2018年3月8日 建設部門、鋼コン科目の方の電話によるコーチング指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時00分から、1時間00分間行なわれ,その受講者様は建設部門、鋼コン科目を目指す方で、居住地、宮城から電話を用いて相談されました。業務内容の詳細においては業績の内容と専門技術の応用、そして成果を記す必要があります。この建設部門鋼構造の方の場合、その成果がどのような意味を持つか分かりにくいものとなっていました。

S様の業績論文では、橋長〇mの床版交換設計において、I型格子床版を用いて鈑桁と縦桁の剛度差が小さい場合に、床版に付加曲げモーメントを加算する必要があることを提案していました。

〇〇のI型格子床版を採用したことでコストを〇%、工期を〇日縮減できた。 と一応業績の成果はまとめられていましたが、それ以外にこの業績でどんな知見を得たか述べなければなりません。

得られた知見: 剛度差が小さい鈑桁と縦桁を有する床版に付加曲げモーメントを考慮した結果、床版の設計モーメントが〇%増加した。このことから、剛度差の大小に関わらず、付加曲げモーメントを考慮する必要がある。

当初書かれた、この得られた知見の内容は、つまりどのような場合でも安全側設計のため付加曲げモーメントを加算しなければならないという結論です。しかし一般的に付加曲げモーメントは、剛度差が小さい場合には不要だとされてきたものです。そのような一般的な認識と矛盾するわけです。これでは試験官の合意を得ることができません。

そこでご提案したのは、この業績の1番の知見は何かというと、付加曲げモーメントのどの時点から加算すべきかという見極めができたということではないかと考えました。これまで曖昧であった付加曲げモーメントを加算するか否かの判断を明確に剛度差いくつを境にして加算の可否を判断するようにすればよいと考えたわけです。

このように本講座の申込書を指導では、業績の一つ一つに置いて専門家らしい知見まで含めて、矛盾がなく試験官に納得しやすいような形で表現できるよう指導しております。
この結果口頭試験では、試験官から見て「この受験者は独創的で汎用性の高い貢献をしていることから、コンピテンシーが高いと考えられ、不合格にしてはならない」という気持ちを起こさせるに違いありません。

事実本講座の受講者様の口頭試験の際に、試験官が面接の際に「あなたはこのことをどうして論文に書かないのですか。次論文にしてください」というコメントをもらうことがありました。同じような合格のサインを、試験官をして発せざるを得ないような業績づくりを目指しております。

2018年3月6日 建設部門、河川砂防科目の方の電話によるコーチング指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時00分から、1時間30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、河川砂防科目を目指す方で、居住地、山形から電話を用いて相談されました。ストックの活用法 答案をもとに話し合いました。

 この日提出された論文は、次の問題の解答でした。

河川、砂防及び海岸・海洋 H29 Ⅲ-1

 わが国では、高度経済成長期に社会的要請に基づき急速に整備した社会資本の老朽化に対して、厳しい財政制約の下、効率的に対応していく必要がある。そのような状況を踏まえ、社会資本の整備や維持管理の分野においては、既存ストックの有効活用を図ることが求められている。河川、砂防、海岸、海洋分野における既存ストックの有効活用に関して、以下の問いに答えよ。

(1)河川、砂防、海岸・海洋分野において、現在取り組まれている既存ストックの有効活用に資する具体的な取組の例を2つ挙げ、その概要を説明せよ。

(2) 今後、より積極的に河川、砂防、海岸・海洋分野における既存ストックの有効活用を推進していくに当たっての課題を2つ説明せよ。

(3)(2)で記述した課題に対して、それぞれの改善方策を提案せよ

 以下に、解答と講師による添削コメントを■の印の箇所に書き添えます。

解答

(1)具体的取組み例

1)破堤要因である越水・浸食・浸透の各外力に応じた対策により、河川堤防の強化を図る。 

 ■つまり何を提案しているのか。どうやって外力に応じた方法とするのか。技術士提案としての工夫が見えません。

2)砂防堰堤をグラウンドアンカーで補強することにより、転倒・滑動の安定条件を満足させ長寿命化を図る。

■これは合理化の意図か? 解答趣旨を明らかとする必要があります。

(2)有効活用推進の課題

1)堤防天端舗装・裏法面の合成繊維と植生による法覆う工の補強により、破堤要因の中で最も多い越流水に対する補強対策を実施する。

■作業内容ではなく技術者が解析すべき技術課題は何かを示す。

2)砂防関係施設維持管理(予防・事後・観察・無点検)のサイクルを継続的実施する。 

■これは基本事項、河川砂防の技術者として最低限のことにすぎません。よりよく維持管理するために技術者が解析すべき技術課題は何か?それがコンピテンシーです。

(3)有効活用の改善方策

1)土により堤防高を高く・天端を広く・裏法勾配を緩くする十分な堤体断面の確保を併せて行えばコストをかけず、より越水破堤を防止することができる。

2)砂防関係施設維持管理に加え点検・健全度評価を実施することにより、劣化が健全化する前の補修ができる。

 スカイプコーチングではこれらの添削の指摘を補足するとともに、ではどう書いたら正解できるのか、ご自身の体験の中からベストの答えを引き出すようにしました。

最初の提案では、現場の取り組みを示すことに集中し、あれこコメントを発散させるのではなく、具体例の紹介に徹底することにしました。

「(2)有効活用推進の課題」では最低限の維持管理ではなく、有効活用を意識してさらに効果的に行うための技術課題を設定するようにしました。その結果、翌日には問題が解決し、修正答案を作成することができました。

解答

(1)具体的取組み例

1)既設堤防の天端や裏法を保護工で覆うことで、耐久性・低コスト・短期間施工が向上され、越水による被害を軽減させる。

2)鋼管を格子状に組み合わせた構造をもつ鋼製透過型砂防堰堤へ改良することで、土砂を流下させる。

(2)有効活用推進の課題

1)保護工は、越水の卓越方向が多様であり、越流水による引張力に耐え得る材質・堤体変化に追随できる・一部決壊しても機能が確保できるものとする。

2)鋼製透過型砂防堰堤は、流下してくる土石流の貯留や減勢による耐流体力・洪水時に巨石と流下する土砂を分離する機能が確保できるものとする。

(3)有効活用の改善方策

1)通常、保護工の裏法は植生で覆うが、一か所浸食を受けると以後耐浸食性を示さず、また浸食に対する強さは生息状態に影響を受ける。

よって、疲労浸食に強くブロックが越水流により上下に変動しても切れ抜け落ちない連結材を用いた連節ブロックを設置する。

2)鋼製透過型砂防堰堤として、実績があり古くから鋼管によるフレームをコンクリート基礎に固定した鋼製スリット型堰堤が一般的である。

これに対し、さらに、土石流衝撃力を向上せ巨石を確実に補足し土砂を流下させる、上流側に緩衝桁を配置し鋼製トラス構造のI型スリット堰堤を設置する。

  技術士試験では、いきなり対策方法を求めるのではなく、現状分析を行って自ら問題点を抽出してそれに対する技術課題を設定するという、すなわち分析力が求められるようになりました。このため国土交通白書を闇記して備えよう書き出すという方法では合格出来ません。

 今回ご相談されたT様も普段行政に携わり国土交通政策には相当詳しく日常的に携わっているようです。しかしこの問題のような、普遍的な現場を取り上げて、そこに問題点を発見し、独自の課題設定を行っていくという問題形式では、分析力が発揮できず苦慮されたようです。こうした分析力というのは技術者のコンピテンシーの1つとなっており、今後も重視されるに違いありません。

 技術士の勉強では、暗記した知識に頼ることなく、毎回問題を読んで分析して正しく答えることが必要です。そのような練習を重ねることによって、プロエンジニアとしての判断力が養われて、問題は変わってもぶれることなく正解できるようになるのです。当研究所では添削指導において答案の語句の直しではなく、考え方の転換を指導するようにしております。そうすることによって、受講者様が自ら修正の方向性をつかめることができるからです。こうした、何が合格の尺度であるかということを早くつかむことによって、合格への心構えがしっかりとできると考えております。

2018年3月3日 建設部門、河川砂防科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は16時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は建設部門、河川砂防科目を目指す方で、居住地の愛知県からスカイプを用いて相談されました。

 まず、この1週間前に提出されていた業績論文では、問題点と解決策の分析がうまくいっていませんでした。それは次のような内容となっていました。検討過程で用いる課題様式「技術的体験チェックシート」の項目4-1と4-2を、順次1から5のチェックシートの修正段階ごとに示します。

1

4-1 技術的問題点

①    既往の〇〇解析ではピーク水位、流量については計算値が実績と整合しているのに対し、波形については10㌫(〇センチ)も誤差が生る。これはモデル上幹線水路のみをモデル化しているためである。〇〇時の水位上昇が1時間に〇センチ程度であり、内水ポンプへの停止依頼からから停止までに1時間を要することから〇センチの誤差は大きすぎる。

②    一般的〇〇解析モデルの堀込河道への排水方法は堤防越流モデルが多く堤防が不連続となっている理由で10㌫もの誤差が生じてしまう。

③    一般的な〇〇シミュレーションでは出発水位を朔望平均満潮位として〇〇事象だけを対象にしていた。しかし最近、高潮時の長期水位上昇が発生しており、さらに水位が上昇する危険性があった。

4-2 解決策

①    河道追跡を安定化するため、〇〇解析モデルの降雨初期の集水性をモデル化して、誤差を2.5㌫(5センチ)以下に改善した。ポンプ停止水位を5センチラウンドで設定していることより誤差を5センチ以下としたい。

