がるリスク

IoT機器は各々ランダムでデータを送信する。そのため電波強度が安定であっても、各々IoT機器間は、通常運用では個々で動作している。同じデータを数回送信してもIoT機器が複数台ある事を考慮すると、同時期に電波を送信する可能性もある。その際、受信不能になる可能性がある。そのため受信不能のリスクの可能性がある。ここで同じデータを送信する間隔もランダムとして、間欠的に数回送出することを採用する。その結果、擬似的に無線LANのCSMA/CAの効果を得られる。このことから、受信不能となるリスクを回避することができる。 

解説 Ⅲ問題では、技術経営的な判断が重視されます。提案内容が実社会で整理するような経済性、市場性を持っているか否かの判断が必要です。本講座ではこのような場合に、日経新聞などを元にビジネス的に需要の高い提案を参考として、実際に提案しても無理の無いプレゼントしてまとめるように指導しています。技術者が毎日、経済新聞に目を通すことは困難かと思います。そのような、経済情勢面での知見は講座のほうでウォッチングして必要に応じて、新聞記事などから問題で要求される提案に必要な知見を提供して支援しております。

模範解答2 (簡易形式1)  添削履歴 1回 2019.2.24  専門事項 列車管制無線

1. IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件とその課題

(1)IoT適用分野

①自動車分野:車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

②工業分野:機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

③農業分野:温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

④医療分野:ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

①高いセキュリティ性:IoTデバイス発信情報の盗聴を回避する。

②情報通信の信頼性:通信品質劣化に伴う制御誤りによる人的・物的被害を防ぐ。

③低消費電力:通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

①AES128

 SPN構造のため少段数で高撹拌性を持ち、少計算量で強力に暗号化可能である。

②耐干渉・耐障害技術

 複数回フレーム伝送、周波数・空間ダイバーシティを行い、信頼性を高める。

③LPWA

 伝送速度を数百kbps程度に抑え、eDRXを用いて消費電力を抑える。

3.技術的対策がもたらす効果、新たに浮かび上がるリスク

①IoTデバイスのジャックを回避できるが、処理量が大きくスペックの低いデバイスでは対応できず、ジャックリスクがある。このため軽量暗号が必要である。

②通信についての信頼性は高まるが、複数回伝送やダイバーシティにより干渉や障害が発生するリスクがある。このためキャリアはUNBである必要がある。

③低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトのアップデートが困難なため、セキュリティホールが攻撃されるリスクがある。このため、CoAPを用いて限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。

模範解答2(簡易形式2)  添削履歴 0回 2019.2.26  専門事項 列車管制無線

1.  IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件とその課題

(1)IoT適用分野

①自動車分野:車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

②工業分野:機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

③農業分野:温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

④医療分野:ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

①高いセキュリティ性:監視カメラ映像や機密情報・個人情報等、IoTデバイス発信情報の盗聴や漏洩を回避する。

②情報通信の信頼性:通信品質劣化に伴う制御誤りにより、自動運転車や工場機器類が意図しない危険な動作をすることによる、人的・物的被害を防ぐ。

③低消費電力:安定的に電力を供給できない環境下での使用を考慮し、通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

①AES128

 SPN構造でブロック全体を対象に繰り返し処理を行うため、少段数で高撹拌性を持ち、少計算量で小型IoTデバイスにも実装可能な上、128ビットの鍵長により強力に暗号化可能である。

②通信信頼性向上技術

 IoTでバイスから異なる周波数にて複数回連続で同一データを送信する周波数ダイバーシティを行い、あるタイミングで送受信が失敗するケースをカバーする。また、複数の基地局で同一データを受信する空間ダイバーシティを行い、ある基地局とIoTデバイス間に干渉源があり、通信障害を受け送受信が失敗するケースをカバーする。

③LPWA

 ペイロードを数百バイト程度以下に抑え、eDRXを用いて送信間隔を最大40分程度まで拡大することにより、消費電力を抑える。

3.技術的対策がもたらす効果、新たに浮かび上がるリスク

①IoTデバイスのジャックを回避できるが、処理量が大きくスペックの低いデバイスでは対応できず、ジャックリスクがある。このため、軽量暗号が必要である。

②通信についての信頼性は高まるが、周波数・空間ダイバーシティ自体により干渉や障害が発生するリスクや、スペクトラム密度を向上出来ないリスクがある。このためキャリアは100Hz程度のUNBである必要がある。