②    堀込河道区間の河道への排水方法を越流モデルと樋管モデルを組み合わせることで誤差を2.5㌫以下に改善した。

③    従来の〇〇モデル以外に高潮モデルを加えることで安全側の評価とした。

 この状態では問題の趣旨やねらい、問題点を取り上げ挙げる理由がよくわかりませんでした。文章が冗長なせいもあって読み取りにくいという問題もありました。

そこでまずは簡潔に内容表すことをご指示申し上げました。その結果、次のように修正されました。

2

4-1 技術的問題点

①    既往の〇〇解析では、計算値と実績が整合していない。堤防決壊を避けるために必要な準備時間での〇〇上昇に相当する〇センチの誤差は大きすぎる。

②    一般的〇〇解析モデルの〇〇河道への排水方法は堤防越流モデルが多く堤防が不連続となっている理由で〇センチもの誤差が生じてしまう。

③    一般的な〇〇シミュレーションでは、〇〇事象だけを対象にしていた。しかし最近、高潮時の長期水位上昇が発生しており、さらに上昇すると堤防が決壊し、浸水被害〇〇戸被害総額〇〇億円となる。

4-2 解決策

①    河道追跡を安定化するため、〇〇解析モデルの降雨初期の集水性をモデル化して、誤差を5センチ以下に改善した。

②    堀込河道区間の河道への排水方法を越流モデルと樋管モデルを組み合わせることで誤差を5センチ以下に改善した。

③    従来の〇〇モデル以外に高潮モデルを加えることで安全側の評価とした。

 この上記の答案では一応、説明しようとする努力は感じられましたが、最終的な結論に結びつく分析や対策とはなっていなかったために、やはり読み手側が推論しないと意味がわからないという問題がありました。

 そこで、答案に加筆して正解を示し、添削する方向性を詳しくお伝えしました。

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4. 技術的問題点と解決方法

4-1 技術的問題点

①    既往の〇〇解析では、計算値と実績が整合していない。ポンプ停止が含まれてないため〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇となり堤防の決壊危険性がある

②    一般的〇〇解析モデルではたとえ〇〇を改善しても〇〇のため〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇となり堤防の決壊危険性がある

③    一般的な〇〇シミュレーションでは、〇〇事象だけを対象にしていた。しかし最近、高潮時の長期水位上昇が発生しており、さらに上昇すると堤防が決壊し、浸水被害〇〇戸被害総額〇〇億円となる。

4-2 解決策

①    〇〇のため、〇〇解析モデルの降雨初期の集水性をモデル化して、誤差を5センチ以下に改善した。  (←これはどういう意味か、何故これを書いたか理由が不明)

②    堀込河道区間の河道への排水方法を越流モデルと樋管モデルを組み合わせることで誤差を5センチ以下に改善した。 (← どういう意味か不明)

③     従来の〇〇モデル以外に高潮モデルを加えることで安全側の評価とした。

 その後、いただいた答案においても、問題の焦点やその背景、そして対策のねらいなのがよくわからない状態が続いていました。こうした業績の骨子に関する部分ついての周辺事項がわからないと、業績に対する正しい評価が得られません。そこでこの日、最終的に、受講者様からいただいた答案に対して直接解決修正して添削を行うことをいたしました。その結果、的確に意味が通じる業績論文の骨子が出来上がりました

4

4-1 技術的問題点

①    既往モデルでは降雨初期の水路を通じて河川に早く流入する集水性を考慮していないため計算値と実績に〇センチ(〇〇上昇時間で1時間)の差が出ている。この精度が悪いモデルからポンプ停止水位を設定することは、ポンプ停止が遅れ堤防の決壊危険性がある。

②    一般的な〇〇シミュレーションでは、〇〇事象だけを対象にしていた。しかし最近、高潮時の長期水位上昇が発生しており、さらに上昇すると堤防が決壊し、浸水被害〇〇戸被害総額〇〇億円となる。

4-2 解決策

③    解析精度向上のため、〇〇解析モデルの降雨初期の小水路から幹線水路が満杯になるまでは到達時間が早い通常の流出現象として取り扱う集水性をモデル化して、誤差を5センチ以下に改善した。

⑤    新たに作成した詳細な〇〇とポンプ稼働を考慮した高潮モデルに、実績潮位と実績降雨波形を確立降雨1/100に引き伸ばした外力で解析することで安全側の評価とした。

 この結果をもって、受講者のS様は、内容的に完成したと判断したので、提出形の業務内容の詳細にこれらの結果をまとめることにしました。チェックシートから業務内容の詳細はテンプレートがあって、テキストを流し込むだけですぐに出来上がりました。出来上がった業務内容の詳細の技術的問題点と解決策の提案をご覧ください。簡潔に技術内容がまとまっていて、一読して技術士にふさわしいと読み取れる内容となっています。

5

1. 立場、役割  省略

2. 業務概要  省略

3. 技術的問題点 既往モデルでは降雨初期の水路からの流入がなく、水位の計算値と実績とは堤防破堤の危険となる〇センチもの差が生じた。また、最近、高潮時の長期水位上昇が発生し、〇〇と高潮の複合型災害も予想された。

4. 解決策の提案 ①〇〇モデルの精密化:〇〇解析モデルの降雨初期については、等流計算により流入量を求め距離による時間遅れを考慮して河川に流入させるようモデルを改良した。この結果、水位の計算値と実績との差を5センチ以下に改善した。

〇〇と高潮の複合型災害:詳細な〇〇と〇〇ポンプ稼働をモデル化した。外力には実績潮位と確立降雨1/100を使用して潮位と〇〇のピークに降雨波形を合わせて解析した。この結果、高潮時には新たにポンプ停止水位の基準点と下流部の排水調整エリアを設けてポンプ運転調整することでポンプ停止時間を短縮し、〇〇安全度を向上させた。 

5. 成果 省略

 以上、建設部門河川砂防科目のS様の業績論文作成についてのご説明をしました。

 本講座の指導では、各種チェックシートと音声ガイドをコーチングによってどんな難解な業績であろうとも、その業績が抱えている最大の技術的課題を的確に捉えて、対策を明確に提案するという書き方を指導しています。このため、業績に不安を抱えている方、またこれまでの口頭試験でプレゼンが不調に終わった方でも十分口頭試験を突破できるように指導しております。

 こうした申込書段階でのコーチング指導については高い満足を頂いており、その様子がアンケート調査結果より読み取れます。もしよろしければ、各受講者様が異口同音に挙げている講座の満足度をご覧ください。

2018年2月18日 建設部門、河川砂防科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は15時00分から、1時間30分間行なわれ,その受講者様は建設部門、河川砂防科目を目指す方で、場所は山形から電話を用いて相談されました。

 内容はハザードマップの作製手順、同活用上の留意点についてです。問題は平成29年Ⅱ−2−1です。

 近年、想定を上回る規模の災害の発生も見られる中、ハード対策に加えて被害想定範囲等を示したハザードマップを活用したソフト対策の重要性が増していることを踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1 ) 河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を選択し、被害想定区域の設定からハザードマップの作成に至る手順を概説せよ。

(2) (1)で扱ったハザードマップについて、活用上の留意点を述べよ。

あらかじめこんな答案をいただいていました。

(1)砂防分野のハザードマップ作成に至る手順

1)地形図により土砂災害のおそれのある地形条件を有する箇所の抽出

2)抽出箇所の土砂の堆積状況や地形条件等を現地で調査し被害区域を設定

 3) 住居・土地利用を調査し、被害区域での避難地情報等を決定

4)ハザードマップへの記載事項

土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域

②避難地・避難経路

③災害時の自治会長・住民・行政・消防等の連絡方法一覧

③避難を促すための行政から住民への伝達手段、伝達経路

④雨量情報・土砂災害警戒情報等の取得方法や土砂災害警戒システムの活用法

⑤要配慮者施設の住所・連絡先 

(2)ハザードマップの活用上の留意点

1)避難経路での二次災害に備え、同一地区毎の避難行動をとる

2)土砂災害特別警戒区域内の建築物構造規制・立地抑制・移転支援を推進する

4)平常時の備え・緊急時の備えを確認し、年に一度の訓練でPDCA化を図る

5)住民からマップの定期的な意見聴取を行い活用しやすいものに更新する

それに対して、指摘、添削しました。

具体的に下記のように書き方を指定させていただきました。

(1)砂防分野のハザードマップ作成に至る手順

1)地形図により土砂災害のおそれのある地形条件を有する箇所の抽出

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

2)抽出箇所の土砂の堆積状況や地形条件等を現地で調査し被害区域を設定

 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

3) 住居・土地利用を調査し、被害区域での避難地情報等を決定

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

4)ハザードマップへの記載事項

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

1〜4の手順を偏りなく補足してください。

 (2)ハザードマップの活用上の留意点

1)避難経路での二次災害に備え、同一地区毎の避難行動をとる

  非難の話のみであって、ハザードマップが出てきません。ここはハザードマップについて処置を書くように。

2)土砂災害特別警戒区域内の建築物構造規制・立地抑制・移転支援を推進する

 建築行政の指導に用いて法の運用を誘導する・・・そこまでのものでしょうか。話が重すぎませんか。そもそも行政は縦割りなので無理があります。

4)平常時の備え・緊急時の備えを確認し、年に一度の訓練でPDCA化を図る

     「PDCA化」?つまり何するのか。これはハザードマップと何の関係あるのですか。本題からそれたら△です。

5)住民からマップの定期的な意見聴取を行い活用しやすいものに更新する

     趣旨は悪くはありませんが、受け身的で主体性がありません。

このほかメールで次のように指導しました。

(2)はご自身ではハザードマップのことを考えて、「こうあれ!」として書かれているのでしょうけれど、文面にはハザードマップのことは何も書かれていません。

 訴えの趣旨、すなわち最も大事な点を読み手の推論に依存するような書き方は△です。試験答案ですから、提案するようにしてください

 コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年2月15日 機械部門、ロボット科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時00分から、1時間30分間にわたって行なわれ,その受講者様は機械部門、ロボット科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。ロボット科目としての業績の本質の表し方をご相談しました。

 当初の業績内容は次のようなもので、ロボット制作の全体像がつかみにくいものでした。

屋外設置ロボットの設計補佐、H=〇m、重さ〇t、〇〇のセルフロックによる安全確保コストダウン10%
人間型ロボット設計補佐、空気圧シリンダ選定メンテナンス時間30%減
〇〇頭部演出ロボット設計も〇m×〇m×〇m〇〇分析を用いた感情表現演出、集客前年比20%増
清掃ロボットアーム計画、4自由度アーム、距離画像センサを用いた全身トラッキングによりコストダウン5%
〇〇社向け〇〇提案ロボット設計、〇m×〇m×〇m距離画像センサの深度計測から行動推定により、コストダウン30%

 そこで、業績についてヒアリングし、ロボットとしての必須要素を洗い出していきました。

 この方法として、業務経歴チェックシートに基づいて、項目を相談しながら作成していきました。用いた業務経歴チェックシートは次のようなものです。

この指導においては、次のようなことに留意してコーチングしました。

  • ロボットの本質的な業務にかかわることは何か。
  • 補助的な業務や、メインではない手段的な作業は排除する。
  • 単発の作業ではなく、概念的な課題を挙げる。
  • 貢献と成果をリンクさせる。
  • 成果は経済的な表現とする。

などです。

 その結果できたのは次のようなロボットマネージャーとしてふさわしい業績です。

〇〇像型ロボット設計H=〇m、〇t、動力〇kW3Dシミュレーションを利用したCAEにより自由度を削減コストダウン10%

〇〇型人間ロボット設計〇cm、動力4kW、表情あり〇〇材有限要素解析法を用いて表皮厚を最適化コストダウン30%

感情表現型ロボット設計〇m×〇m×〇m、〇〇分析、〇〇モデルへの感情マッピング感情表現度up

〇〇工場の掘削ロボットアーム計画〇自由度、〇センサ、〇〇計測技術にて人体動作トレース、コストダウン5%

〇移動型〇〇空間計測ロボット設計〇m×〇m×〇m、距離画像センサ、接触センサ〇〇計測技術により、〇〇行動計測コストダウン30%

 当研究所では、このように業績作成で行き詰まると、間髪を入れずに面談やスカイプ、電話相談を取り入れて問題点を整理して、適切な解決法を提案しております。この結果短時間で技術士にふさわしい業績を作成することが可能なのです。    

  コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年2月10日 電気電子部門、情報通信科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は17時00分から、30分間に行なわれ,その受講者様は電気電子部門、情報通信科目を目指す方で、場所は東京からスカイプを用いて相談されました。次のような内容でした。

筆記試験再現答案の敗因分析方法

 すでに筆記試験を体験されて、不合格となった方の場合は、まずその原因を究明して次年度試験にむけて対策方針を練ることが役立ちます。この日相談されたらT様も前年度に筆記試験を受験されて不合格となり、その原因究明が急がれていました。講座では既に受験された方については、筆記試験再現答案を作成し、答案を試験結果の評価(A、B、C)と照らし合わせて、そのような評価に至った原因究明することを指導の1つとして行っております。この敗因分析によってこれまでの勉強方法の問題点を明らかとし、そして次年度対策を立案できます。     

再現答案の作成

敗因を分析される前に、その前提となる再現答案を作成してもらうこととなっております。具体的には、講座の指定用紙にワードの文書として作成し、できるだけ忠実に試験当日の答案を再現することを求めています。これをもとに敗因を分析します。

2. 答案の自己評価

2.1 直接の答案評価

答案を試験結果の評価(A、B、C)と照らし合わせて、そのような評価と判断されるに至った要因を類推します。ここで、評価のB、Cはそれぞれ次のような意味と考えますので、それにふさわしい要因がご自身でも想定されると思います。

評価B 出題者の意図に答えられていないところがある

評価C 解答内容が出題者の意図とかなり違う

※実際の評価も知りたいため、試験センターの評価、自己評価の両方書き込んでもらって、その両者のギャップがなぜ生じたかについても議論します。

2.2 答案の敗因(遠因含む)分析

 上記の原因分析をさらに進めて、なぜそのような状況に至ったかについて考えてもらいます。その時、次のチェックリストに照らし合わせて、自己評価ではなく、具体的にそのようなことがなかったかどうか考えながら客観的に分析してもらいます。結果は敗因分析チェックシートに書き込んでもらいます。

表1 敗因分析のチェックリスト

№           チェック事項      

  • 出題意図を正確にとらえていなかった          
  • 問題文、図表の意味を十分読み取れていなかった      
  • 出題意図の本質的内容(中心)について十分掘り下げた内容になっていなかった    
  • 出題意図と若干違うこと(周辺事項)を正解と考えて、何も疑問に思わずにそれが正解、またはそれも含めて正解だと思って書いてしまった   
  • 与えられた用語について意味を正しく理解せずに解答していた             
  • 専門知識が不足していた。だから書ききれなかった。または違う知っていることを書いてごまかした。      
  • 時間的な余裕がなく、書くのが精いっぱい。考える余裕がなかった      
  • 下書きせずにいきなり書いた。誤りに気付いて大修正した 

3. 技術士に求められる能力資質とは

その他、技術士に求められている資質能力についても答案に表現できていたかどうか自己評価してもらいます。

  • 問題・課題をそしゃくし、自分の持っている知識や技術を基礎にして、不足する知識・技術を身に付けること。
  • 該当する能力のある人材/組織を活用して目的を達成する、問題を解決する能力(取りまとめ力・管理能力)。特に昨今はプロジェクトの規模が大きく複雑化し、自分の専門分野以外の広い知識分野も協調させて目的を達成しなければならないケースが多い。
  • 自らの専門分野の知識・見識を幅広く有して、業務上の課題発見・分析能力、様々な制約条件下での対策案を企画立案できる能力
  • 自己の技術分野のみならず、全体的に技術を見通すこと、問題の発見能力と解決能力
  • 全体を俯瞰し総合的に検討しコーディネートする能力
  • 技術をベースにした問題解決能力
  • プロジェクトマネジメント能力(成果の品質、工程、コスト、人材等の投入等を管理できる能力)
  • 万一事故が発生した場合の影響を十分に認識し、社会に対する責任を常に持つ

まとめ

前記の作業の結果をまとめて、それらをもとに講師が答案添削・評価を行い、敗因の確認と分析、正解に至る提案を行います。

 以上、敗因分析方法について述べましたが、この作業は正解に至る方法論をつかむための指導です。ただ単に正解答案を作って終わらせるのではなく、次年度の試験で必ず正解に到達するにはどうすべきかについての確信(方法論)がつかめるように考えながら行ってください。つまり、大事なことは、

  • 敗因からご自身の弱点を知る
  • 結果の善し悪しより考え方が大切
  • 自分で0・ゼロから考えを組み立てる力 を得ること
  • です。そして、この具体的方法として
  • 他人に論文を読んでもらって意見を聞く
  • 何が良く(悪く)評価されるかを知る
  • 善し悪しの程度、60点のライン知る
  • 改善する場合の答案作成のねらいを話し合う

ことが役立ちます。

  コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年2月8日 化学部門、セラミクス、無機化学科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は21時00分から、30分間になわれ,その受講者様は化学部門、セラミクス、無機化学科目を目指す方で、場所は東京からスカイプを用いて相談されました。S様は化学部門のどの科目で受験するが悩みを持たれていました。というのは業績の概要が無機化学か有機化学か特定できず、かつ装置に由来する領域も含んでおりました。このため、前の年度は化学装置で受験されました。
 しかし今年は冷静に考えると無機化学やセラミックスに関連が深いと考え、化学部門・セラミックス及び無機化学製品で受験することを決めました。

 その後業務経歴を作成されて不安に思われたので相談することとなりました。
 S様の業績は次のような内容となっています。(一部省略いたします)

  業務名 職務内容 物件規模、形式 応用技術、貢献 成果
1 〇〇セラミックス表面に付着する塵埃の乾式除去に関する 研究 (Dp=〇〇µm) パルスエアジェットにより 除去率向上の発見
2 〇〇造影剤の固結防止策の 計画、設計 (〇〇人分/年) 工程中、添加物のガラス転移抑制で 固結発生100%減
3 〇〇造影剤の原料微粒子の 計画、設計、評価 (Dp=〇〇µm) 湿式粉砕法により 原価従来比〇%削減
4 経口〇〇洗浄剤の 計画、設計 (〇〇Mg・5水和物) 溶媒媒介転移の抑制、噴霧乾燥の採用で 原価従来比40%削減
5プレゼ 〇〇型乳剤(消泡内用液)の 設計、評価 (油相:〇〇剤) シリカ粒子添加によるミセル浮沈制御により 3年間の安定性確保

 本講座では電話やスカイプを用いた相談によって、こうした業績作成途中段階での相談に随時対応することにしています。この日も何日かの内から時間調整を行い夜21時から相談することになりました。

 業績についてあらかじめいただいておりました業務経歴チェックシートをもとに、一つ一つ業績を確認していきました。

S様のご心配は、中心と考えている無機化学に対して、 一部有機化学の業績も含まれているので、全体としての整合を図れるのか心配ということでした。
 しかし、これは全然問題ありません。たとえ無機化学の業績であっても、有機化学の試験や体験、理論を応用することは必要なことです。技術士の能力としてこうした他部門の力を応用して目的を達するということが示されています。

 すなわち技術士の資質能力とは、 1番は問題・課題をそしゃくし、自分の持っている知識や技術を基礎にして、不足する知識・技術を身に付けて解決することです。
 しかしそれ以外に、取りまとめ力・管理能力というのも求められています。これは自分にはないが、問題解決の能力のある人材/組織を活用して目的を達成する能力 のことです。特に昨今はプロジェクトの規模が大きく複雑化し、自分の専門分野以外の広い知識分野も協調させて目的を達成しなければならないケースが多いのでそこまで必要となっているのです。

 こうした相談の結果、業績の大部分は無機化学に相当しており、一部は有機化学に相当していますが受験する科目はセラミックス及び無機化学で問題ないとわかりました。
 本講座ではこのようにスカイプや電話を利用したコーチングによって、疑問点を早期に解決し、答案練習に集中できるように講座を運営しております。
 S様は「大手セミナーの添削ではここまで細かく見てもらえませんでしたので、大変参考になりました。」と感想を述べられていました。
 本講座ではこうしたスカイプ電話によるコーチングを随時受け付けておりますのでぜひあなたもご活用されて合格にお役立てください。    

   コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年2月8日 機械部門、熱工学科目の方の電話による指導

 この日のコーチングによる指導時間は17時00分から、40分間に行なわれ,その受講者様は機械部門、熱工学科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。機械部門熱工学のA様は順調にⅡ-2問題を解いてこられて実力をつけられてきました。

 しかし次の段階としてⅢ問題を解こうとしたところ、急に問題の答え方のスタンスが違うことに気づかれて苦労されていました。Ⅱ問題では機械部門・熱工学の専門知識や応用的主体でしたが、一方Ⅲ問題ではマーケットの熱工学技術成果に対する需要や技術応用の知識が要求されるからです。具体的に問題をご説明しましょう。

問題文は次のようなものでした。
--------------------------
Ⅲ-1

 エネルギー自給率が低い日本においては、特定のエネルギー源への依存を過大としないことが求められており、地球温暖化対策と合わせて再生可能エネルギーに一定の期待がされている。このような現状を背景として、技術的観点から、以下の問いに答えよ。
(1)エネルギーセキュリティ向上及び地球温暖化対策のためには、国産の再生可能エネルギー利用促進が期待されるが、どのような国産の再生可能エネルギーが考えられるか。3つ挙げて説明せよ。
(2)日本において、エネルギー源の一定量を海外から導入する場合、地球温暖化対策を考慮して何が将来のエネルギー源となるか考えを述べよ。
(3)(2)のエネルギー源を使用した発電システムを1つ挙げ、その構成例と特徴及び課題について述べよ。
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 これに対して俺様も最初の解答は次のような内容となっていました。
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1.国産の再生可能エネルギー
1−1.太陽光発電 
 半導体の一種である太陽電池によって、太陽光エネルギーを直接電気に変える。太陽光を直流に変える太陽電池と、直流から交流に変換するインバータで構成する。
1−2.風力発電 
 風の運動エネルギーの最大40%程度を電気エネルギーに変換することができる。効率は周速比によって異なることから、風速に適した回転速度が重要となる。
1−3.地熱発電
 地熱貯留層から高温の蒸気と熱水を取り出し、気水分離器で分離した後、蒸気でタービンを回して発電するため天候に関係なく安定して発電が可能である。
2.地球温暖化を考慮した将来のエネルギー源
 地球温暖化が深刻化する中で、電気や熱への変換時において水素が以下の理由で有力であると考えられている。
2−1.無尽蔵かつハイパワー 

水や化合物として存在し、単位重量当たりの発熱量がガソリンの2.7倍。
2−2.エネルギー媒体 大容量の電力を長時間貯蔵する電力貯蔵媒体に適している。
2−3.エネルギーセキュリティ 水電解や燃料改質、自然エネルギーから製造可能でエネルギー自給率向上につながる。
3.水素を利用した発電システムの構成例と特徴及び課題
 発電システムとしては燃料電池システムが挙げられる。
3−1 構成例 
 アノード側に水素、カソード側に空気を供給し、化学反応を発生させて直流電力を出力する燃料電池スタックと、水素と酸素の化学反応を安定化するために燃料電池スタックの温度を一定に保つ冷却水回路と冷却水ポンプと、燃料電池スタックから出力された直流電力を交流電力に変換するインバータから構成される。 
3−2 特徴及び課題 
 燃料電池システムは水素の持つエネルギーを直接電気エネルギーに変換するため、エネルギー損失が非常に少なく、発電効率が高い。また、携帯用電源として持ち運べる程、小型化が可能であるので、自動車や家庭において自立型分散電源として使用できる特徴がある。
課題としては、燃料電池スタックにおいて使用している触媒中の希少金属の価格が高価であり他の化石燃料を使用した発電システムよりも高価となるため、発電コストの低減が挙げられる。

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 さて添削結果の説明です。問題ⅢではⅡと違ってここの技術提案をするわけではありませんので、機械部門、熱工学の全体像を俯瞰的なマーケットや技術営業に関する意見が必要です。
 「1.国産の再生可能エネルギー  1−1.太陽光発電」では Ⅱ-1と同じような専門知識に基づいた技術解説がされていますが、ここではエネルギー市場の中で太陽光エネルギーがる位置づけをされているかというような、もっと大きな視点が必要です。まずはこうした再生可能エネルギーがどれだけ存在しているか賦存量が焦点になるかと思います。
 次に再生可能エネルギーを考えるときに欠かせことができないのがエネルギーの買取コストです。こういった経済的事情によってエネルギーの将来性が大きく左右されるからです。そして最後にエネルギー自給というセキュリティ問題 についても着目しなければなりません。

 このような視点で考えて行くとなると、たとえ解答として水素エネルギーを選択されたとしてもその選択理由が違ってくると思います。上記で回答としてA様がお書きになった「単位重量当たりの発熱量がガソリンの2.7倍」とか「大容量の電力貯蔵媒体に適している」は視点がミクロすぎてふさわしくない ということがわかるかと思います。

 またエネルギーセキュリティについては、問題文に「日本において、エネルギー源の一定量を海外から導入する場合」と書かれていることから、水電解や燃料改質などによって、国内で自給できるものは対象外 であるということがわかるかと思います。このように問題文を深読みすることによって大きな減点を回避できる可能性があるのです。

 3に書かれた発電システムの構成例と特徴及び課題とは、A様が日頃業務で行っている、いわば得意分野の内容です。「アノード側に水素、カソード側に空気を供給し・・燃料電池スタックと、水素と酸素の化学反応を安定化するため・・直流電力を交流電力に変換するインバータから構成される。」と力説されていました。これだったら自信持っていくらでもプレゼンできそうです。

 しかしこうした得意分野の内容は、それに影響されて答えを誤った方向に誘導する危険性もあります 。A様も実際にはこの添削の後に誤りに気づかれ大きく修正されました。問2の解答方針がもし誤りであったとしたら、 問い3の解答は即座に別な内容に修正する必要があります。臨機応変に対応する必要があるといえます。

 そして実際の正解の答案は次のようになりました。

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正解

1.国産の再生可能エネルギー
1−1.太陽光発電 
国内では再生可能エネルギーの12.5%を占める。固定価格買取り制度を推進力として今後も普及が進むと考える。本体や施工などの低コスト化が重要である。
1−2.風力発電 
コストにおいて既に火力発電と遜色ないレベルまで到達している。今後は出力変動に対する系統の受入能力を高めること、そして系統運用の広域化が必要である。
1−3.地熱発電
資源量としては世界3位の賦存量を誇り、出力が安定的で発電コストもLNG火力発電に匹敵する。今後は温泉事業者の理解を得ながら、地元と共生した持続可能な開発を進められるかが鍵となる。
2.地球温暖化を考慮した将来のエネルギー源
CO2排出量の観点ではLNG火力発電は石炭火力発電の半分のCO2排出量であり、化石燃料の中では最も有利である。また、エネルギーセキュリティの観点ではLNGの海外調達先は他の化石燃料とは異なり一極集中ではなく広く分布しており、より安全に日本へ導入できると考えるため、LNGが主力のエネルギー源になると私は考える。
3.LNGを利用した発電システムの構成例と特徴及び課題
発電システムとしてはコンバインドサイクルが挙げられる。
3−1 構成例 
1段目にガスタービン、2段目に蒸気タービンを設置し、さらに発電機、復水器、排熱回収ボイラから構成される。 
3−2 特徴及び課題 
特徴:燃料を運動エネルギーに変換するガスタービンと熱エネルギーを運動エネルギーに変換する蒸気タービンの2段階のエネルギー変換を用いる。熱効率が54%と非常に高いためCO2削減効果が高い。
課題:
①冷熱利用 LNGは非常に低温であるため、都市ガスとして活用する際において加温や昇圧のために非常に多くのエネルギーを消費する課題がある。LNGから都市ガス製造時における消費エネルギーを低減するために液体ガスの製造、冷熱発電等などの冷熱利用によるエネルギーの有効利用が必要であると考える。
②輸送コスト LNGは埋蔵拠点が世界各地に分散しているため、埋蔵地点が集中している他の化石燃料と比較して輸送コストが高額になるので、数社での共同調達の促進取り組みが必要であると考える。
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 問1では広い視点でエネルギーの分析が行われていますし、問い2では輸入すべき将来のエネルギー についてLNGを選択されています。そして問い3ではその構成および特徴、課題について具体的に述べているためを理想的な答案を作成されたということです。

 このように本講座の指導では、簡易形式の答案によって骨子の作成の仕方を学び、短い回数で正解に至る考え方を習得できるようになっています。今までの添削指導で合格できなかった方でも、試験官の採点方法がかかるため得点するためのコツが掴めるかと思います。そしてクイックレスポンスの指導によって短期間に合格力を高められますので直前にしたとしても合格力を付けられる事は間違いありません。 

コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせてスピードラーニング指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年2月7日 衛生部門、空気調和科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は11時00分から、30分間行なわれ,その受講者様は衛生部門、空気調和科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。
 衛生工学部門空気調和科目のY様は業務経歴を作成で悩まれていました。一応の成果を表現するところまでは良かったのですが、技術的なポイントを絞り込むに至っていませんでした。

 そこで講座の課題フォームである業務経歴チェックシートに従って指導を進めてきました。当初策定した業務経歴は次のような内容となっており、業務の「物件規模、形式」と「応用技術、貢献」の項目があまりふさわしいとは言えませんでした

「応用技術、貢献」の欄を見てみますと、次のようになっておりそれぞれチェックを進めていきました。

  1. 定速機からインバータ冷凍機、電子膨張弁採用による
  2. 低温換気の各部屋使い回しによる外調機風量減
  3. ブライン方式から直膨化
  4. 冷温水4管式から2管式変更再熱負荷無における
  5. 全熱処理から潜熱、顕熱分離冷却変更による

上記1から5についてコメントいたします。

「定速機からインバータ冷凍機、電子膨張弁採用による」はすなわち対策した内容は「インバータ駆動」であり、従前の状態である「定速機」についてはここで触れる必要はありません。