③低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトのアップデートが困難なため、セキュリティホールが攻撃されるリスクがある。このため、M2M通信向け軽量プロトコルであるCoAPを用いて、限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。

模範解答2  (答案形式)  添削履歴 1回 2019.3.1   専門事項 列車管制無線

1.IoT適用分野と考慮すべきIoT固有の要件と課題

(1)IoT適用分野

①自動車分野

 車載センサやカメラにより情報収集・解析し、自動運転を制御する。

②工業分野

 機器に取付けたセンサでデータを取得し、制御・保守を行う。

③農業分野

 温度・湿度センサを農地に配置し、点滴灌漑等を行う。

④医療分野

 ウェアラブル機器で患者の健康データを自動収集し、体調を管理する。

(2)考慮すべきIoT固有の要件とその課題

①高いセキュリティ性

 監視カメラ映像や機密情報・個人情報等、IoTデバイス発信情報の盗聴や漏洩を回避する。

②情報通信の信頼性

 通信品質劣化に伴う制御誤りにより、自動運転車や工場機器類が意図しない危険な動作をすることによる、人的・物的被害を防ぐ。

③低消費電力

 安定的に電力を供給できない環境下での使用を考慮し、通常の小型電池で数年程度動作できる通信方式を採用する。

2.課題に対する具体的な情報通信分野の技術的対策

①AES128

 SPN構造でブロック全体を対象に繰り返し処理を行い、少段数でも十分な撹拌力を持つことにより、秘匿性を向上する。これにより、128ビットの鍵長による強力な暗号化を少計算量で限られたリソースしか持たない小型IoTデバイスに実装する。

②通信信頼性向上技術

 IoTデバイスから異なる周波数にて複数回連続で同一データを送信する周波数ダイバーシティを行い、あるタイミングで送受信が失敗するケースをカバーする。また、複数の基地局で同一データを受信する空間ダイバーシティを行い、ある基地局とIoTデバイス間に干渉源があり、通信障害を受け送受信が失敗するケースをカバーする。

③LPWA

 ペイロードを数百バイト程度以下に抑えた上で、通常のセルラ網で用いられる全二重通信ではなく、半二重通信を用いる。また、eDRXを用いて送信間隔を最大43分程度まで拡大し、PSMを用いてキャリアセンスを最大13日程度停止することにより、消費電力を抑える。

3.技術的対策の効果、新たに浮かび上がるリスク

①小型センサ等のIoTデバイス

 IoTデバイスのジャックを回避できるが、小型センサ等ではリソース制約条件が特に厳しく、AES128を実装できない場合がある。その際、ジャックを回避できないリスクがある。このため、ハードウエア回路規模・消費電力量・処理速度・メモリサイズを考慮し、十分な耐攻撃性と実装性を持つ軽量暗号が必要である。また、IoTデバイス製造時に書き込まれる固有IDによる認証フィルタリングも有効である。

②ダイバーシティによる干渉・障害、電波効率性

 通信についての信頼性は高まるが、周波数・空間ダイバーシティ自体により干渉や障害が発生するリスクや、スペクトラム密度を向上出来ないリスクがある。このためシングルキャリアは100Hz程度のUNBとし、920MHz帯における200kHzチャネル幅でホッピングさせることにより、干渉・障害を防ぎつつスペクトラム密度を向上する。

③ソフトウエアのアップデート

 低消費電力を実現できるが、通信速度が遅いためソフトウエアのアップデートが困難である。そのため、セキュリティホールが攻撃され、情報漏洩や改ざん等のリスクがある。このため、M2M通信向け軽量プロトコルであるCoAPを用いる。これにより、パケットヘッダを短い4byteとし、TCPではなくUDP上で3-Way-Handshake不要のコネクションレス通信とすることで、限られた通信速度で伝送効率を高める必要がある。

H29年 衛生・空調 Ⅱ−1−1 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ-1-1 

吸着式冷凍機について、概要及び冷凍の原理を説明せよ。また、この機器のメリット・デメリットを述べよ。

模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 3回  完成日2018/2/28 専門事項 ビル空調設計