 

「低温換気の各部屋使い回し」では省エネの前向きな概念が伝わらないし、そもそも「使い回し」ではただの節約に過ぎません。そこで熱工学の概念である、温度の段階的使用を意味する「カスケード利用」、そして省エネにつながる「大温度差」という技術名を盛り込むことにしました。
 

「ブライン方式から直膨化」ではただの方式変更に過ぎません。また従来方式が必ずしも「ブライン方式」と決まっているわけでもありません。このような場合に大事な事は改善後の設備方式を明確に説明することであり、ここでは「ホットガスバイパス機能により高精度化」とまとめることにしました。
 

設備の複雑形から単純形に変更するという「冷温水4管式から2管式変更」はタダのスペックダウンであり、コストが下がるのは当然です。一方それに伴って性能もダウンしているはずであり、単純に改善とは呼べません。したがってここでは精密空調施設の性能アップをしながらコストダウンを行う「有害物質トレース、バリデーションによりVE」という貢献にまとめました。
 

「全熱処理から潜熱、顕熱分離冷却変更」では単なる変更にすぎず、技術貢献が明確となりません。そこで技術的な貢献を明らかとするためこの設計を行った技術応用の技術名、すなわち「熱流体解析、空気線図解析による低エンタルピー化」と表することにしました。これによって空気調和の本質的な技術が表現できるとともに、技術の幅の広さを表現することが可能となりました。

 本研究所の業績指導では、上記のように受講者様の業績が包含している専門科目の業績の貢献を、技術名も含めて読み取ることに努めております。このためご自身で気づかれなくても、業務経歴として本を主張すべき応用技術が何であるかをご指摘することが可能です。


 技術士合格への道研究所では、上記の業務経歴相談と同じようにすべての部門の方に対して業務経歴チェックシートを用いて、

  1. 業務名
  2. 職務内容
  3. 物件規模、形式
  4. 応用技術、貢献
  5. 成果

の5項目を整理するように指導しています。 

 この結果、単に成功に携わった物件名とか、研究名とか言ったら形式的な業務名称ではなく、エンジニアとしての技術貢献がいかに巧みであったかを表現することが可能です。 

 5つの業績内容は口頭試験で受験者の専門性を確かめる材料となり、その業績の貢献いかんによっては口頭試験の質問が厳しくなることが予想されます。これでは合格が危ぶまれますので、申込書作成段階から業績内容についてコンピテンシーを高めるような記述を行っていくことが安心して1発合格するためには必要です。 

 本研究所では業務経歴チェックシートによって5つの業績内容を、そして技術的体験チェックシートによって業務内容の詳細を効果的に仕上げるようにサポートしています。

2018年2月4日 衛生部門、建築環境科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時00分から、1時間00分間に行なわれ,その受講者様は衛生部門、建築環境科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。衛生工学部門建築環境施設のO様は平成29年Ⅲ問題で悩まれていました。その問題は次のような内容です。

 建築関連5団体は、今日の地球環境問題と建築との係わりの認識に基づき、「地球環境・建築憲章」を制定し、持続可能な循環型社会の実現にむかって、連携して取り組むことを宣言している。先ず、その骨子となる5つの方針とその概要を述べよ。次に、各自の専門領域において、その方針を実現するための技術を3つ提案し、それらの概要と実現に向けての方法と課題を具体的に延べよ。

 そして本講座の3段階答案作成法を用いて一応の完成答案を作成した訳ですが、しかし最後の課題の設定で十分な提案できかねていました。というのはこの問題ではテーマに適合する技術を3つ提案し、その課題を任意に展開する内容だったのですが、しかし意味のある巧みな展開となっていませんでした。

 O様は提案技術として「雨水・排水の再利用」を挙げて概要と課題を次のように述べられていました。

(概要)
 雨水や排水といった2系統の水源から得る、多元給水システムを採用し、雑用水として水資源の循環利用を図る。
(実現に向けての方法)
①屋上などから雨水集水し、スクリーンで固形物を除去し、更に沈砂槽・沈殿槽で微細物質を除去してからろ過及び消毒装置を経由して貯留後、ポンプ圧送する。
②排水は、手洗い・洗面などの低汚濁雑排水を集水し、生物膜ろ過処理・活性炭吸着・塩素滅菌処理を行い、再生利用水槽に貯留した後、雑用水として供給する。
(課題)
①各処理槽のコンクリート基礎工事等を削減させる為に、砕石やプラスチック材を利用した地下空隙貯留とした貯留と浸透機能を併せ持つ構造設計が課題となる
②膜処理性能を維持する為、乱流促進材の技術を開発させ、膜面での水の流束や乱れを制御する事により汚濁物質が付着しにくい流動条件とする事が課題となる。

 しかし、この1の課題では衛生工学の本質的な技術が出ていないし、 2の課題では膜処理を取り上げたのは良かったですが、しかしディテールの課題にすぎない汎用性の小さいものでした。これではエンジニアのコンピテンシーを大きく訴える事は出来ません。

 課題を提起するという能力は技術士のコンピテンシーの比較的高い能力と位置付けられており、今後技術士問題が難易度を増すにつれて出題される可能性が高いと予想されたので、課題について練習することにしました。

 O様が、その後最初に提案された課題は次のような内容でした。

①雨水貯留槽内などにおける藻類の増殖原因となる窒素やリンの除去処理を高める為、栄養塩類除去技術を開発させ、藻類除去による維持管理の削減 を図る事が課題となる。

②再生水利用とするトイレ器具水栓類に付着するスライムを抑制させる為に、供給先の貯留槽や送水過程での薬液注入を制御する事により、残留塩素の消費を抑制さ せる抗菌保持が課題となる。

③再生水の経済性を高める為、再生水として要求される水質に対し、所要の機能を満たす各処理施設のプロセスを複合化 した構造とする事により、建設、維持管理の両面で経費を削減させる事が課題となる。

④再生水処理過程の保守管理を容易化する為、ばっ気槽の次工程に膜分離処理方式を取り入れ、沈殿槽過程を省略さ せる事により、管理項目を少なくし、設備状況を簡易的な指標で把握できるようにする事が課題となる。

⑤再生水の需要拡大を図る為には、耐薬品性と物理的強度を持つセラミック膜と浮上ろ材による上高流ろ過とする高速繊維ろ過 を組み合わせた装置とする事により、再生水の水質向上と安定的に製造できるシステム構成とする事が課題である。

⑥再生水の利用促進を高める為には、渇水時などにおける利用転換の際の水質を担保するオゾン処理や膜処理技術といった処理方法を組み合わせる事により、全ての利用用途に適用した水質基準の再生水を造水させる事が課題である。

これらは色々な意味で問題を抱えていました。

①雨水貯留槽内などにおける藻類の増殖原因となる窒素やリンの除去処理を高める為、栄養塩類除去技術を開発させ、藻類除去による維持管理の削減を図る事が課題となる。
■課題の本質は末尾の「藻類除去による維持管理の削減を図る事が課題となる。」にあり、それ以前のフレーズは修飾語にすぎません。主題の文に比べて修飾子が長いと冗長感につながります
また「栄養塩類除去技術を開発させ、」とありますが、この栄養塩類除去技術とは何か具体性にかけています。

②再生水利用とするトイレ器具水栓類に付着するスライムを抑制させる為に、供給先の貯留槽や送水過程での薬液注入を制御する事により、残留塩素の消費を抑制させる抗菌保持が課題となる。
■この課題は問題ないみたいです。

③再生水の経済性を高める為、再生水として要求される水質に対し、所要の機能を満たす各処理施設のプロセスを複合化した構造とする事により、建設、維持管理の両面で経費を削減させる事が課題となる。
■「所要の機能を満たす各処理施設」では何のことかわかりません。また方法論についても「プロセスを複合化した構造」ってとありますが、そのような復号化によってなぜ経費削減できるのか肝心の技術的メカニズムがイメージできません技術課題を求めるということはその部門科目の技術をどのように応用するかということを確かめるためのものであり、その理由から応用技術が明確にイメージできるものでなければなりません

④再生水処理過程の保守管理を容易化する為、ばっ気槽の次工程に膜分離処理方式を取り入れ、沈殿槽過程を省略させる事により、管理項目を少なくし、設備状況を簡易的な指標で把握できるようにする事が課題となる。
■膜分離が簡便な方法であることが想像できますが、しかし膜分離によってなぜ「沈殿槽過程を省略」できるのか意味がわかりません。沈殿過程がなくなれば管理項目が少なくなるでしょうけれども、「簡易的な指標で把握できる」 かどうかは疑問です。

⑤再生水の需要拡大を図る為には、耐薬品性と物理的強度を持つセラミック膜と浮上ろ材による上高流ろ過とする高速繊維ろ過を組み合わせた装置とする事により、再生水の水質向上と安定的に製造できるシステム構成とする事が課題である。
■「再生水の水質向上と安定製造」は納得できますが、「耐薬品性と物理的強度を持つセラミック膜と浮上ろ材による上高流ろ過とする高速繊維ろ過を組み合わせた装置」では、まるで商品紹介のようであまりにもスペシャルな固有の手段すぎます。課題としてまとめるためには、技術課題にふさわしい汎用性が必要です。

⑥再生水の利用促進を高める為には、渇水時などにおける利用転換の際の水質を担保するオゾン処理や膜処理技術といった処理方法を組み合わせる事により、全ての利用用途に適用した水質基準の再生水を造水させる事が課題である。
■まず「渇水時の利用転換」とか「全ての利用用途に適用した水質基準」などねらいや言葉の意味が不明です。少なくとも課題としての意味やねらいがわかるように説明しなければなりません。

 O様の課題についての練習は、こうしたダメ出しを経て短期間のうちに技術士にふさわしい完成された課題となりました。課題をどう表現するかという事は、すなわちエンジニアがこれから自らどのように技術研鑽すべきかという選択を表しており、エンジニアの経験や哲学が直接的に反映されるものです。課題をどう考えるかは、暗記の勉強で学ぶ事はできず、上司から部下の技術継承を行っていくしかありません。本講座では個別コーチングの過程でそうした技術継承を行えるように指導しております。     

  コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2018年1月28日 衛生部門、建築環境科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は10時00分から、1時間00分間に行なわれ,その受講者様は衛生部門、建築環境科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。

 平成29年の衛生工学、建築環境の問題Ⅲ−1について、答案は完成したものの、最後のまとめに正解できていませんでした。問題は次のような内容です。 。

建築関連5団体は、今日の地球環境問題と建築との係わりの認識に基づき、「地球環境・建築憲章」を制定し、持続可能な循環型社会の実現にむかって、連携して取り組むことを宣言している。先ず、その骨子となる5つの方針とその概要を述べよ。次に、各自の専門領域において、その方針を実現するための技術を3つ提案し、それらの概要と実現に向けての方法と課題を具体的に延べよ。


 解答の末尾に相当する(3)では、提案した技術に関する課題を述べなければなりませんでした。
課題とは何かで悩む方は多いと思います。こうした言葉の意味を明確に意識生きれば正解率は高まります。しかしほとんどの方は曖昧に独自に解釈するため、このような設問で的確な答えができない場合が多いようです。

 今回ご相談のK様は、技術内容として再生水利用システムという資源循環に貢献する建築技術を取り上げました。そしてその課題を考えるところで悩んでいたのです。

K様の解答を列挙してそのお悩みのプロセスを見てみますと。


解答 貯留槽のコンクリート基礎工事等を簡素化する為には、
砕石やプラスチック材を利用した地下空隙貯留といった貯留構造とする事が課題となる。

添削 基礎工事は衛生工学、建築環境の領域外であるため好ましくありません。

解答 貯留槽容量や雑用水負荷に応じた雨水代替率を高める為には、気象データを利用した消費エネルギー算出を可能とした
BEST を開発させる事が課題となる。

添削 雨水代替率を高めるという目標はわかりますが、それに対して具体的にどうアプローチしたらよいのか
技術的な方針が見えません
 
解答 高いろ過処理効果を維持する為には、多孔質性ろ材に排水を下から上に流す上向流方式とする事により、目詰まりが起こりにくい構造とする事が課題となる。

添削 目詰まりに対しては有効性は感じられますが、しかしこのような
固有の材質、固有の方法でニッチな改善方法を訴えたところで技術士が取り組むべき汎用性のある課題 とはなりません。

解答 雨水利用システムの効率化を図る為には、雨水利用率や上水代替率及び再利用設備の年間エネルギー消費量算出を行う
BEST を取り入れた設計が課題となる。

添削 主要な課題に対して支配的因子を挙げて改善に取り組むという姿勢は良いのですが、ただしこの
「BEST」 という新開発技術に対して特別詳しく説明できる立場でなければ、あえてこのような材料を取り上げるべきではありません。ネットで得られた独創性の高いあるいは新規性のある技術は一見専門家らしい提案材料として都合よく見えます。しかし、ほとんど経験のないそのような技術が試験当日資料もなしに利用できるとは思えません。ですから解答に取り上げる技術はご自身の毎日の体験から得た確かな技術から選定することがベスト なのです。

解答 移送ポンプの負担を低減させる為、自洗式細目フィルターを開発させ、雨水貯留槽に流入する前段階での細菌類などの除去率を高める事が課題となる。

添削 再生水処理システムの部品の改善、工夫に関するコメントであって、
技術の汎用性があまり感じられません。

解答 オゾン処理や膜処理技術を普及させ、渇水時等における利用転換を効率的にする為に、それぞれの用途に即した水質を担保する処理方法とする事が課題となる。

添削 オゾン処理、膜処理は再生水の主要な技術ではありますが、その後の記述が漠然としすぎています。「
それぞれの用途に即した水質を担保する処理方法」では何をどうするかがわかりません。そもそも衛生工学として水質をどう改善するのか、その技術論が問われているのに、このような事務的な提案では改善の方針が感じられません。


以上、試行錯誤的に解答に試みてもらいましたが、この間期間は2週間程度、添削は約10回行われました。こう着状態に陥ったと判断し、講師の側から受講者様に相談を申し入れました。

 そこで、ご提案したことは、
再生水の現状と課題についてネット検索し、それらの資料を基に説明しました。資料は6件ありました。

 この問題で求められる「課題」とは技術的なものに限りますので、ネット上で多数ヒットする国や自治体の政策ページはカットします。給水の要求品質と再生水の品質とのギャップを埋める設備技術の提案のみを対象とし、このネットの記事から課題を読み取ってもらうようにお伝えしました。

 再生水の技術開発については、水道という公的機関による新規な領域であることから、技術開発に関する記事が少ないという問題があります。このため、
現実に問題となっていることを確認し、目標と現場のギャップから、設備技術として改善できる項目を探していけば正しい課題を策定できると考えたわけです。

 技術士合格への道研究所では、このように
受講者さんの悩みに講師が立ち会って、そこから何を見て技術提案しているかという具体的な技術コーチングを行っていきます。このためには専門知識だけではなく、技術経営的に必須要素が何かを見に行ったり、短時間で回答にふさわしい記事をネットから探して提供する必要があります。そのような専門的な作業のお手伝いをしております。このため技術士の部門や科目にかかわらず、すべての領域で技術士二次試験の問題に対して、技術コンサルタントらしい提案をまとめることが可能となるのです。  

2018年1月27日 電気電子部門、情報通信科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は17時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、情報通信科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。

 このK様は、無線機の設計責任者としてシステム設計に従事し、周波数ホッピング通信で電離層伝搬の劣悪伝送回避したことであり、固定通信と同等以上の伝送速度を確保したというものです。

周波数ホッピングとは無線通信のスペクトラム拡散で使われる方式の一であり、搬送波の周波数を一定時間毎に高速で切り替えることで、通信の秘匿性と耐雑音性を高める。スペクトラム拡散の代表的な方式には、周波数ホッピング以外に直接拡散もあり、いずれもノイズや干渉に強く、秘匿性に優れます。このため元々は軍事無線用途であったのですが、技術開発が進み、現在は民生用機器への応用が拡がり、CDMA方式の携帯電話や、無線LAN(Wi-Fi)、無線アクセス。親子電話の接続などに用いられています。

 この業績について、立場、役割、概要、技術的問題点、解決策の提案、成果・・とまとめてきましたが、最後のPDCAによるチェックとアクションに相当する内容がまとまりませんでした。

 そこで考えたことは

事実に基づいて検証する。成功したことではなく、自らの体験で失敗したことをとらえる。つまり、ニュース性のないものではなく、サプライズの内容とする。失敗から学んで、自らの理論を修正し、新しく得た理論を知見とする。この知見は汎用性に富んでおり、他者の公益性を高めるものに限る。具体的には、経済性や安全性が高まるものであること。


という考え方です。

 この結果、ご自身で考察をまとめられて完結されました。この間、基幹的には1週間であり、メールの回数は7回、電話相談1回でした。

 当研究所では専門家らしい業績をプレゼンするため、一般的な作業者の業績ではなく、それらとは1線を画した
専門的技術マネージャーにふさわしい貢献となるように、各受講者様の業績の中から具体的な行為を分析して、その骨子を効果的に組み立てます。この結果、どなたでも部門科目の技術者として会社に対する貢献を自負できるような、すなわちコンピテンシーの高い業績内容を表現することが可能です。

2018年1月27日 建設部門、河川砂防科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は15時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は建設部門、河川砂防科目を目指す方で、場所は山形から電話を用いて相談されました。

 T様の業績は〇〇地域における砂防堰堤対策の計画・設計 でした。その概要は、計画量4,000m3の砂防堰堤において、支持地盤力の向上を図るため置換基礎工法を採用し、酸性水対策では自然石パネル工法を用いた。結果、支持地盤が許容支持力に達し、従来の耐酸性水工法より40%のコスト縮減ができたというものでした。

 この内容について問題点、対策、成果などをまとめ、最後に本業績で得られた知見をまとめることになっていました。

 T様が最初お考えになったこの業績から得られた知見とは

 これまで、支持力が得られない軟弱な地層では、一般的に堰堤位置を設けることを避けるべきと考えられてきたが、〇〇特殊岩層等がある〇〇地域でも同方式で安全性が高まることが分かった。

というものでした。

 業績の結果として分かったことそのものであり、間違いではありませんが、ただし、そのようなただ
分かった」というだけの知見では知見としての意味がわかりません。あえてこのような最後のまとめとして知見を述べるわけですから、業績の価値を不動のものとして位置付けるものとする コメントでなければなりません。

 そこで電話コーチングにより、知見を述べる趣旨が
〇〇地帯において広く安全性が確保できる、すなわち汎用性の高いもの であると言うことを示すようにお伝えしました。

その結果、T様はご自身で検討されて


日本の〇%の面積を占める〇〇地域の中で、〇〇作用を受け対策が困難だった地層でも、適用性が可能となった。

対策難度の高い〇〇特殊岩エリアで土石流対策に成功したことから、本方式は、日本の16%の面積を占める〇〇地域の過半エリアでの適用可能性が予想される。
対策難度の高い〇〇特殊岩エリアで土石流対策に成功したことから、本方式は、日本の16%の面積を占める〇〇地域のかなりの範囲で、適用可能性が予想される。

 このように修正をされて、T様は最終的に短い時間で業務内容の詳細を完成させることができました。

 この間に電話相談や5、6回のメールのやり取りがありました。これらはすべて
マンツーマンコーチングだから可能 なのです。

 本研究所の技術士二次試験の申込書作成指導では、業務内容の詳細を策定において専門家らしい素質が伝わるような内容を目指しております。そのためには、
 
1. 業績の骨格を明確にする。
2. 問題点と方策の
論理的構成を整える。
3.
部門、科目の技術応用を明確にする。
4.
工夫した点が明らかとなるように説明する。
5. 成果を導くために、
自分の巧みな貢献が寄与したことを力説する。
6. 業績の結果について、
PDCAを行い、厳しいチェックを行っている。
7. チェックの結果、
従来の理論を上回る新たな知見 が得られたことを示す。

 このような方法で
試験官が受験者を専門家にふさわしいと認めざるをえないような業績内容をプレゼンできるように指導しています。

 コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています

2018年1月24日 建設部門、鋼コン科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は9時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は建設部門、鋼コン科目を目指す方で、場所は宮城から電話を用いて相談されました。業務内容の詳細においては業績の内容と専門技術の応用、そして成果を記す必要があります。 この建設部門鋼構造の方の場合、その成果がどのような意味を持つか分かりにくい ものとなっていました。

 橋長〇mの床版交換設計において、〇型格子床版を用いて鈑桁と縦桁の剛度差が小さい場合に、床版に付加曲げモーメントを加算する必要があることを提案していました。

 〇〇の〇型格子床版を採用したことでコストを〇%、工期を〇日縮減できた。 と一応業績の成果はまとめられていましたが、それ以外にこの業績でどんな知見を得たか述べなければなりません。

 得られた知見: 剛度差が小さい鈑桁と縦桁を有する床版に付加曲げモーメントを考慮した結果、床版の設計モーメントが〇%増加した。このことから、剛度差の大小に関わらず、付加曲げモーメントを考慮する必要がある。

 当初書かれた、この得られた知見の内容は、つまりどのような場合でも
安全側設計のため付加曲げモーメントを加算しなければならないという結論です。しかし一般的に付加曲げモーメントは、剛度差が小さい場合には不要だとされてきたものです。そのような一般的な認識と矛盾する わけです。これでは試験官の合意を得ることができません。

 そこでご提案したのは、この業績の1番の知見は何かというと、
付加曲げモーメントのどの時点から加算すべきかという見極めができた ということではないかと考えました。これまで曖昧であった付加曲げモーメントを加算するか否かの判断を明確に剛度差いくつを境にして加算の可否を判断するようにすればよいと考えたわけです。

 このように本講座の申込書を指導では、業績の一つ一つに置いて
専門家らしい知見まで含めて、矛盾がなく試験官に納得しやすいように表現できるよう指導しております。
この結果口頭試験では、試験官から見て

「この受験者は独創的で汎用性の高い貢献をしていることから、コンピテンシーが高いと考えられ、不合格にしてはならない」

という気持ちを起こさせるに違いありません。

 事実本講座の受講者様の口頭試験の際に、試験官が面接の際に、

「あなたはこのことをどうして論文に書かないのですか。ぜひ論文にしてください。」

というコメントをもらうことがありました。同じような合格のサインを、試験官をして発せざるを得ないような業績づくりを目指しております。

2018年1月4日 電気電子部門、情報通信科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は17時05分から、1時間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、情報通信科目を目指すT様で、場所は東京からスカイプを用いて相談されました。

 技術的体験チェックシートでは、業務内容の詳細として、プレゼンする体験論文をまとめ方を指導します。一般的に業務内容の詳細として、立場、課題、対策、結果などを挙げて業務内容をまとめる方が多いようですが、それだけでは技術士のコンピテンシーを表すことができません。
 課題というのはたいていは
仕事ありきで書かれているため、本質的な需要やニーズに基づくものではありません。貢献を確実に表現するため、物件の真の問題点と技術的解決策、工夫した点、そして技術者としての反省点を添えることにより、技術者として専門的な立場での貢献や見識を表すようにしています。
 この日、T様から、通信に関する業績として、とある周波数帯の通信機設計についての貢献の表現方法についてご相談がありました。

 詳細はご紹介できませんが、前年度に作成された業務内容の詳細をもとに、さらに専門家としての視点を十分表現できる余地があることをご説明しました。詳細はこれから技術的体験チェックシートに基づいて指導をすることとしましたが、過去の指導と大きく異なる次の2つの点をお伝えしました。

 その1つは、技術的貢献を明確にすることであり、専門とする部門科目の技術の応用をどのように行ったか、技術名称を上げて具体的に表現することです。こうすることによって専門技術者としての取り組みがより明確になります。

 2つ目は実施した業務経歴を体験して、その反省から何を学んだか大明確な知見として示すことです。エンジニアは業務を行うたびごとにPDCAによって新たな対応姿勢を学び取ります。今回の業績の中においても予想に反して100%の出来上がりではなかった反省点があるはずです。その原因を究明して当初の対応姿勢に内在していた自らの技術的対応姿勢の不十分な点を明らかとする。これによって技術者は体験から学び、専門的な試験を高めることができるのです。

 逆に言うと専門技術者は本やネットからは専門とする事項について学ぶ事はできず、自らの体験を深めていかなければ専門家にはなれないということです。

 こうしたことから体験に基づいてPDCAを行う事は専門家としての素質とされています。このため技術士試験でもこうしたチェックを自ら行っているか、すなわち業績に対する自己反省があるかどうかが問われ、それに対する技術的な反省点が専門家の証とされているわけです。

 一方、よくありがちな自らの業績いの結果が「まあまあ良かった」とか「クレームはなかった」などと安易に高評価している方は専門家としての使命感が薄いと見られてしまいます。

 こうして、S様は疑問点をクリアにして業務内容の詳細に迷うことかなく取り組むことになりました。この結果として短時間で完成できるに違いありません。当研究所では、マンツーマンコーチングでクイックレスポンスに対応し、しかもまとめやすいチェックシートで効率的な技術士の勉強ができるように支援しています。

2018年1月4日 建設部門、鋼コン科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は9時05分から、40分間行なわれ,その受講者様は建設部門、鋼コン科目を目指すS様で、場所は宮城から電話を用いて相談されました。

 教材に用いた業務経歴チェックシートでは、申込書の5つの業務経歴に相当する内容を作成します。一般的に業績の結果や物件名を挙げる方が多いようですが、それでは技術士のコンピテンシーを表すことができません。そこで、

物件の仕様のほかに、貢献や応用した専門技術名、そして成果を添えることにより、技術者としての貢献を表す

ようにしています。  この日、S様から、鋼構造に関する業績として、連続合理化少数鈑桁橋設計についての貢献の表現方法についてご相談がありました。
 この橋の設計では、L2地震動に対応して端横桁を設計し、その結果安全性の向上に成功したとのことでした。このため安全性に配慮した設計プロセスを技術士としての貢献にしたいとのご意見でした。
 しかし、一般的にはL2地震動に対応して、上部工の端横桁を設計することはなく、設計しない理由もあるわけです。そのような前提がありながら、
あえて安全配慮の視点からと言って実施したとしても、高い評価が受けられるか疑問でした。一方的な技術者の思いで品質を高めても、それはコストアップを伴うものであり、発注者が納得するかどうか疑問です。
 そこで、そのような判断が分かれるような業績としてまとめるのではなくはなく、
L2地震動対応は発注者の要求なのであり、そこに貢献を置かず、L2地震動に対応した上部工の設計をどのような専門的設計法で行ったかを表すように指導しました。その設計法は、フレーム解析理論によるものであり、いわば準在来設計技法に位置付けられるものです。

準在来設計技法であるフレーム解析はハイテクではないとしても、橋梁設計の専門技術であることから、技術士の業績として十分ふさわしい

とあると考えられるからです。  こうして、S様は疑問点をクリアにして業務経歴を短時間で効果的に完成することができました。技術士合格への道研究所では、マンツーマンコーチングでクイックレスポンスに対応し、しかもまとめやすいチェックシートで指導するため効率的な技術士の勉強が可能です。

2017年12月30日 衛生部門、建築環境科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は16時から、2時間20分間行なわれ,その受講者様は衛生部門、建築環境科目を目指す方で、場所は東京から電話を用いて相談されました。 

 過去問練習では、問題文の趣旨にぴったり合っているかどうか、問題文と解答を対照しながら添削していきます。この方の場合も、知識を120%発揮して書かれていましたが、それでは不十分でした。省エネや長寿命に役立つ技術を3つ取り上げて、概要と実現方法、課題を挙げるよう求められていましたが、それぞれの内容がふさわしいものではありませんでした。
問題文はこうでした。
-------------------------
 建築関連5団体は、今日の地球環境問題と建築との係わりの認識に基づき、「地球環境・建築憲章」を制定し、持続可能な循環型社会の実現にむかって、連携して取り組むことを宣言している。先ず、その骨子となる5つの方針とその概要を述べよ。次に、各自の専門領域において、その方針を実現するための技術を3つ提案し、それらの概要と実現に向けての方法と課題を具体的に延べよ。

それに対して解答はこうでした。


(1)骨子となる5つの方針と概要
1)骨子となる方針①:長寿命
(概要)世代を超え使い続けられる価値ある社会資産になるよう企画、計画、設計、建設、運用、維持する。
2)骨子となる方針②:自然共生
(概要)自然環境と調和し、多様な生物との共存を図りながら、良好な社会環境の構成要素として形成する。
3)骨子となる方針③:省エネルギー
(概要)建築の生涯エネルギー消費は、最小限に留め、自然エネルギーや未利用エネルギーは最大限活用する。
4)骨子となる方針④:省資源・循環
(概要)可能な限り環境負荷の小さい、また再利用・再生が可能な資源・材料に基づいて構成され生涯の資源消費は、最小限に留める。
5)骨子となる方針⑤:継承
(概要)多様な地域の風土・歴史を尊重しつつ新しい文化として創造し、良好な成育環境として次世代に継承する。
(2)方針を実現するための3技術
1)ライフサイクルエンジニアリング
(概要)
運用段階の保守管理、修繕、更新、可変性を容易にする設計的配慮と、省エネルギーシステムの効率性のある運用を構築する。
(実現に向けての方法)
①配管系では、水質管理や洗浄回数を増やしたり、定期的に腐食進行状況の監視を高め長寿命化を図る。
②月別・用途別・機器別のエネルギー使用量の予測値と実績値の比較から運用実態を把握して効率的な運用管理を確保する。