1. 吸着式冷凍機とは

  シリカゲル等の多孔質吸着材が冷媒ガスを吸着する現象を利用した冷凍機である。冷媒(水)は「蒸発−吸着−脱着−凝縮」の順で装置内を循環する。真空に減圧した蒸発器内冷媒が蒸発するときの気化熱で冷水を冷やす。蒸発器で蒸発した冷媒を吸着した吸着材は、温水で加熱することにより再生する。

2.メリット

①ノンフロン冷凍機であり、環境負荷が少ない。

②熱駆動冷凍機で、消費電力が1kw未満と低い。

③駆動部を持たないので騒音・振動がない。

④メンテナンスが容易で、メンテナンスコストが安価。

⑤熱駆動であることから、温排熱から冷水を取り出せる。

⑥吸収冷凍機のように腐蝕性のある塩類(吸収液)を使用しないため、有害な防蝕材が不要である。

3.デメリット

①冷媒が水のため冷凍させることはできない。3℃以上の冷水を製造。

②COPが1以下と低い。凝縮負荷が高く冷却水量が多い。冷却塔サイズ、冷却水ポンプ容量が大きくなる。

模範解答1  (簡易答案形式2)  添削履歴 2回  完成日2018/3/2 専門事項 ビル空調設計

1. 吸着式冷凍機概要と原理

シリカゲル等の多孔質吸着材が冷媒ガスを吸着する現象を利用した冷凍機である。冷媒(水)は「蒸発−吸着−脱着−凝縮」の順で装置内を循環する。真空に減圧した蒸発器内冷媒が蒸発するときの気化熱で冷水を冷やす。蒸発器で蒸発した冷媒を吸着した吸着材は、温水で加熱することにより再生する。

2.メリット

①ノンフロン冷凍機であり、環境負荷が少ない。

②熱駆動冷凍機で、消費電力が1kw未満と低い。

③駆動部を持たないので騒音・振動がない。

④メンテナンスが容易で、メンテナンスコストが安価。

⑤熱駆動であることから、温排熱から冷水を取り出せる。

⑥吸収冷凍機のように腐蝕性のある塩類(吸収液)を使用しないため、有害な防蝕材が不要。

3.デメリット

①冷媒が水のため冷凍はできない。3℃以上の冷水を製造。

②COPが1以下と低い。凝縮負荷が高く冷却水量が多い。冷却塔サイズ、冷却水ポンプ容量が大きくなる。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/3/12 専門事項 ビル空調設計

1. 吸着式冷凍機概要と原理

シリカゲル等の多孔質吸着材が冷媒ガスを吸着する現象を利用した冷凍機である。冷媒(水)は「蒸発−吸着−脱着−凝縮」の順で装置内を循環する。真空に減圧した蒸発器内冷媒が蒸発するときの気化熱で冷水を冷やす。蒸発器で蒸発した冷媒を吸着した吸着材は、温水で加熱することにより再生する。

2.メリット

①ノンフロン冷凍機であり、環境負荷が少ない。

②熱駆動冷凍機で、消費電力が1kw未満と低い。

③駆動部を持たないので騒音・振動がない。

④メンテナンスが容易で、メンテナンスコストが安価。

⑤熱駆動であることから、温排熱から冷水を取り出せる。

⑥吸収冷凍機のように腐蝕性のある塩類(吸収液)を使用しないため、有害な防蝕材が不要。

3.デメリット

①冷媒が水のため冷凍はできない。3℃以上の冷水を製造。

②COPが1以下と低い。凝縮負荷が高く冷却水量が多い。冷却塔サイズ、冷却水ポンプ容量が大きくなる。

H29年 衛生・空調 Ⅱ−1−2 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ-1-2

近年,多くの建物用途において空気熱源ビル用マルチエアコンが多用されている。その設計や性能評価について以下の質問に答えよ。

(1)機器能力の算出において,時刻別熱負荷の算出結果に対して補正すべき事項を箇条書きで8つ挙げよ。

(2)空気熱源ビル用マルチエアコンの屋外機選定・配置に関する設計上の主な留意点について箇条書きで8つ挙げ,簡潔に説明せよ。

(3)ビル用マルチエアコンの運転状態における処理熱量計測方法を2つ挙げ,その概要,評価に必要なデータ,長所・短所について簡潔に説明せよ。

 模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/2/23 専門事項 ビル空調設計

1. 機器の能力算出熱負荷の補正事項

①在室人数

②OA導入量

③ペリメータ窓方位

④ペリメータ窓庇

⑤ペリメータ窓断熱

⑥照明照度

⑦室温

⑧ペリメータ、インテリア

2.屋外機設計上の留意点

①海が近い場所は耐塩害仕様を選定

②最遠配管相当長より屋外機能力確認

③吸込口、吹出口に風の障害物確認

④敷地境界において屋外機騒音値

⑤寒冷地域の凍結対策

⑥寒冷地域の積雪対策

⑦事務所上RF屋外機振動対策

⑧同設定温度大空間では、PACを選定

3.処理熱量計測方法

①コンプレッサカーブ法

冷媒循環量を求め、室内機エンタルピー差より空調能力を算出。

データ:冷媒圧力・温度。

長所:冷媒循環量測定不要。コストが安価。

短所:メーカによる圧縮機流量特性が開示されていない。

②エアーエンタルピー法

室内、屋外機空気温湿度、風速からエンタルピー差、熱量を算出する。

データ:空気温湿度、風速。

長所:測定点が多ければ精度が高い。

短所:天候や外乱の影響を受け易い。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/3/22 専門事項 ビル空調設計

1.機器の能力算出熱負荷の補正事項

①在室人数②OA導入量③ペリメータ窓方位④ペリメータ窓庇⑤ペリメータ窓断熱⑥照明照度⑦室温⑧ペリメータ、インテリア

2.屋外機設計上の留意点  

①海が近い場所は耐塩害仕様を選定する。

②最遠配管相当長より屋外機能力確認する。

③吸込口、吹出口に風の障害物確認する。

④敷地境界において屋外機騒音値を確認する。

⑤寒冷地の凝縮ファン対策を行う。

⑥寒冷地域の積雪対策を行う。

⑦屋外機振動対策(スプリング防振)を行う。

⑧個別空調不要の部屋であれば、高COPのPACを選定する。 

3.処理熱量計測方法

①コンプレッサカーブ法

圧縮機の冷媒循環量を求め、室内機出入口の冷媒圧力・温度からエンタルピー差を求めることにより熱量を算出する。冷媒循環量測定不要のためコストが安価である。発停時等の流量誤差がでる。

②エアーエンタルピー法

室内、室外機出入口の空気温湿度、風速測定結果から空気エンタルピー差、風量から熱量を算出する。高精度の測定が可能である。天候や外乱の影響を受け易い。

H29年 衛生・空調 Ⅱ−1−3 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ−1−3 

  空調システムを構成する加湿装置において,その原理の違いにより3つの方式に大別される。この3つの方式を挙げ,それぞれの特徴を簡潔に説明せよ。また,3つの方式について,代表的な加湿器を各々2つ挙げ,その特徴を簡潔に述べよ。