(課題)
①使用者・設備上・工事上の分割的要素による年次計画を構築し、既存設備の余命と工事時期とのバランスを図り、建物機能に与える影響度合を最小限にする。
②ライフサイクルによる性能検証に対する理解と内容の明確化、性能測定方法や評価方法を含めた関連技術習得や開発による教育環境や職能体制整備を構築する。
2)ハイブリッド給湯システム
(概要)
ベースロード用にヒートポンプ給湯機を定常運転として変動負荷追従に潜熱回収型の燃焼式給湯器を上乗せ同時運転とし、エネルギー効率を向上させる。
(実現に向けての方法)
①低負荷給湯時は、ヒートポンプで沸かした貯湯タンクの湯を使い、高負荷時には、燃焼式給湯機で瞬間的に湯を沸かして必要な湯量をサポートする。
②給湯以外の床暖房などの熱効率を高める為、立ち上がりは、燃焼式給湯機で素早く部屋を暖め、その後は、ヒートポンプで沸かした湯を循環して温度キープする。

(課題)
①給湯低負荷時は、電気を利用し、高負荷時は、ガスを利用するなど、両エネルギーをバランスよく利用する事により、近年のエネルギー事情変化に対応する。
②給湯使用量や床暖房器具の利用量が多い用途に対して光熱費削減や熱効率の向上が期待できる事から、ライフスタイルや利用人数などが重要な要素となる。
3)雨水・排水の再利用
(概要)
雑用水系統と上水系統の2系統で供給する多元給水システムを採用し、水資源の有効利用と循環利用を図る。水源は雨水や排水の再利用水による。
(実現に向けての方法)
①屋根や屋上から雨水を集水して、屋上や屋外の植物などへの散水用水として雨水を利用し、散水は自動散水として緑化促進による冷却効果を強化する。
②排水は、手洗い・洗面などの汚染の少ない低汚濁雑排水を集水させ、便所の洗浄水として供給し、上水の使用水量を削減する。

(課題)
①利用できる雨水量を確保し、集水される雨水は良質な水質として、処理過程の短縮化や処理動力の低減を図り、経済的効果を確保する。
②節水化による原水不足により、ちゅう房排水除外設備の処理水を原水として利用するなど、年間を通じて安定して得られる排水を確保する。

 課題の内容が解決策の留意点に近いものであり、マネジメントをどのように行う側という、いわば事業主の思いを代弁した内容となっていました。しかし、ここでは問の論理的な流れとして、概要、実現に向けての方法、につづく課題であるため、新たな問題点や技術開発のテーマがふさわしいと考えられます。

 すなわち技術者として今後自らが行う業務を全うする上で、

課題とは新たに習得しなければならない技術や打開しなければならない課題意識

があるかを問い掛けられているわけです。こうした能力はエンジニアの高いコンピテンシーを表すものであり、言い換えれば技術士試験が難易度を増していることに他なりません。

2017年12月23日 電気電子部門、電気設備科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は17時から、20分間行なわれ,その受講者様は電気電子部門、電気設備科目を目指す方で、場所は神奈川からスカイプを用いて相談されました。

 業務経歴チェックシートでは、申込書の5つの業務経歴に相当する内容を作成します。ここではその部門、科目の業務に相当する内容が表現できていなくてはなりません。その内容によって経験年数7年に相当するか否かが判断されますので。

 この日の相談の中でまずご指摘申し上げたのは電気電子部門電気設備科目を受験するのにその部門科目の業務が書かれていないことでした。申込書には次のような業務が書かれていました

  • マンションエレベーターの点検業務
  • ショッピングセンターエレベーターの点検業務
  • ビルの中央監視盤の試験
  • ビルのエレベーターの機械調整
  • マンションエレベーターの防振対策

 いずれの作業の中にも電気設備の要素はあるわけで、それらについて技術応用をどのように行ったかを表現すればよいわけです。

 一方、機械調整や防振対策では機械部門の業績となってしまうため、電気電子部門に相当する要素だけを取り出して記述する必要があり、新たに検討をすることをお願いしました。

 また、電気設備科目としての貢献を表すためには、 

電気工学の技術応用をどのように行ったか、そして成果はどのように導いたか

ということを表す必要があります。短い記述の中で表現することは難しいかもしれませんが、業務経歴チェックシートで分析すれば所定の文字数以内でかなりのコンピテンシーを表すことが可能です。

 スカイプのコーチングは以上のことを申し上げました。この後は業務経歴チェックシートにまずはご自身でわかる範囲で記入していただいて、それを添削コメントし、以上を数回繰り返すことで申込書として仕上げていく予定を申し上げました。

 コーチングがいかに役立つかご理解いただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。皆さんの技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年12月10日 建設部門、鋼コン科目の方の電話による指導

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 この日のコーチングによる指導時間は20時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は建設部門、鋼コン科目を目指す方で、場所は中国地方のとある県から電話を用いて相談されました。技術的体験チェックシートでは、現時点での評価、現時点での改善策、技術的課題、将来展望をまとめます。この分析に役立つのが「現時点での評価」を行うことです。

基になった業務概要は次のようなものでした。


3. 業務概要
(1) 高速道路橋(12橋・93スパン・2,300m)の現状把握と評価診断
(2) 打音点検の効率化のために赤外線カメラにより打音箇所を絞り込んだ。
(3) 損傷の激しい箇所は水濡れ部と相関が高いと判断し、その相関分析結果を応用した。
(4) 赤外線カメラ適用箇所は打音範囲の削減により点検費用50%削減

 それに対して問題点と解決策を相談して検討していきました。


4. 技術的問題点と解決方法
4-1 技術的問題点
(1) 赤外線カメラの検出精度は湿度、風、時間、日射等の複合要因の影響を受け、損傷の未検出が多く、赤外線調査範囲の点検診断に再度打音するため従来よりも30%程度不経済。
(2) 浮き・剥離は目視では識別困難のため、橋梁全面を打音する。結果、手間がかかり、経験の浅い点検員は、規制時間内に点検を終わらせようと焦り肝心な損傷の見落としが多い。


4−2解決策(技術的提案、4-1を改善に導いた方策)
(1) 正確な現状把握するため、健全部と空隙部に温度センサーを取付けた模擬試験体を事前に確認し検出精度を確保した点検診断を実施した。
(2) 広島管内点検対象橋梁110橋の損傷履歴から損傷発生傾向分析した。その結果、路面水と損傷の相関を得た。これにより路面水の伝い流れる部位を優先的に打音し劣化診断の合理化を図った。


 その結果、本来はコンクリート構造物の維持管理について述べなければならないのに、業績の説明の主体は赤外線カメラに執着しています。このためストーリーを建設に主眼を置いたものに軌道修正し、その手段としてカメラ調査を行ったことを述べるようにしました。こうして、建設の維持管理の業績としてふさわしいまとめができました。

6. 現時点での評価
 コンクリート構造物は部材厚が均一でないため、太陽光などの影響で、厚い部分と薄い部分で温度差が発生する。コンクリート構造物自体が温度差を持つと特異な温度変化部(0.1度程度)は検出することが困難になり、経験のない調査員は見逃す可能性が発生する。現在は、このコンクリート構造物自体が持つ温度勾配を熱画像フィルタ処理技術により除去することが確認できた。今後は、経験のない調査員でも容易かつ確実に検出できる画像フィルタ処理技術を使用すべきと考える。

 こちらの現時点での評価の内容も、実施した解決策の反省点から新たな知見を述べるべきもののはずですが、やはりカメラ調査の分解能に終始しています。そこで前段で述べたようにした
コンクリートを維持管理の業績に方向転換し、コンクリート維持管理に関する具体的な反省点を挙げるようにして、論文としての一貫性を持たせることに成功しました

 いかがですか。コーチング指導の素晴らしさがお分かりいただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。このような方法で技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

2017年10月27日 建設部門、道路科目の方のスカイプによる指導

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 この日のコーチングによる指導時間は20時00分から、1時間行なわれ,その受講者様は建設部門、道路科目を目指す方で、場所は愛媛からスカイプを用いて相談されました。交差点改良の設計という業績について、

(1)交差点の速度の低減や、

(2)本線シフトの最短化という解決策を提案されていました。これらについて技術士にふさわしいか否かを検討しました。この

技術士業務としてのふさわしいさを判断するときには、業績の独創性や汎用性を評価する

必要があります。そこで次の項目をチェックしました。

5.解決策の妥当性
5-1独創性、先駆性
  本業務では、上り側1車線増設及び、交差点の最適サイクル長の設定による渋滞交差点の改良設計を行い、平均通過速度を約6km/h高め、約4割の渋滞緩和を導いた。
5-2応用性、汎.用性
  限られた現道の道路空間内で、横断構成の再配分により渋滞緩和の一定効果を達成することができた。
5-3 経済的評価
 自動車の走行速度向上により、走行時間・走行経費の減少が図られた。
5-4環境保全効果
 提案工法の渋滞緩和により自動車排出ガス(CO2、NOX、SPM)を減少し環境保全効果がある。

ということで十分技術士にふさわしいと言う事は一応わかりました。一方、
現時点での改善策は従来の対策の延長の域を出ないもので新しい考察を必要としていました。

7.現時点での改善策
 当該交差点を含む一定エリアで経年の交通状況を調査分析し、道路網の効果的な渋滞緩和を図る中で当該地の効果的な渋滞緩和策をさらに進める。

 すなわち体験に基づいた
知見の獲得や発見の記述がなく、ただ従来行っていた作業を継続するという、いわばやり残した仕事を続けるというコメントに過ぎない からです。

 そして最後に、これから
道路技術者が取り組まねばならないこと(技術的課題)とそのような対応をできるようにするために、道路技術士が今から備えるべきこと、あるいは対応姿勢(将来展望)は何かをコーチングにより考えました。


    コーチング指導の素晴らしさがお分かりいただけましたか。本研究所では受講生様の進度に合わせて指導しています。論文の理解度が欠けていると判断ときや、業績についても新しい視点が必要と判断したときは、随時電話、スカイプにてご相談の時間を持つように講師の側からお知らせしております。このような方法で技術士合格への疑問を短時間で解決するよう努めています。

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