 模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/3/16 専門事項 ビル空調設計

1. 気化方式

この特徴は冷房負荷低減と蒸発吸収距離に注意する必要が無い。

①  滴下浸透気化式加湿器

加湿モジュールに滴下給水し、気流を通過させる。過加湿による結露が無い。

②  透湿膜式加湿器

水中の不純物は純透湿膜で遮断され、清浄な水蒸気で加湿される。

2、蒸気方式

空気線図上、乾球温度一定の線上を変化する。

①  電極式蒸気加湿器

水自体を発熱体として蒸気を発生。水位を変化させる制御であるため、反応速度が遅い。

②  電熱式蒸気加湿器

立上時間短縮と蒸気発生量の追従性を考慮したもので、ヒータの電力量を変化させているため優れた制御特性を発揮する。

3、水噴霧方式

微細な水滴を噴霧する方法

空気線図上、湿球温度一定の線上を変化する。

①  超音波式加湿器

超音波霧化により加湿する。飽和効率50%である。

②  高圧スプレー式加湿器

加圧水をノズルから噴霧。大風量に対して多量噴霧を行う。

模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/3/28 専門事項 ビル空調設計

1. 気化方式

過加湿による結露が無いため、美術館、博物館、事務所等で使用される。

①滴下浸透気化式加湿器

加湿モジュールに滴下給水し、気流を通過させる。

②透湿膜式加湿器

水中の不純物は純透湿膜で遮断され、清浄な水蒸気で加湿される。

2.蒸気方式

空気温度を下げず絶対湿度を高めるため、精度を求められる恒温恒湿室等に使用される。

①電極式蒸気加湿器

水に電流を通すことで水中の不純物運動を行う。この運動エネルギーを利用して水を加熱し、蒸気を発生させる。水道水を使用するため水処理する必要が無い。

②電熱式蒸気加湿器

立上時間短縮、追従性がよいため、制御性がよい。

3.水噴霧方式

帯電防止のため、微細な水滴を噴霧する。

①超音波式加湿器

超音波霧化により加湿する。湿度を50%まで上げられる。

②高圧スプレー式加湿器

大空間にて、大風量に対して多量噴霧を行う。

H29年 衛生・空調 Ⅱ−1−4 問題 模範解答と解説

問題文   Ⅱ−1−4 

  空調機による室内温度制御としてPID制御がよく使用されている。PID制御により冷水二方弁を操作させる場合について以下の質問に答えよ。 

(1)冷水二方弁の選定の時に使用されるCVの定義について述べよ。 

(2)PID調節器の偏差eと出力である操作量mの関係式を記せ。また,比例動作,微分  動作,積分動作について説明せよ。 

 ただし,m:操作量   mo:操作量mの基準値  e:偏差  Kp:比例ダイン   Ti:積分時間  Td:微分時間  とする。

 模範解答1  (簡易答案形式1)  添削履歴 2回  完成日2018/3/12 専門事項 ビル空調設計

1. CV値(Valve Constant)

 調節弁の容量を示す数値であり、調節弁の仕様として表示してある定格Cv 値は、最大値(弁が全開のときの値)を意味CV値は以下の式で表される。

Cv=Q×√(G/ΔP)

Q:流量(米gal/min)

G:比重(kg/L)

ΔP:差圧(lbf/in2)

2、 偏差eと操作量mの関係式

m=Kp(e

n-1

-e

n-2

)+Kie

n-1

+Kd{(e

n-1

-e

n-2

)-(e

n-2

-e

n-3

)}

+Kp(e

n

-e

n-1

)+Kien+Kd{(e

n

-e

n-1

)-(e

n-1

-e

n-2

)}

Kp:比例定数

Ki:積分定数

Kd:微分定数

en:現在の偏差

en-1:前回偏差

en-2:前々回偏差

①比例動作

比例帯内で、現在値と設定値の偏差に比例した操作量を働かす動作

②微分動作

偏差の少ないうちに大きな修正動作を加え、制御結果が大きく変動するのを防ぐ動作

③積分動作

偏差がある場合に操作量を一定速度で変えて、偏差をなくすように働く動作

 模範解答1  (答案形式)  添削履歴 2回  完成日2018/3/20 専門事項 ビル空調設計

1. CV値(Valve Constant)

 調節弁の容量を示す数値であり、CV値は以下の式で表される。

Cv=Q×√(G/ΔP)

Q:流量(米gal/min)

G:比重(kg/L)

ΔP:差圧(lbf/in2)

2、   偏差eと操作量mの関係式

m=Kp(en-1-en-2)+Kien-1+Kd{(en-1-en-2)-(en-2-en-3)}

+Kp(en-en-1)+Kien+Kd{(en-en-1)-(en-1-en-2)}

Kp:比例定数

Ki:積分定数

Kd:微分定数

en:現在の偏差

en-1:前回偏差

en-2:前々回偏差

①比例動作

比例帯内で、現在値と設定値の偏差に比例した操作量を働かす動作

②微分動作

偏差の少ないうちに大きな修正動作を加え、制御結果が大きく変動するのを防ぐ動作

③積分動作

偏差がある場合に操作量を一定速度で変えて、偏差をなくすように働く動作

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